まだまだ乗れる車であっても、不人気車だったり年式が古かったりして買取り拒否をされてしまうことがあります。
お店に持ち込んでも買取りをしてくれない車は、どうすればいいのでしょうか?
ここでは、廃車にすることや乗りつぶすことなどを選択肢として含め、なかなか売ることのできない車の処遇について、さまざまな対策を考えてみたいと思います。
1. 残念ながら廃車処分にする
これまで自分が長い間乗ってきた愛着のある車ですので、自分が手放したあとでも出来れば誰かに引き続き乗ってもらいたいものですね。
しかし、車によってはどうしても買値のつかないものもあるものです。
買取り業者や中古車販売店も商売ですから、売れない車をわざわざお金を出して引き取るわけにはいかないわけです。
廃車処分にするといっても、ただ単にスクラップにすればいいというものではありません。
さまざまな手続きが発生しますので、その辺を具体的に見ていきましょう。
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1-1. さまざまな廃車のための手続き
たとえ車をスクラップにしたとしても、書類上で車が存在することになっていると、毎年5月に自動車税の請求が来てしまいます。
乗っていない車の税金を払うのは馬鹿らしいので、しっかりと廃車の手続きをするようにしましょう。
法律上廃車には「一時抹消登録」と「永久抹消登録」がありますが、廃車にする場合は後者の「永久抹消登録」ということになります。
この場合は、以下の書類一式をそろえる必要があります。
●廃車する車のナンバープレート2枚
●自動車検査証(車検証)
●実印
●所有者の印鑑証明書(発行3か月以内のもの)
●申請書
●住民票
●自動車税申告用紙(3枚綴り)
●自動車重量税還付申請関係(車検が残っている場合)
●引取り証明(引取り業者が発行したもの)
1-2. リサイクル料の支払い証明
また、これらの書類の他に、廃車の際には自動車リサイクル料を支払ったことを証明するリサイクル券が必要になります。
これがないと廃車の手続きができませんので注意が必要です。
リサイクル料そのものは、平成17年以降購入した車であれば、すでに支払っているはずなので、廃車のときにあらためて支払う必要はありません。
それ以前に購入した車で、過去に一度もリサイクル料を支払ったことのない車の場合は、車種にもよりますが6,000円から18,000円ほどのリサイクル料を支払わなければなりません。
1-3. 行政書士に一式をお任せする
廃車の手続きというのは、このように自分でやると結構面倒なものです。
その場合は、行政書士などにお任せしてしまうのがいいでしょう。
その場合には、上記の書類の他に所有者の実印を押印した「委任状」が必要になります。
また、すべてを行政書士にお任せすると15,000円程度の費用が発生することになります。
書類の作成代行のみでしたら、5,000円程度が相場のようです。
1-4. どうしても廃車だけは避けたい場合
このように廃車の手続きというのは、面倒でなおかつそれなりに費用もかかってしまいます。
出来ればなんとか廃車にしたくないとお考えの人もいることでしょう。
その場合は、ダメもとで別の買取り業者にあたってみることをお勧めします。
他の店で買取り拒否された車でも、1万円とか2万円の買取り価格を提示してくれるところもあるからです。
また、以下のような廃車専門の買取り店というのもありますので、そういったところに売却するという方法もあります。
思ったよりも高額で買い取ってくれる可能性もあります。
事故車・廃車査定のカービュー
https://kaitori.carview.co.jp
2. 売れる部品だけを取り外して売る
車そのものの価値がないと判断された場合でも、車のパーツ個々で見た場合にニーズがある場合もあります。
特に改造車とかカスタムカーなどと呼ばれている車は、買取りに難色を示すお店も多いものです。
特にディーラー系のお店だと、メーカーオプション以外の社外品はまったくといっていいほど評価してくれません。
とはいえ、改造のために取り付けたパーツの数々は、意外に高価なことが多いものです。
そのまま廃車にして、車と一緒に高価なパーツまでスクラップにしてしまうのはもったいないと考える人も多いことでしょう。
その場合は、パーツだけを取り外して売るという選択肢もあります。具体的に見ていきましょう。
2-1. アルミホイールやカーナビは高く売れる
取り外してお金に換えることの出来るパーツには、どのようなものがあるのでしょうか?
