車は残価設定ローンで買うのと普通に買い替えるのはどちらがお得?

テーブルの上の計算機とミニカー2台車の残価設定ローンというものをご存知でしょうか?

3年後や5年後の車の残価をあらかじめ設定しておき、その分を差し引いた残りの金額分だけのローンを支払えばいいというサービスです。

残価分を差し引いてあるので、月々のローンの支払い額が少なくて済むというメリットがあるのですが、実際に普通に新車として購入して3年後や5年後に下取りに出す場合にくらべて、はたしてお得なのでしょうか、それとも損なのでしょうか?

残価設定ローンなら月々の支払いが安くなります

残価設定ローンは、3年あるいは5年後の車の価値を想定して、その分を差し引いてローンの計算をします。

たとえば、総額300万円の車を頭金なしで購入するケースを考えてみます。

計算を分かりやすくするために、諸費用分は頭金として支払うものとします。

残価の設定は車種にもよりますが、人気車種だと3年で50%程度に設定されることが多いようです。

300万円に対して36回払いでローンを組むと、金利3%で計算した場合、毎月のローンの支払いは87,244円になります。

これが、残価設定ローンで3年後の車の価値を50%とすると、残価を差し引いた150万円に対してローンを組むことになります。

残りの150万円に対して同じく金利3%でローンを組むと、毎月の支払いは43,622円となります。

残価の分50%を差し引いているので、当然ながら毎月の支払いもほぼ半分になるわけです。

毎月の支払金額が半分にもかかわらず新車に乗れるわけですから、なんだか得をしたような気分になれます。

しかし、残価設定ローンで車を購入した場合、事前に残価分を差し引いているので、ローンを完済し終わっても、手元には何も残らないということになります。

その時点で車を手放すか、乗り続けたい場合には、残価分の支払いを求められることになります。

それに対して、普通に36回払いのローンを組んだ場合には、車そのものは自分のものになりますし、下取りや売却という形で現金化をすることも可能になるわけです。

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普通に車を買って売却するのにくらべてお得?それとも損?

残価設定ローンで購入した場合には何も手元には残りませんが、普通にローンを組んで購入した場合、手元に残る車の価値はどれくらいになるのでしょうか。

3年後の残価の設置額を50%とする車は、ある程度の人気車種に限られます。

それでは、人気車種の3年後の買取り価格はどれくらいになるのでしょうか?

実際に、買取り専門店で提示された事例を見てみることにしましょう。

・アクアの3年後の買取り価格との比較

シルバーのアクア2013年式のアクアを2016年に売却した事例です。

グレードはGで、走行距離は3万km強なので、ほぼ平均的な走り方です。

このアクアを7社の買取り店で査定をしたところ、最高買取り価格は131万円になりました。

ちなみに、アクアのグレードGの新車価格は、約200万円です。

もしこれが残価設定ローンを組んで残価を50%計算した場合、3年後のこの車の価値を100万円として計算することになります。

しかし、3年落ちのアクアGの買取り価格は131万円となっておりますので、残価設定ローンを組んだ場合よりも30万円もお得ということになります。

関連記事:トヨタアクアの買取り相場と査定額~年式や走行距離で比較~下取りに出す前にチェック

・ヴェルファイアの3年後の買取り価格との比較

2012年式ヴェルファイアの2.4Z-Gエディションを3年後の2015年に売却した事例です。

走行距離は4万5000km弱と、3年落ちとしてはやや走り込んでいる印象があります。

ヴェルファイアの2.4Z-Gエディションの新車価格は約400万円ですので、この車両価格に対して50%の残価設定をしたとすると、200万円ということになります。

つまり、3年後のヴェルファイアに対して200万円の価値設定をすることになります。

ところが、この事例のヴェルファイアを5社に査定をしてもらったところ、最高買取り価格はなんと310万円にもなりました。

3年後に310万円で売れるクルマに対して、200万円の残価設定をしてしまったのでは、大損ということになります。

ヴェルファイアのようなリセールバリューの高い車の場合、明らかに残価設定ローンは不利だといえそうです。

関連記事:ヴェルファイアの5年落ち~10年落ちの買取価格と査定の相場を比較~下取りよりも有利?

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残価設定ローンのメリットとデメリット

白い計算機と資料実際の買取り事例からも分かるように、リセールバリューの高い人気車種の場合、3年後の残価設定を50%として考えると普通にローンを組んで3年後に売却をした方が、お得になる可能性が高いということが理解できたかと思います。

実は、それ以外にも残価設定ローンにはさまざまなデメリットがあるのです。

残価設定というのは、あくまでも当初の目安として決められた、予想の金額になるわけです。

決して、その残価が保証されているわけではないのです。

実際の走行距離に制限があったり、引き渡し時の車の状態によっては査定によって減額されることもあります。

また、3年後や5年後に車を返すことが前提となっているので、カスタマイズなども自由にできないことになります。

また、残価設定ローンの場合は、車の所有者がディーラーになります。

そのため、あくまで利用してるのは自分であっても、実際には自分の車ではないことになり、ある意味リースのような感覚になると思います。

もちろん、普通に新車を購入してローンを組んだ場合にも、名義がディーラーとなることがありますが、銀行などのマイカーローンを利用すれば自分名義にすることは可能です。

では、残価設定ローンには、まったくメリットがないのでしょうか?

もちろん、メリットがまったくないわけではありません。

これまで何度も繰り返し述べてきました通り、月々の支払額が少なくなるというのは大きなメリットです。

最終的なトータルのコストは高くなってしまったとしても、とりあえず毎月の支払額を少なくしつつ新車に乗りたいという人にとっては十分に魅力があるでしょう。

また、月々の支払いを少なくしつつ、3年ごとや5年ごとにつねに新車に乗り換えるというライフスタイルを望む人にとっては、残価設定ローンは十分に利用する価値があるサービスだと思います。

ホンダの残価設定ローン:https://www.honda.co.jp/HFC/auto/zankure/

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