これからホームページを制作しようとしている方であれば、WordPressという言葉を一度は耳にしたことがあるかも知れません。
最近ではWordPressというCMSを使ってホームページを制作するお店や会社がとても増えています。
2023年の時点では、世界中のウェブサイトの43.2%がWordPressで作られています。
つまり、世界中のホームページの5分の2以上がWordPressを使用しているということになるわけです。
いったいなぜWordPressがこれほどまでに人気になっているのでしょうか?
ここでは、WordPressでホームページを制作することのメリットについて詳しく解説してみたいと思います。
もちろん、WordPressでホームページを制作することによるデメリットもありますので、そちらも合わせて解説していきたいと思います。
WordPressなら誰でも管理画面から記事の作成や修正ができる
自社のホームページを制作するにあたって、WordPressを使用することの一番のメリットは、誰でも簡単に記事を公開したり修正をしたりすることができるという点にあります。
一般に、ホームページにコンテンツをアップするためには、HTMLやCSSの知識が必要になります。
ウェブの制作に関してまったく知識のない方がこのHTMLやCSSを見ると、意味不明な暗号のように感じてしまうことでしょう。
そのため、自社のホームページにあらたにページを追加したり、過去にアップした記事を修正したりするときには、制作会社にお金を払ってやってもらうというのが一般的です。
しかし、WordPressであれば、そういったHTMLやCSSの知識がまったくなくても、簡単に新規記事をアップしたり、過去の記事を修正したりできてしまいます。
簡単なパソコンの操作ができて、無料ブログの記事を書いたり更新したりできる程度の知識があれば十分です。
また、ちょっとしたウェブの知識があれば、新規記事の更新や過去記事の修正だけではなく、ホームページを1から立ち上げることもできてしまいます。
HTMLやCSSの知識がまったくなくても、ホームページを1から立ち上げることができるという点は、WordPressの大きな魅力の1つと言えるでしょう。
●HTMLやCSSの知識がまったくなくても、簡単に新規記事をアップしたり、過去の記事を修正したりできる
●ちょっとしたウェブの知識があれば、ホームページを1から立ち上げることもできる
経費削減にながるというWordPressのメリット
WordPressは、ちょっとした知識があれば、誰でも簡単にホームページの更新ができてしまうために、頻繁にサイト上の情報を変更する会社やお店にとっては確実に経費削減になる可能性があります。
ホームページの管理は、制作してくれた会社にそのままお任せしてしまっているところが多いと思いますが、その契約内容はさまざまです。
簡単な修正などは月々の管理費の中でやってくれる契約になっている場合もあれば、修正のたびに5千円程度の手数料を支払わなければならない契約になっていることもあります。
参考:ホームページ制作会社に支払う月々の管理費の相場はどれくらいか?
もし、月々の管理費のなかにホームページの修正費用が含まれない契約の場合、修正を依頼するたびに手数料を支払わなければなりません。
たとえば飲食店のホームページで、「本日のおすすめメニュー」という項目があったとします。
こういった項目がある場合は、基本的にその日のメニューに合わせて毎日サイトを変更することになります。
毎日の変更に対して、その都度ホームページ管理会社に手数料を支払っていたのでは、たいへんな経費がかかってしまいます。
また、ホームページ管理会社が忙しかったりすると、更新してほしいタイミングでリアルタイムに対応してくれない可能性もあります。
ところが、WordPressであれば、いつでも自分の好きなタイミングで好きなだけ変更をすることができます。
もちろん、自分で更新をすればタダなので、経費の大幅な削減にもつながるわけです。
●月々の管理費のなかにホームページの修正費用が含まれない契約の場合、修正を依頼するたびに手数料を支払うことに
●更新してほしいタイミングでリアルタイムに対応してくれない可能性
●WordPressであれば、いつでも自分の好きなタイミングで好きなだけ変更をすることができる
関連記事:WordPressのサイトを自社で管理するメリット
WordPress はSEOに強く上位表示しやすいというメリット
WordPressが多くのウェブサイトに採用されている理由は、更新が簡単だということの他にもまだあります。
それは、WordPressがSEOに強く、自然検索で上位表示しやすい傾向にあるという点です。
せっかくホームページを制作したのに、自然検索からのアクセスを望まないという人は少数派でしょう。
多くの人は、1つでも検索順位をあげて自社のホームページにたくさんのアクセスを呼び込みたいと考えるはずです。
WordPressがSEOに強いというのは、単に噂話のレベルではありません。
実際にGoogleのマット・カッツ氏が、自身の公演で次のように語っています。
WordPressを選ぶことは、非常に良い選択です。なぜなら、WordPressは、SEOに関する多くの問題を自動的に解決してくれて、SEO(サーチエンジン最適化)の手法の80%~90%に対応するように作られているからです。
引用:Google検索の責任者も認めるWordPressのSEO効果
まさにGoogleのお墨付きのCMSがWordPressということになります。
それでは、なぜWordPressはSEOに強く上位表示しやすいといわれているのでしょうか?
