弊社では、WordPressの引越し(サーバー移転)に自分でチャレンジして失敗をしてしまった方からの相談を、よく受けることがあります。
WordPressの引越しは、専用のプラグインやレンタルサーバー会社の提供している「簡単移行ツール」などを使って、誰でも簡単にできると考えがちです。
しかし、実際にやってみるとさまざまな落とし穴にはまって、サーバーの移転に失敗をしてしまうことも少なくないのです。
ここでは、WordPressの引越しを自分でやって失敗をした人が、そのあとどうすればいいのかについて詳しく解説をしています。
なぜWordPressの引越し(サーバー移転)で失敗が起こるのか?
WordPressの引越しに失敗してしまう原因にはさまざまなものがあります。
たとえば、旧サーバーと新サーバーのPHPバージョンの違いです。
WordPress本体のバージョンによっては、移行先サーバーのPHPでは動作しないことがありますが、それを事前に調べずに移行したりするとエラーになったりします。
そういったケースでは、引っ越し先のサーバーのPHPを古いバージョンにもどす必要がありますが、最新のレンタルサーバーの中には、古いPHPに対応していないケースもあります。
その場合は、WordPress本体のバージョンを上げるなどして、最新のPHPに対応できるようにする必要があります。
関連記事:WordPressの引越し・サーバー移転とPHPバージョンの問題
簡単移行ツールによるWordPressのサーバー移転で失敗をするケースも多いです。
簡単移行ツールを使う場合、データ容量が大きすぎてエラーになるということがよく起こります。
ある程度ボリュームのあるWordPressを引越しさせるときには、簡単移行ツールはぜんぜん簡単ではなかったりします。
関連記事:WordPressの簡単移行ツールでサーバー移転に失敗する理由
この容量が原因のWordPressの失敗は、簡単移行ツールだけではなく、プラグインを使ったときにも発生します。
WordPressのサーバ移転で定番とされるプラグインに「WordPressがAll-in-One WP Migration」がありますが、無料版だと最大で1GB(サーバーによって異なります)までしかアップロードできません。
有料版にすることで容量制限を解除することができますが、有料版にしたからといってWordPressの引越しに絶対失敗しないという保証がありません。
もし失敗してしまった場合は、有料版の購入代金が無駄になってしまいます。
また、旧サーバー側でFTP接続によって直接サーバーにcssファイルやjpgファイルをアップロードしていたりすると、それらのファイルをAll-in-One WP Migrationではうまく移転できないことがあります。
関連記事:All-in-One WP MigrationプラグインでWordPressのサーバー移転に失敗するケース
これ以外にも、WordPressの引越しに失敗する原因はたくさんありますが、サーバーのPHPの問題とデータ容量が原因で失敗となるケースが圧倒的に多いです。
●最新のレンタルサーバーの中には、古いPHPに対応していないケースもある
●簡単移行ツールを使う場合、データ容量が大きすぎてエラーになる
●有料版にしたからといってWordPressの引越しに絶対失敗しないという保証がない
WordPressのサーバー移転に失敗して404エラーが出るケース
WordPressのサーバー移転に失敗して、404エラーの画面が表示されるケースが少なくありません。
トップページは問題なく表示されるのに、投稿ページが404エラーになることも良くあります。
こうしたケースで考えられる原因がパーマリンクの設定です。
WordPressの引越し前とまったく同パーマリンクの設定になっていたとしても、こうした現象が起こります。
この場合は、パーマリンクの設定そのものは何もいじらずに、ただ「変更を保存」のボタンをクリックすればOKです。
これだけで、サーバー移転に伴う404エラーが解消されることがあります。
この方法で404エラーが解消しない場合は、「.htaccess」の記述に問題がある可能性が高いです。
特に、WordPressサイトのリニューアルなどで、ディレクトリの構成を変更したときには「.htaccess」の記述ミスによって404エラーが発生している可能性があります。
●パーマリンクの設定
●「変更を保存」のボタンをクリックすればOK
●解消しない場合、「.htaccess」の記述に問題がある可能性が高い
WordPressのサーバー移転とバックアップデータの重要性
たとえWordPressの引越しに失敗したとしても、それほど心配をする必要はありません。
なぜなら、元データさえしっかりと残っていれば、問題なくサーバー移転に再チャレンジすることが出来るからです。
逆にいいますと、何らかの理由で元データがなくなってしまうと、致命的なことになりかねません。
ですから、WordPressの引越しをするときには、元データは絶対にいじってはいけません。
それと同時に、万が一のことを考えて必ずバックアップを取っておくことが大切になります。
ただ、幸いなことに最近のレンタルサーバーでは、デフォルトでバックアップ機能が備わっていることが多いので、自分自身でバックアップを取り忘れたとしても、サーバー内のバックアップデータから復旧することも可能になります。
たとえば、エックスサーバーでは無料でバックアップ機能が使えるようになっていますし、さくらのサーバーも「バックアップ&ステージング機能」を有効にしておけば、自動でバックアップを取ることができます。