一般的には、カーナビやアルミホイール、エアロパーツやマフラーなどになるでしょうか。
カーナビはメーカー純正のものだと、他の車種に取り付け困難な場合が多いです。
その点、社外品のカーナビであれば汎用性がありますので、よほど古いもの以外であれば売れる可能性が高いです。
また、アルミホイールも高く売れるパーツの一つです。
特に、19インチや20インチサイズのものになると、新品の値段がかなり高価になるために、中古部品としてのニーズは高いでしょう。
エアロパーツやマフラーなども高価なパーツには違いないのですが、これらはどうしても車種限定になってしまいますので、カーナビやアルミホイールにくらべると売りにくいかも知れません。
しかし、ネットオークションなどでは、そういったマニアックなパーツを探している人は必ずいますので、たまたま同じ車種に乗っている人が見つけてくれれば高く落札してくれるかも知れません。
2-2. 年式の古い車のパーツがお宝になる!?
それと、意外においしいのが、思いっきり年式の古い車のパーツです。
絶版車をレストアして乗っているような人たちの悩みは、補修のためのパーツがなかなか手に入らないということです。
ニーズがあれば必ず物は売れます。
フロントグリルやバンパー、レールランプなど「本当にこんなもの買う人いるの?」と思えるようなパーツでも、ダメもとで出品してみるといいでしょう。
意外に高値で売れたりして、ビックリするかも知れませんよ。
3. 開き直って壊れるまで乗りつぶす
最近の車は、非常に耐久性が良くなってきており、10年以上前の車や10万キロ以上走行した車であっても、まったく問題なく走らせることが出来ます。
しかし、そういった問題なく走る車であっても、ただ単に古いという理由やたくさんの距離を走っているというだけで、価値がない車と判断されてしまいます。
多少年式が古くても、まだまだ走れる車であれば、壊れるまで乗りつぶしてしまおうと考えるのも、一つの賢い選択です。
参考記事:15年落ち以上の古い車をまともな金額で売却することは可能か?
3-1. 今の車は10年・10万キロ程度では壊れない
ちなみに、人間でいうところの平均寿命にあたる車の平均使用年数は、日本の場合は13年ほどになります。
参考記事:車の耐用年数と乗りつぶしや廃車にする時期をどう判断するか?
つまり、10年を超えるとほとんど残存価値がない車と判断されてしまうわけですね。
しかし、残存価値を決める年数や距離数と、実用となる年数や距離数にはなんら相関関係はありません。
3-1-1. ボディーもエンジンもまだまだ大丈夫
いまの車は非常に塗装技術が非常によくなっているために、10年程度でボディーに穴が開くなどというのはまれですし、海が近いなどの特別な事情がない限り、20年程度は問題ないことが多いです。
また、エンジンに関しても、普通に乗っていて10万キロ程度で壊れることはまずありません。
3-1-2. 年式の古いクルマはタイミングベルトの交換時期だけ忘れずに
最近のクルマはタイミングチェーンが主流ですが、年式の古いクルマの場合タイミングベルトを使用していることがあります。
タイミングベルトの交換時期が10万キロとなっている車が多いですが、それさえ交換してしまえば、あとはオイル交換などメンテナンスを普通に行っていれば20万キロでも問題なく走ることが出来るでしょう。
タイミングベルトの交換を怠って、万が一走行中に切れてしまったりすると、エンジンを破損してしまう可能性がありますので注意が必要です。
関連記事:10万kmでタイミングベルトの交換は過去の話です~今はタイミングチェーンが主流
どうしても新しい車が欲しいということでなければ、動かなくなるまで乗りつぶすというのはとても合理的な考え方だと思います。
洗濯機や冷蔵庫などの家電であれば、動かなくなってから買い替えるという人が大半でしょう。
それなのに、車の場合まだまだ動くのにスクラップにされてしまうわけです。
ただの見栄で新しい車が欲しいというのならば別ですが、そうでなければ古い車を壊れるまで乗り続けて、その間に将来買う車の軍資金をためておくというのも賢い考え方です。
3-2. 新車登録から13年目以降高くなる税金に注意
ただし、その場合注意しなければならないのが、税金のアップです。
新車登録から13年以上経過した車の場合、自動車税が10%程度割高になってしまいます。
同様に、重量税も20%程度の割り増しになります。
乗ることの出来る車を大切に乗っている(ある意味環境にやさしい)人に対して、高い税金を取るというのは何とも納得のできないことですが、法律で決められてしまった以上はそれに従うしかありません。
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