査定のプロが車を見て買取り価格を決定したのであれば、多くの人は素直に信じてしまうでしょう。
しかも「いま決めていただければこの値段で買い取ります」などと、他社にくらべて明らかに高い金額を提示されたら、その場で契約してしまうかも知れません。
しかし、数日後にその業者から電話がかかってきて「あなたのクルマが事故車であると判明しましたので、買取り価格は半分になります」などと言われたとしたら...
本当にあなたのクルマが事故車であったなら仕方ありませんが、もしそれが業者のねつ造だとしたら...
信じられないかも知れませんが、車を売る際にはしっかりとした業者を選ばないと実際にこのようなことが起こり得るのです。
瑕疵担保責任を振りかざして減額を迫る業者
このような悪徳業者が法的根拠として持ち出すのは瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)と呼ばれるものです。
なにやら難しい言葉ですが、分かりやすくいうと「査定のときに見つからなかった不具合があとから見つかった場合は、買取り業者はすべて車を売った人のせいにしても大丈夫です」というものです。
考えてみると、恐ろしい法律ですね。
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悪徳業者のひどい手口とは?
そもそも査定のときに見つからなかった不具合があとから見つかったとすれば、それは買取り業者の査定担当者のミスです。
その責任をすべて売り主のせいにしようとするのですから、常識ではありえない話です。
それが、本当に査定担当者の単純ミスだったならば、まだ救いようがあります。
しかし、世の中にはこの瑕疵担保責任を盾にして、悪事を働く業者がいるわけです。
自分が新車のときから乗っている車であれば、事故車かそうでないかは自分が一番知っています。
しかし、中古で購入した場合には、前のオーナーが事故を起こしたかどうかは知る由もないわけです。
また、メーター改ざんがあったなどと主張してくるのも、悪徳業者のよくある手口です。
これも事故歴と同様、自分がその中古車を買ったときにはそんなことは知る由もありません。
悪徳業者はまさにそこを突いてくるわけですね。
関連記事:二重車検でメーター改ざん車を売る詐欺師の手口とは?
3か月後に瑕疵担保責任を主張してくる業者
さらにひどい業者になると、車を売却して3か月も過ぎたころになって、この瑕疵担保責任を主張して契約の解除を求めて来たりします。
つまり、買い取った車が思った通りの値段で売れないと分かった時点で、いろいろと難癖をつけて売り主に返してしまおうというわけです。
買い取った車が売れないのは、自分の査定があまかったというだけのことであり、そのリスクをすべて売り主に取らせようなんて言語道断といえます。
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消費者契約法第10条が守ってくれます
そもそもこの瑕疵担保責任というものは、隠れた瑕疵に対して事業者は消費者に責任を求めることができるというものですが、そもそもプロの査定士であればその隠れた部分を見つけることが出来なければならないわけです。
それを見逃してしまったということであれば、そこに買い取る側の過失が発生しているわけですから、消費者に対して一方的に責任を問うことはできないのです。
それでも、瑕疵担保責任を主張して減額を求めてくる業者に対しては、消費者契約法第10条を根拠に、毅然と業者の主張を拒否しましょう。
消費者契約法第10条では、契約書に事業者の過失があってもなくても契約を解除できるような条文があったとしても、消費者の利益を一方的に害する条項は無効とする法律です。
査定のときに虚偽の申告だけはしないで下さい
ただし、あなたが重大な瑕疵意図的に隠して売ったということであれば、消費者契約法第10条を根拠に瑕疵担保責任を回避することはできませんので注意が必要です。
過去の車のトラブルや不具合のある点などは、正直に申告しなければなりません。
この点だけを注意していれば、査定後に判明した瑕疵についての責任は、まったく負う必要はないということになります。
このことは、裁判での判例もありますので、業者のいいなりにならないで毅然とした態度をしめすことが大切です。
ほとんどの買取業者は良心的ですし、このように瑕疵担保責任を盾にして強引に減額を要求してくるようなことはまずありません。
しかし、世の中にはそういう業者も存在するということを、頭の隅に置いておくことで、未然にトラブルを防ぐことが出来るようになるでしょう。
JADRI に加盟している業者であれば安心です
また、JADRIという団体に加盟している業者であれば、買取後の再査定やしつこい営業等を禁止されていますので、車を売る際にはJADRIに加盟しているかどうかを確認してから契約するといいでしょう。
ちなみに、車の一括査定サイトである「かんたん車査定ガイド(無料)」に参加している買取業者は、すべてJADRIに加盟している業者となっています。
そういったサービスを利用して優良業者のみから複数の見積もりを取得するというのも、賢く安全な車の売り方ということになります。
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