●WordPressがSEOに強く、自然検索で上位表示しやすい傾向にある
●SEOに関する多くの問題を自動的に解決してくれて、SEOの手法の80%~90%に対応するように作られている
WordPress を使用すると勝手に内部SEO対策ができるというメリット
WordPressがSEOに強いといわれている一番の理由として考えられるのが、内部構造です。
使用するテーマにもよりますが、WordPressでサイトを構築してどんどんコンテンツを増やしていくと、サイト内に内部リンクが張り巡らされるようになります。
特にSEOに強いといわれているテーマの場合、そうした内部リンクを含めたサイトの内部構造がうまく設計されています。
SEOの専門知識がまったくない素人がホームページを構築しても、自然に内部SEO対策ができてしまうような作りになっています。
内部リンクが張り巡らされることによって、検索エンジンのクローラーが巡回しやすくなると同時に、いわゆる被リンク効果的なものも期待できます。
被リンク効果があるのは外部リンクだけだと思っている人も少なくないようですが、そんなことはありません。
過去に内部リンクをうまく活用することによって、特定のキーワードを上位表示させた経験が私には何度もあります。
SEOの専門家として断言しますが、多くの人が思っている以上に内部リンクというのはSEO効果が高いのです。
もちろん、HTMLサイトでもSEO的に効果のある内部リンク構造にすることはできますが、WordPressだとより簡単にできてしまうということになります。
また、WordPressの場合、新たなコンテンツを増やすことが簡単にできるために、ホームページのボリュームアップも容易です。
ロングテールの細かいキーワードからのアクセスを大量に集めるためには、ホームページにある程度のボリュームが必要になります。
ボリュームアップのために、外注のライターさんを使って記事を書いてもらっている人もいることでしょう。
WordPressであれば、外注のライターさんに記事を書いてもらって、そのままにライターさんにアップまでしてもらうなどということもできてしまいます。
HTMLやCSSの知識がなくてもページを構築できるWordPressだからこそ、そういったことが可能になるわけです。
他にもまだまだWordPressがSEOに強い理由はたくさんありますが、さらに詳しく知りたい方は、以下のサイトに詳しく書かれていますので参考にしてみるといいでしょう。
●SEOの専門知識がまったくない素人がホームページを構築しても、自然に内部SEO対策ができてしまう作り
●多くの人が思っている以上に内部リンクというのはSEO効果が高い
●新たなコンテンツを増やすことが簡単にできるために、ホームページのボリュームアップも容易
参考:WordPressはSEOに強いのか?をリアルに1つ1つ検索して調査した件
WordPressならWeb上で簡単に情報が見つかる
WordPressでサイトを運用中に、カスタマイズをしたり、特殊な使い方をしたいと思ったりすることがあると思います。
また、操作ミスやバージョンアップなどのタイミングで、WordPressにエラーが発生することもあります。
そういったときでも、WordPressであればネット上から答えを探し出すことは難しくありません。
WordPressは世界中のWebサイトの43.2%を占めていますから、ネット上に情報があふれているのは当然のことです。
この点も、WordPressを使うことの大きなメリットだと思います。
これがマイナーなCMSですと、どんなにWeb上を検索しても、必要な情報にたどり着けなかったりします。
また、多くの人が使っているCMSだからこそ、WordPressには多くのテーマ(テンプレート)やプラグインが提供されており、デザインや機能面で困ることはほとんどないといえます。
●WordPressは世界中のWebサイトの43.2%を占めている
●マイナーなCMSだと、どんなにWeb上を検索しても、必要な情報にたどり着けない
もちろんWordPress にはデメリットもあります
いいことずくめのようなWordPressですが、もちろんデメリットもいくつかあります。
これからWordPressでホームページを制作する予定の人は、デメリットについてもしっかりと頭の中に入れてから制作に取り掛かるようにするといいでしょう。
万が一のときにサイトが復活できなくなる可能性もあります
まず、1つの目のデメリットとして、バックアップをしっかりとしておかないと、何かあったときにサイトの復活が困難になるという点があげられます。
HTML形式のホームページであれば、万が一サーバー上のデータが消えてしまったり何か致命的な不具合が起こったりしたとしても、簡単に復活させることができます。
自分のPCやクラウド上などに元のHTMLファイル一式が残っていれば、それをそのままサーバーに再度アップロードすればいいだけだからです。
ところが、WordPressの場合はそう単純にはいきません。
なぜなら、WordPressはサーバー上でデータベースのやり取りをしながらシステムを動作させる仕組みとなっているため、何か不具合が起こったりしたときは、専門の知識がないと復活が困難です。
