ディーゼル車はなぜ年式が古くても過走行でも高値で売れる?

白いトヨタのディーゼル車ヨーロッパなどでは非常に人気の高いディーゼル車ですが、日本国内ではあまり人気がありません。

ディーゼル車というとどうしても商用車のイメージが強く、各メーカーもディーゼル車の開発にはあまり力を入れていないようです。

そのため、中古車の下取りや買取りに関しても、ディーゼル車は不利なイメージがあります。

しかし、ガソリン車であれば大きく価値が下がってしまう10年落ち以上の古いクルマや10万kmをはるかに超えた過走行のクルマが、ディーゼル車だと高く売れたりします。

それはいったいなぜでしょうか?

日本国内ではまったく普及しないディーゼル車

ディーゼル車は、軽油で走らせることができるので燃料費が安く、燃費もいいためヨーロッパではエコカーとしてとても人気があります。

実際に、ヨーロッパでは道路を走っている乗用車の40%はディーゼル車だといわれています。

商用車のイメージが強い日本と違い、高級車の代名詞的な存在であるメルセデス・ベンツでさえもディーゼル車が人気となっているのです。

それに対して、日本国内を走っている乗用車の中で、ディーゼル車の占める割合はわずか1.5%ほどです。

確かに、昔のディーゼルエンジンはとても乗用車に搭載できるような代物ではありませんでした。

ガラガラとエンジンの騒音が大きく、マフラーから真っ黒なススだらけの排気ガスが出ていました。

しかし、最近のディーゼルエンジンの進化は目を見張るべきものがあります。

あれほどうるさかったエンジンの音も、ボンネットに耳を近づけなければ気がつかないほど静かになりましたし、マフラーからの黒煙もまったく出ません。

まさにクリーンディーゼルと呼ぶにふさわしいエンジンに進化しているわけです。

それに加えて燃料費が安くて燃費がいいということになれば、買わない理由はないと思えるのですが、日本ではなかなか普及していかないのが現実です。

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国内でクリーンディーゼルが普及しない理由

黒煙を出す車と地球ヨーロッパで人気のディーゼル車が、なぜ日本では普及しないのでしょうか?

理由はいくつか考えられますが、その一つに日本のガソリン車の燃費の良さがあります。

諸外国にくらべてガソリンの値段の高い日本においては、各自動車メーカーは燃費向上のための開発に力を入れてきました。

その結果、ガソリン車の燃費は飛躍的に伸び、ハイブリッドカーなどの普及もあり、ディーゼルエンジンの燃費の良さや燃料費が安いといったメリットを感じられなくなってきているという現実があります。

しかも、同じ車種であってもガソリン車にくらべてディーゼル車の方が、車両本体価格が高いということもあり、トータルでのメリットをますます感じにくくなっているわけです。

また、世界一厳しいといわれる日本の排ガス規制をクリアーしたクリーンディーゼルが登場した現在においても、ディーゼルエンジンは環境に悪いというイメージが日本国内で定着してしまっています。

おそらく、東京都によって1999年に出された「ディーゼル車No作戦」のイメージがいまだに残っているのでしょう。

確かにこのことがきっかけとなり、排ガス規制のレベルがどんどんあがり、いまでは黒煙を吐きながら走るディーゼル車をまったく見かけることがなくなりました。

しかし、一度日本人の頭にこびりついた「東京都が締め出した環境に悪いエンジン」という汚名を返上するのは容易ではないようで、クリーンディーゼルの時代になっても、積極的にディーゼル車を買おうという人は少数派であるようです。

売れなければ、自動車メーカーも積極的にディーゼル車を開発販売しようとは考えませんので、結果的に日本国内での普及率が1.5%程度にとどまっているわけです。

国内で人気がないのに買取り店で高く売れる理由

これまでお話ししましたように、日本国内でディーゼルエンジンを搭載した乗用車は人気がなく、需要が非常に少ないというのが現実です。

しかし、ふと中古車市場に目を向けてみますと、中古のディーゼル車が高値で買取りされる傾向があるのです。

車の買取り価格というのは人気に比例しますので、国内で人気のないディーゼル車が高値で買取りされるというのはなんとも不思議な話に聞こえると思います。

しかし、これは不思議な話でもなんでもなく、実は日本の中古ディーゼル車は海外で非常に人気が高いのです。

東南アジアや中東、ロシアやアフリカといった国々で、品質の高い日本の中古車に対するニーズが高く、年間で100万台以上が輸出されています。

発展途上国では、日本国内のように「走行距離が10万kmを超えたクルマは廃車予備軍」などといった考え方はまったくありません。

20万kmや30万km程度の走行距離のクルマはごく普通に走っていますし、場合によってはメンテナンスをしながら100万km近くまで乗られたりすることもあります。

そういった、クルマを長く乗るという文化があるために、ガソリンエンジンにくらべて壊れにくいディーゼルエンジンは歓迎されるわけです。

また、そのような国々では日本国内のように新車登録から13年以上のクルマの税金が高くなるなどという意味不明な法律もありませんし、排ガス規制なども日本のように厳しくありません。

そのような理由から、日本でニーズのない古いディーゼル車であっても、海外ではお宝であるということがいえるのです。

そういった事情から、同じ車買取業者であっても海外への輸出ルートを持つ業者とそうでないところでは、査定額に大きな差が生じることがあります。

ディーゼル車を売却する前には、必ず複数の業者の査定額を比較することが大切です。

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古くても売れるという事実を知らないと大損します

世界地図と車のイラストこのように、海外での需要があるために、10年落ち以上の古い車であったり走行距離が10万kmを超えていたりしても、ディーゼル車は高く買取りをされることが多いのです。

日本ではほとんど価値がないと判断された10万kmオーバーの車であっても、20万kmや30万kmを普通に走る国々においては「程度のいい高品質な中古車」と判断されるのです。

しかし、多くの日本人はそういった事実を知りません。

そのため、本来高く売れるはずのディーゼル車を安く手放してしまったりすることも少なくないのです。

海外への輸出ルートのない買取り店であれば、国内で流通させなければならないために、年式の古いディーゼル車を高く買取りすることは出来ません。

国内市場だけを考えたら、ディーゼル車のニーズはありませんから、ガソリン車にくらべてずっと安い値段を提示されるに違いありません。

それなら、海外への輸出ルートのある買取り店であれば、間違いなく高く買取りをしてくれるのかというと、必ずしもそうとは言い切れません。

なぜなら、多くの日本人がほとんど価値のないクルマと思い込んでいる古いディーゼル車を、善意で高く買取りをしてくれる良心的な買取り店ばかりではないからです。

「年式も古いですし、ディーゼル車は人気がありませんから査定額は低くなってしまいますね」

などと、平気で主張してきたりします。

しかし、騙されてはいけません。

ランクルなどの海外で人気の高いクロカン車であれば、10年落ち以上で10万kmをはるかに超える走行距離のクルマであっても、100万円~200万円の買取り価格になるのが普通です。

参考記事:ランドクルーザーの買取り価格や査定額を年式や走行距離別に比較
       
本来高く売れるはずのディーゼル車を、心無い買取り業者に安く買いたたかれないためにも、日本のディーゼル車は年式が古くても走行距離がのびていても高く売れる可能性が高い、ということを忘れないようにすることが大切です。

また、高く売れるクルマを安く買いたたかれないためにも、実際に車を売るときには1社だけに査定を依頼せずに、必ず複数の買取り店に金額を提示してもらうようにすることが大切です。

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