かつては、新車登録から10年を過ぎたクルマは、廃車にすべきか乗り潰すかを考えなければいけませんでした。
つまり、10年落ち以上のクルマには、ほとんど商品価値がなくなってしまったわけです。
しかし、最近の国産車は非常に品質が高くなっていることもあり、10年落ち程度で商品価値がなくなってしまうということはなくなりました。
また、中古車の海外への輸出ルートが確立されてきたこともあり、かなり古いクルマであっても車種によっては高額査定をしてくれることが多くなりました。
それでは、どれくらいの古い車まで買取りの対象になるのでしょうか?
ここでは、15年落ち以上の古いクルマをまともな金額で買取りをしてくれるところがあるかどうかという点にスポットをあててみたいと思います。
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古くても高く売れる車の代名詞といえばランクル
古くても高く買取りをしてくれる車として、誰もが頭に思い浮かべるのが、トヨタのランドクルーザーではないでしょうか?
実際、ランクルはどれくらいの古い車までまともな金額で売却が可能なのでしょうか?
・25年落ちのランドクルーザー60が60万円で売れた事例
この事例は、1988年(昭和63年)に新車登録されたランドクルーザー60を、25年落ちとなる2013年に売却したときのものです。
1988年に新車登録されたこのランクルは、60系シリーズの最終モデルで、グレードはGXになります。
走行距離は14万3,000kmとなっておりますが、25年落ちということを考えますと、むしろ少ないといえるでしょう。
ボディカラーはガンメタで、売却地は京都府になります。
このランクル60のGXを2社が査定をした結果、A社60万円、B社54万円という提示になりました。
A社とB社に6万円の差しかありませんので、このあたりがほぼ相場といえるのでしょう。
1988年当時のランクルは、いまのランクルのように高級車としての位置づけではありませんでしたので、新車価格も200万円程度でした。
そのクルマが25年を経たのちに60万円で売却できるのですから、本当に驚きです。
60系の最終モデルということもあり、希少価値があるということなのかも知れません。
・15年落ちのVXリミテッドが192万円の査定額
25年落ちであっても高額で売却が可能なランクルですが、こんどは15年落ちで高く売れた事例を見て行くことにしましょう。
1999年に新車登録されたランドクルーザー100のVXリミテッドを、15年落ちとなる2014年に売却をしたときのものです。
走行距離は10万km弱ですから、15年落ちということを考えてみますと、少ない方といえるでしょう。
ボディカラーはシルバーで、売却した地域は愛知県です。
この15年落ちのランクル100_VXリミテッドを2社で査定をした結果、A社192万円、B社154万円という金額提示になりました。
A社とB社で38万円もの差が生じていますが、やはり年式が古いクルマなので、買取り店でもリスクを考慮して判断が分かれるのでしょう。
いずれにしましても、15年落ちのクルマが200万円近い金額で売却できるわけですから、ランクルのリセールバリューの高さにはあらためて驚かされます。
ちなみに、1999年当時のランクル100_VXリミテッドの新車価格は3,998,000円でしたから、15年も乗ったにもかかわらず、まだ半分の価値が残っているということになります。
15年落ち以上の絶版車は高く売れるのか?