●元データさえ残っていれば、問題なくサーバー移転に再チャレンジすることが出来る
●WordPressの引越しをするときには、元データは絶対にいじってはいけない
●エックスサーバーでは無料でバックアップ機能が使える
WordPressの引越し(サーバー移転)に失敗したときにやるべきこと
WordPressの引越しに失敗をしてしまい、ネームサーバーの切り替えをしたとたんにエラー表示がでてしまったりすると、あわててしまうに違いありません。
しかし、旧サーバーに元データがそのまま残っている場合には、まったくあわてる必要はありません。
切り替をしたネームサーバーを、元の状態に戻せばいいことになります。
あくまでも、移転先のサーバーでうまく表示されなかったということですから、移転元のサーバーに残っているWordPressをこれまで通り表示させればいいわけです。
そして、失敗した原因をクリアーしたうえで、再度サーバー移転にチャレンジすればいいのです。
一番やってはいけないのが、新しいサーバーでエラーが発生した状態のまま放置をすることです。
エラー表示がされている状態のサイトにGoogleのクローラーが回ってきてしまうと、SEO的な評価を下げられてしまう可能性があります。
その結果、Googleの検索順位が大きく下がってしまうという結果になります。
ですから、WordPressの引越しに失敗をしたら、まずはネームサーバーを元の状態に戻して、エラーが出ない状態でサイトを表示させることが最優先になります。
●移転元のサーバーに残っているWordPressをこれまで通り表示させればいい
●新しいサーバーでエラーが発生した状態のまま放置をしない
●Googleの検索順位が大きく下がってしまう
エックスサーバー同士の引越しで失敗すると致命的?
WordPressの引越しに失敗したとしても、それほどあわてる必要はないというお話をさせていただきましたが、エックスサーバー同士でのWordPress引越しだけは例外になります。
なぜなら、エックスサーバーというのは、別々のアカウントで同じドメインを登録できない仕様になっているからです。
つまり、エックスサーバー同士でWordPressを引越しする場合、移行元のサーバーのデータをダウンロードしたあとにドメインを削除し、その後に移行先のサーバーにドメイン登録をしてデータをアップロードする必要があります。
そのため、移行先のサーバーで何らかのエラーや不具合が出てしまった場合に、他のサーバーのときのようにネームサーバーを元に戻して古いサーバーで表示をさせるということが出来なくなってしまうのです。
こうしたリスクを避けるために、エックスサーバー同士でWordPressの引越しをする際には、一旦他社のサーバーに仮移転をして、そのあと新しいエックスサーバーに移転をするという面倒なプロセスで行うのが一般的です。
こうしたプロセスによらないで、直接エックスサーバー同士でWordPressの引越しを行うということは、絶対に失敗が許されないという大きなリスクを背負うことになります。
ただし、エックスサーバーとXserverビジネスであれば、それぞれのアカウントで同じドメインの登録ができますので、他のサーバーからの移転と同様に問題なく引越しができます。
●別々のアカウントで同じドメインを登録できない仕様
●ネームサーバーを元に戻して古いサーバーで表示をさせるということが出来なくなる
●エックスサーバーとXserverビジネスであれば、それぞれのアカウントで同じドメインの登録ができる
Xserverビジネスの公式ページ
関連記事:WordPressをエックスサーバーからエックスサーバーに移転するのは難易度が高い
WordPressの引越しに失敗したあとの再チャレンジ
WordPressのサーバー移転に失敗したとしても、原因さえ特定できればあとはその原因を排除して、再チャレンジすればいいことになります。
たとえば、サーバーのPHPの問題で失敗したのであれば、新旧サーバーの環境をなるべく近い状態にしてあげればいいわけです。
しかし、簡単移行ツールやプラグインを使って失敗した場合には、やり方そのものが失敗の原因となっているために、根本的にやり方を変えるしかありません。
一番確実なのは、サーバーにFTP接続をして手動でデータを移行するやり方です。
FTP接続でWordPressのデータを丸ごと引越しするのであれば、簡単移行やプラグインで行ったときのように容量の問題でエラーになることはありません。
しかし、ある程度の専門知識がある人でないと、FTP接続でWordPressのデータを丸ごと引越させるというのは少しハードルが高いかも知れません。
WordPressのサイトは、HTML形式のサイトのように単純にサーバー内のデータを移行するだけではなく、phpMyAdminを使ってデータベースの引越しもする必要があるからです。
自信のない方は、あえてリスクをとって自分でチャレンジするのではなく、専門家に一任してしまうのがいいでしょうy。
弊社でも、WordPressの引越し代行サービスを提供していますので、自分でやるのは不安だと感じている人は以下のページをご覧になってみてください。
●サーバーにFTP接続をして手動でデータを移行するやり方が確実
●FTP接続でWordPressのデータを丸ごと引越させるというのは少しハードルが高い
●自信のない方は、あえてリスクをとって自分でチャレンジするのではなく、専門家に一任