また、うっかりとサーバー内のデータを消してしまったりすると致命的で、しっかりとバックアップを取っていないと二度とサイトが復活ができなくなってしまう可能性があります。
そのため、WordPressで作られたホームページを運営するにあったっては、こまめなバックアップは必須といえます。
WordPressでのホームページを制作するときには、そういったバックアップも含めてしっかりと管理をしてくれる制作会社に依頼をすることが大切といえます。
ただし、最近のレンタルサーバーはバックアップ機能が充実していることが多いので、使用するサーバーによってはそれほど神経質にバックアップのことを考えなくてもよくなっています。
●WordPressはサーバー上でデータベースのやり取りをしながらシステムを動作させる仕組み
●こまめなバックアップは必須
●最近のレンタルサーバーはバックアップ機能が充実していることが多い
HTMLサイトにくらべて動作が重くなりがちです
WordPressは、アクセスがあるたびにサーバー上のデータベースとやり取りをしながらサイトを表示させますので、どうしても動作が重くなってしまうというデメリットがあります。
ホームページを訪問する人は圧倒的にスマホ経由が多くなっていますので、表示速度が極端に遅くなってしまうと離脱率が高くなってしまいます。
せっかくサイトに訪問してくれた人が、表示速度が遅いという理由で去ってしまう可能性があるわけです。
また、極端に表示速度が遅くなると、SEO的にもマイナスになってしまいます。
そのため、WordPressでホームページを構築するにあたっては、ある程度の高性能なサーバーを使用する必要があります。
もっとも、最近では各サーバー会社もWordPress専用の高性能なサーバーを格安で提供してくれるようになりましたので、WordPressの表示速度で悩むことは少なくなっています。
また、使用するWordPressテーマ(テンプレート)によっても、表示速度は大きく変わってしまいます。
なるべく、サイトの表示速度にこだわったWordPressテーマを使用するようにした方がいいでしょう。
弊社では、WordPressのサーバー移転サービスを提供していますが、依頼される方が最近は非常に多くなっています。
●表示速度が極端に遅くなってしまうと離脱率が高い
●極端に表示速度が遅くなるとSEO的にもマイナスになる
●ホームページを構築するにあたっては、ある程度の高性能なサーバーを使用した方が良い
参考:WordPressの引越し代行サービス~サーバー移転・移行・ドメイン変更
テーマやプラグインのバージョンアップに対応する必要がある
WordPressでホームページを運営するにあたっては、テーマ(テンプレート)やプラグインと呼ばれるWordPressの機能を拡張するためのツールを常に最新版のものにしておく必要があります。
そうしないと、動作が不安定になったり、セキュリティに問題が生じたりすることがあるからです。
プラグインをたくさん入れているホームページだと、1週間に1度程は何かしらのプラグインの更新通知を受け取ることになるでしょう。
それほど、WordPressのテーマやプラグインのバージョンアップは頻繁に行われるものなのです。
そのため、まめに管理画面にログインをして、通知の来ているテーマやプラグインの更新を実行する必要があります。
これも、ホームページ制作会社との管理に関する契約の問題になりますが、そういったWordPressのさまざまな更新作業もしっかりと行ってくれる会社を選ぶことが大切になります。
●動作が不安定になったり、セキュリティに問題が生じたりする
●WordPressのテーマやプラグインのバージョンアップは頻繁に行われる
●WordPressのさまざまな更新作業もしっかりと行ってくれる会社を選ぶ
セキュリティに脆弱というWordPressのデメリット
WordPressのデメリットの1つに、セキュリティの脆弱性があります。
WordPressで制作したホームページが、いつの間にかハッキングされてしまうトラブルがしばしば起こります。
WordPressがハッキングされてしまうと、せっかくのホームページが改ざんされてしまったり、ひどいケースだとフィッシング詐欺のページにリダイレクトされてしまったりすることがあります。
関連記事:WordPressのサイトが勝手に他のサイトに飛ばされる~リダイレクトハッキングとは?
また、ハッキングされてしまったサイトは、Googleから手動ペナルティを受けて検索順位を大きく下げられてしまったり、レンタルサーバーが凍結されてしまったりすることがあります。
関連記事:WordPressのマルウェア感染でサーバーが凍結
ですから、WordPressで制作されたホームページを運営していくにあたっては、小まめにWordPress本体やプラグインを最新版にバージョンアップをして、セキュリティホールをふさぐ必要があります。
それと同時に、セキュリティ対策用のプラグインなどを使って、ハッカーの侵入を未然に防ぐようにすることが大切です。
●いつの間にかハッキングされてしまうトラブルが起こることもある
●Googleから手動ペナルティを受けて検索順位を大きく下げられてしまったり、レンタルサーバーが凍結されたりする
●セキュリティ対策用のプラグインなどを使って、ハッカーの侵入を未然に防ぐことが大切
文:土井 稔