コンパクトミニバンのなかでも、ダントツの人気になっているのがトヨタのシエンタです。
街中でひときわ目立つユニークなデザインや、ボディサイズの割に広い室内を確保して7人乗りを可能にしている点などが、高く評価されているのでしょう。
そんなシエンタをこれから購入しようとしている人が悩むのが、グレード選びではないでしょうか?
クルマというのは決して安い商品ではありませんから、誰もがグレード選びで後悔したくないと思っているはずです。
ここでは、シエンタのグレード別の価格や装備などを徹底比較して、どのグレードがお得なのかについて解説をしてみたいと思います。
また、限られた予算のなかで、ワングレード上のシエンタを買うためにはどうしたらいいかという点についてもアドバイスをしていきます。
シエンタにはガソリンエンジン仕様とハイブリッド仕様があります
シエンタには、大きく分けて普通の1.5Lガソリンエンジン仕様と、ハイブリッド仕様の2種類があります。
そして、ガソリンエンジン仕様とハイブリッド仕様それぞれが、装備の違いによって「G」「X」「X Vパッケージ(ガソリンエンジン仕様のみ)」のグレードに分かれています。
また、シエンタの4WD車にはハイブリッド仕様はなく、ガソリンエンジン仕様のみとなります。
価格は「ハイブリッドG」が232万9855円、「ハイブリッドX」が222万6763円、「G」が198万0327円、「X」が181万6363円、「X Vパッケージ」が168万9709円となっています。
JC08モード燃費は、ハイブリッドが27.2km/L、ガソリンエンジン仕様が20.2km/Lとなっています。
※「X Vパッケージ」のみ20.6km/Lとなっています。
実際の販売実績を見てみますと、ガソリンエンジン仕様が65%、ハイブリッド仕様が35%となっているようです。
燃費を考えるとハイブリッドの方に魅力を感じますが、やはり35万円~41万円という価格差がネックとなって、ガソリンエンジン仕様を選ぶ人が多いのでしょう。
また、装備の違いによるグレードで比較した場合、上級グレードの「G」が73%と一番売れているようです。
「ハイブリッドG」と「ハイブリッドX」の価格差は103,092円、「G」と「X」の価格差は163,964円となっていますので、これくらいの価格差ならば上級グレードにした方がいいと考える人が多いのでしょう。
シエンタの「ハイブリッドG」と「ハイブリッドX」を比較
シエンタのハイブリッドには「G」と「X」の2つのグレードしかありません。
しかも、この2つのグレードにはわずか103,092円の価格差しかありません。
具体的に、どこが違うのか見て行くことにしましょう。
まず、後部座席に乗り込むためのスライドドアですが、「ハイブリッドG」が両側パワースライドドアなのに対して、「ハイブリッドX」の場合には、助手席側のみパワースライドドアとなっています。
キーは、「ハイブリッドX」が、通常のワイヤレスドアロックなのに対して、「ハイブリッドG」は、持っているだけでドアの施錠や解錠ができるスマートエントリーと、ボタンを押すだけでスタートするプッシュスタートシステムが装備されています。
インテリアの装備では、「ハイブリッドG」のシフトノブやハンドルが本革巻となります。
シート表皮のファブリックも「ハイブリッドG」は上級ファブリックが採用され、運転席のアームレストや助手席のシートバックポケットといったところも差別化されています。
たった103,092円の差でこれだけの装備の違いがあるわけですから、上級グレードである「G」を選ぶ人が多いというのも納得できます。
ガソリンエンジン仕様のシエンタ「G」と「X」はどこが違うか?