現在販売されていない絶版車であれば、その希少価値から古いクルマであっても査定額を提示してもらえることがあります。
もちろん、ある程度人気のあった車種で、状態もそれなりに良いという条件にはなりますが、かなり古くても十分にその価値を見出してくれる買取り店は存在しますので、根気よく売却先を探すようにするといいでしょう。
・26年落ちのトヨタセリカが12万円で売れた事例
こちらは1986年(昭和61年)に新車登録されたトヨタセリカのGT-FOURを、26年落ちとなる2012年に売却したときの事例です。
走行距離は5万km弱となっていますので、26年落ちのクルマとしては圧倒的に少ないといえます。
ボディカラーは白で、売却をした地域は静岡県です。
このトヨタセリカを3社に査定依頼しましたが、金額を提示してきたのは1社だけで、その額は12万円でした。
やはり、古いクルマということで、買取りにリスクを感じる業者が多いのでしょう。
こういった古い絶版車を購入する人というのは、マニアックな方が多いと思われますので、そういった車ばかりを専門に扱っているような店でないと、なかなか積極的に買取りをするというわけにはいかないようです。
いずれにしましても、単純に26年落ちのクルマが12万円で売れたという事実だけを考えれば、大成功であるといえるでしょう。
・16年落ちのハイラックスサーフが50万円の査定額
こちらも絶版車となるトヨタのハイラックスサーフの事例になります。
1997年式のグレードSSR-X LIMITEDを、16年落ちとなる2013年に売却したときのものです。
走行距離は12万5000kmとなっており、16年落ちということを考えた場合には比較的少ないといえるでしょう。
ボディカラーはブラックで、売却地は北海道です。
このハイラックスサーフのSSR-X LIMITEDを一括査定サイト経由で5社に査定依頼をしたところ、1社以外は金額の提示がありませんでした。
しかし、その1社が50万円という高額が提示をしてくれたので、結果オーライといったところです。
たくさんの買取り店に査定をしてもらうことで、こういったラッキーなことも起こり得るわけですから、1社だけの査定で判断をするというのは非常にもったいないといえます。
この事例でも、たまたま50万円を提示してくれた業者がいたからよかったものの、もしこの業者が査定に参加をしていなかったら、廃車になる運命だったかも知れません。
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海外で人気の車種は古くても高く売れます
中東や東南アジアといった国々では、品質の高い日本車の人気がとても高くなっています。
こういった国々では、日本国内のようにまだまだ動くクルマを廃車にしてしまうなどということは絶対にありませんので、古いクルマであってもしっかりと動けばまだまだ商品価値があると判断されます。
ここでは、こういった国々で人気の高いクルマが、どれくらいの査定額になるのかをみていくことにしましょう。
参考記事:廃車寸前のポンコツ車がそれなりの査定額で評価される理由
・17年落ちのハイエースワゴンの査定額が55万円
海外で人気のある日本の中古車といえばハイエースです。
こちらは、1999年製のハイエースワゴンを17年落ちとなる2016年に売却したときの事例になります。
グレードはスーパーカスタムの2400ccガソリンエンジン仕様です。
走行距離は8万km弱となっていますので、17年落ちということを考えますとかなり少ない距離であるといえます。
ボディカラーは茶色で、売却地域は新潟です。
このハイエースワゴンのスーパーカスタムを2社が査定をした結果、A社55万円、B社35万円という結果になりました。
17年落ちのクルマということを考えれば、十分満足すべき査定結果であるといえます。
売却地が新潟ということで、凍結防止剤によるボディの痛みが心配されるところですが、これだけの査定額の提示になったということは、あまり影響は受けていないということなのでしょう。
・21年落ちのカローラの査定額が7万円
意外かもしれませんが、ごく普通の大衆車であるカローラの中古車も、海外では人気車種の1つになっています。
こちらの事例は、1995年に新車登録されたカローラを、21年落ちとなる2016年に売却したときのものになります。
グレードはSE-saloon(AT_1.5)で、走行距離は10万km弱と、21年落ちのクルマとしては非常に少なくなっています。
このカローラを2社に査定をしてもらったところ、A社7万円、B社0円という結果になりました。
海外への輸出ルートを持たない買取り店であれば、21年落ちのカローラが0円提示になるのは仕方のないところです。
しかし、たまたまA社が海外への売却ルートを持っていたために7万円の提示があり、廃車を免れる結果となりました。
実際に査定を受ける際に、どの買取り店が海外への販売ルートを持っているのかは分からないと思いますので、一括査定サイトなどを利用して1社でも多くの買取り店に査定をしてもらうようにするのが、古いクルマを売るときのコツといえます。
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