新車を購入するときの不公平感は非常に大きなものがあります。
ディーラーの営業マンにいわれるままの金額で購入する人と、賢く交渉をして大幅値引きをゲットできる人では、支払金額に数十万円もの違いがでてしまうからです。
同じ車をおなじ店で購入したにもかかわらず、あきらかな金額差が生じてしまうわけですから、これほど理不尽な話はないわけで、まさに正直者がバカをみる結果となってしまいます。
ここでは、そんな理不尽な思いをしたくない人に向けて、ディーラーの営業マンから最高値引き額を引き出すための交渉方法を紹介してみたいと思います。
かつてにくらべて値引き額が渋くなりつつある新車ディーラー
かつてであれば、車種によっては黙って20万円~30万円、うまく交渉すれば40万円~50万円といった値引きが期待できることがありました。
しかし、最近ではどこのディーラーも、最初に提示をする値引き額が非常に低くなる傾向にあり、人気車種になると値引きゼロなどと言うことを平気で主張してきます。
彼らにしてみれば、最初に厳しい条件をだしておくことで、たとえ交渉で譲歩したとしても、値引き額をある程度の範囲におさえることができるわけです。
特に人気車種になると、値引きがなくてもそのクルマがどうしても欲しいと考える人も少なくありませんので、最初から強気の見積もりを提示してくることになります。
しかし、そういったディーラーの思惑はあるにせよ、うまく交渉することで、人気車種から30万円以上の値引き額を引き出すことは決して不可能ではありません。
ディーラーが売りたいときに買いに行くと値引き交渉は有利に進む
こちらが買いたいタイミングでお店を訪問すると、向こうにペースを握られてしまいますが、向こうが売りたいタイミングでお店を訪問することで、交渉を有利に進めることができます。
ディーラーが売りたいタイミングというのは、会社が決算をむかえる時期と営業マンが個人の実績を意識する月末ということになります。
・ディーラーの決算時期である3月はノルマ達成のために値引き額が拡大
多くのディーラーは3月が決算期となりますが、この時期には1台でも多くのクルマを売りたいと考えています。
決算の数字を伸ばしたいということもありますが、それ以上にメーカーから支払われることになる販売奨励金のためにノルマ達成したいという意識が強くなるからです。
実際の販売台数が多くなればなるほど、メーカーから支払われる販売報奨金額も大きくなっていくため、あと数台売ればノルマが達成できるような状況のときには、大幅な値引きが期待できることになります。
春になると、ディーラーや系列の中古車店の店頭に未使用車(新古車)がズラリと並ぶことがありますが、これらの多くは、ディーラーが販売目標台数を達成させるために、自社で購入したクルマなのです。
こういった車は、実質的には新車であるにもかかわらず、一度ディーラーの名義で登録されてしまっていますから、中古車扱いで未使用車として市場に流れることになります。
つまり、ディーラーにしてみれば、自作自演で購入してまで販売台数のノルマを達成したい時期なわけですから、大幅な値引きをしてでもクルマを買ってもらいたい時期ということになるわけです。
また9月も、3月程ではないにしても、ディーラーの値引き額が大きくなりやすいといわれています。
3月が1年間の決算時期なのに対して、9月は年度の半分にあたる上期の決算時期となるからです。
新車を購入するにあたって3月まで待てないという人は、9月に購入することを検討してみるといいでしょう。
・月末の訪問でノルマ未達の営業マンをねらう
年度末の販売台数によってメーカーからの販売報奨金が変わってきてしまうために、3月には値引き幅が拡大する可能性が高いということがお分かりになったかと思います。
それに対して、ディーラーの営業マン個人は、月ごとに販売目標を決めており、月末にはなんとかその目標をクリアーしようとして頑張るものです。
そして、それらの月次の販売実績は本社に報告されることになります。
ノルマが達成できない営業マンがいると、本人だけではなく上司なども本社からノルマ未達の理由を問われたりすることがあるため、なんとかその営業マンに頑張って売ってもらおうと考えます。
そういったときには、上司からその営業マンに対して特別の「値引き枠」が与えられる可能性が高くなります。
月末にディーラーを訪問して、そういったノルマ未達の営業マンが担当になったときには、大きな値引きを得られる可能性が高いと考えていいでしょう。
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他店と競争させるのは常識ですがライバル車種でなくてもOK
値引きを引き出すテクニックとして、ライバル車種と競争させるといった方法がよく紹介されています。
しかし、ライバル車種がかなり魅力的で、どちらにするかをはっきり決めかねないような場合には、そういったやり方は有効だと思います。
ところが、最初から本命の車種一本で、ライバル車種を購入するつもりのない人がそういった交渉のやり方をするというのは、テンションが上がらないはずです。
また、買う気もないのに当て馬にされたライバル車のディーラーにとっても迷惑な話です。
そういった場合には、あえてライバル車は無視して、本命の車種だけに絞って交渉をする方がいいと思います。
最近は、1つの車種に対して複数の別系列のディーラーが対応していることが多くなっています。
たとえば、トヨタのアクアであれば「トヨタ店」「トヨペット店」「カローラ店」「ネッツ店」の4つの別系列のディーラーで取り扱っていますので、それぞれの各店舗を競争させることで値引きの上乗せが期待できることになります。
参考記事:ディーラーの下取り価格に24万円も差がついた?~競合で下取り額はアップします
下取り車を含めずに新車だけの見積もりを作成してもらう
ディーラーは新車だけを売って利益を得ているわけではありません。
下取り車として買い取ったクルマを、オークションで売却することなどによっても利益を出しています。
そのため、新車を購入するお店にこれまで乗っていたクルマを下取りに出す形ですと、値引きと下取り価格をトータルした金額で交渉されてしまいます。
たとえば、本来であれば100万円が相場である下取り車に対して、80万円の下取り価格を提示しておいて、差額の20万円を値引きに上乗せしたりするということも可能になるわけです。
一見、20万円も余分に値引きをしてくれたように見せかけて、実はしっかりと下取り車で調整しているわけです。
買取り専門店への売却とディーラーの値引きで二重にお得
買取り専門店に持ち込むことによって、ディーラーに下取りに出すよりも10万円~20万円ほど高く売れるといわれています。
複数の買取り専門店の査定額を比較することで、買取り価格はさらにアップする可能性があります。
つまり、あえて下取り車を含めないでディーラー同士を競争させて最大の値引き額を引き出したうえで、さらに買取り専門店を競争させることで、下取りに出す予定だったクルマが高値で売れることになれば二重にお得になるわけです。
たとえば、新車の値引き額を20万円上乗せすることに成功して、なおかつこれまで乗っていたクルマが買取り専門店を競争させることで20万円高く売れたとしたら、トータルで40万円もお得になってしまうわけです。
つまり、新車を購入するときにちょっとした工夫をして交渉をすることで、サラリーマンの1ヵ月分の給料以上もお得になってしまうことがあるということです。
買取り専門店を競争させるには、1店舗ずつ訪問するのは大変なので、ネットによる一括査定サイトなどを利用してみるといいでしょう。