こんどは、ハイブリッドではないシエンタの「G」と「X」の違いについてみていきましょう。
スライドドアが片側か両側かといった点や、キーが普通のワイヤレスドアロックかスマートエントリーキーといった点、さらにシフトノブやハンドルが本革巻であるといった点やシート表皮が上級ファブリックになって運転席アームレストや助手席シートバックポケットが追加されるといった点は、ハイブリッドの場合とまったく同じです。
しかし、ハイブリッドではないシエンタの「G」と「X」には価格差が163,964円ありますから、それ以上の装備の違いがあることになります。
まず、エアコンが「G」はオートなのにたいして、「X」はマニュアル式になります。
それと、ディスプレイが「G」はマルチインフォメーション付きのオプティトロンメーターなのに対して、「X」は普通のアナログメーターになります。
このオートエアコンとオプティトロンメーターがハイブリッドでは両方のグレードに標準装備なのに対して、ガソリンエンジン仕様の「G」と「X」では差別化されていることになります。
ガソリンエンジン仕様とハイブリッドで、グレードによる価格差が異なるのは、主にこの2つの装備の違いによるものです。
ほとんど売れていない廉価グレードの「X Vパッケージ」
ガソリン仕様のシエンタには、「X」の下に廉価グレードの「X Vパッケージ」があります。
価格は168万9709円となっていますので、「X」にくらべて126,654円安くなっています。
主な装備の違いとしては、「X Vパッケージ」はスライドドアが両方ともパワーでなくなる点、ドアトリムがファブリック巻になっていなくて樹脂がむき出しになっている点、後部座席のガラスがプライバシーガラスではない点などがあげられます。
これだけの装備の違いで126,654円も安くなるのは魅力的ともいえますが、どうしてもチープな感じがしてしまうためか、「X Vパッケージ」はシエンタ全体の4%ほどしか売れていないようです。
同じ予算で上級グレードのシエンタを購入するための方法
シエンタの「ハイブリッドG」と「ハイブリッドX」の価格差は、わずか103,092円となります。
ガソリンエンジン仕様の場合でも、「G」と「X」の価格差は、163,964円となっています。
「X」を購入する予算しかない人であっても、これくらいの価格差であれば、なんとかお金を工面して上級グレードである「G」を購入しようとするに違いありません。
ホンダのフリードなどと競合させることで、値引きなどもある程度は引き出すことも可能でしょう。
しかし、ガソリンエンジン仕様の「G」を購入予定であった人が、「ハイブリッドG」を購入するのは、ちょっと敷居が高いかも知れません。
なぜなら、価格差が349,528円もあるからです。
ここまでになると、多くの人があきらめてしまう金額差であるに違いありません。
しかし、ちょっとした工夫をすることで、ガソリンエンジン仕様の「G」の予算しかない人が「ハイブリッドG」を購入することは十分に可能になるのです。
・まずは値引き交渉でハイブリッドとの価格差を縮める
シエンタを購入しにトヨタのディーラーを訪問すると、最初に提示される値引き額は5万円程度となることが多いようです。
しかし、セールスマンの持ち分がさらに5万円くらいはあるはずなので、頑張れば本体価格から10万円の値引きをゲットするのはそう難しくないでしょう。
さらにライバル車であるホンダのフリードと競合させたりして粘り強く交渉することで、付属品を含めて20万円近くの値引きを引き出すことは十分に可能といえます。
つまり、値引きの交渉次第では、最初に提示される5万円という値引きに、さらに15万円程度を上乗せすることもできるわけです。
参考記事:新車を購入するときに大幅値引きを引き出すための賢い交渉術
・下取り車を高く売ることでなんとか20万円の価格差を埋める
「ハイブリッドG」とガソリンエンジン仕様の「G」の価格差は約35万円ですから、値引きで15万円上乗せすることができれば、差額は20万円まで縮まることになります。
この20万円を工面するために有効なのが、いま乗っているクルマを高く売るという方法です。
当初ディーラーに下取りに出す予定であった下取り車を、複数の買取り専門店などに持ち込みをしてみてください。
いま乗っているクルマの車種や状態にもよりますが、ディーラーが下取り価格として提示をした金額よりも20万円程度高く売れる可能性は十分にあるのです。
複数のクルマ買取り専門店に一括で査定を依頼できるある一括査定サイトのデータでは、ディーラーの下取り価格よりも平均16万円高く売れているそうです。
ガソリン仕様のシエンタ「G」から「ハイブリッドG」にグレードアップする道筋が、なんとなく見えてきたのではないでしょうか?