事故車というと、過去に交通事故を起こして車両に大きなダメージを受けた車というイメージがあると思います。
ところが、中古車業界において事故車の定義はもう少し広い意味で使われ、洪水などによる水没車や海の近くに住んでいる人の車が受ける塩害、さらには空から降ってくる雹(ひょう)によって被害を受けた場合も、事故車として取り扱われることになります。
過去に交通事故など起こした記憶がないのに、査定を受けたときに「事故車扱いになりますね」などといわれたらビックリすると思います。
事故車扱いとなると査定額は大きく下がってしまいます。
どの程度の塩害や雹の被害が事故車扱いになってしまうのかを知っておくことは、とても大切であるといえるでしょう。
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海の近くに住んでいる人は塩害に注意しましょう
車というのは鉄でできていますから、塩の影響を受けることによってサビが発生することになります。
特に海の近くに住んでいる人や趣味でよく海に行く人は、車の塩害についてよく知っておく必要があります。
一昔以上前の車は、塗装技術が未熟だったせいもあり、海の近くに住んでいる人や海岸沿いの道を日常的に走っている人の車は、5~6年でボディに穴が開いてしまうなどということがありました。
最近の車は、塗装技術が発達したおかげで錆びにくくはなっていますが、それでも海の近くに住んでいれば塩害をまったく受けないということはありません。
ボディの外装の部分に関しましては、塗装が何重にもしてありますので、10年程度で穴が開いてしまうような車は最近ではほとんど見かけなくなりました。
しかし、よく確認しないと分からない車の下回りやエンジンルームのステーやボルトなどにサビが発生してしまうことが良くあります。
下回りで特に注意しなければならないのが、タイヤハウスやマフラーのタイコと呼ばれる膨らんだ部分です。
以前は、マフラーのタイコの部分に穴が開いて、すさまじい音を発しながら走っている車をよく見かけたものです。
それと、トランク内部の隅の部分にも錆が発生しやすいので、注意をしなければなりません。
ちなみに、塩害に気をつけなければいけないのは海の近く住んでいる人だけではなく、雪国の人も注意をする必要があります。
雪国に住んでいる人は、参考までに以下の記事をご覧になってください。
塩害による査定額の低下を防ぐためにやるべきこと
塩害によって錆が発生してしまうと、車の査定額は大幅に下がってしまうことになりますので、海の近くに住んでいる人は日頃からそれなりの対策をしなければなりません。
塩は水で洗い流せば取れますので、基本的には小まめな洗車が塩害対策になります。
しかし、意外に盲点になるのが洗車の方法です。
多くの人はボディの外側の部分だけをピカピカにして満足してしまいがちですが、先ほども書きましたように塩害を受けやすいのはボディの下回りです。
高圧洗浄機などを使って、ボディの下回りについた塩を洗い流すようにするといいでしょう。
高圧洗浄機は洗車場にいくと必ず設置されていますが、わざわざ車を洗うたびに洗車場まで行くのが面倒だという人は、家庭用の高圧洗浄機を買ってしまってもいいかと思います。
面倒に思うかも知れませんが、海の近くに住んでいる人の車が塩害によって事故車扱いならないようにするためには、これくらいの手間をかけるのは仕方のないことだといえるでしょう。
また、ボディの下回りを高圧洗浄機で洗うだけではなく、ときどきはエンジンルームやトランクルームをあけて軽く掃除をしておくことをお勧めします。
日常的に車に乗っていてもエンジンルームなんて一度も空けたことがないという人もいるかと思いますが、ボディの下回りと同様に塩害を受けやすい部分ですので、こまめにチェックをするようにしましょう。
自宅が海から非常に近いという人は、可能であれば車を車庫で保管するのがベターです。
毎日のように潮風を受ける場所に屋外駐車をしていますと、どうしても塩害が進んでしまいますので、それを防ぐもっとも効果的な方法が車庫での保管ということになります。
また、通勤で海岸沿いの道路を走っているような方は、多少遠回りになっても、海岸沿いの通りを避けて通勤をするようにした方がいいでしょう。
道が1本しかないのであれば仕方ありませんが、車のためには毎日潮風を浴びることになる海岸沿いの道を毎日走ることはおすすめしません。
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雹(ひょう)の被害でも買取り価格は大幅に下がります
雹の威力はすさまじいもので、野球のボール大の雹が降ってきたりすると、車の屋根やボンネットはボコボコになってしまいます。
実は、雹で屋根がボコボコになってしまった車も、事故車扱いとなってしまうのです。
参考記事:こんな車は高く売れません~過走行・事故車・年式が古い・改造車
雹によって無数のへこみが出来てしまった屋根は、基本的に交換する以外に修復の方法がありません。
最近のモノコック構造の車の場合は、屋根は重要な骨格部分となりますので、交換することによって「修復歴あり」ということになってしまい、事故車扱いになってしまうのです。
ボンネットやドアなどであれば、まるまる交換したとしても骨格の部分とはなりませんので、事故車扱いにはならないのですが、屋根の場合にはそうはいかないのです。
雹は自然災害ですので、それを防ぐための対策というものは基本的にはありません。
もちろん、自宅の車庫などで保管することで雹の被害を防ぐことは出来ますが、勤務先やショッピング先で屋外に駐車しているときに降ってくる可能性もありますので、完全に雹の被害から逃れる方法はないといえるでしょう。
車両保険に入っていれば保険を使って修理をすることは出来ますが、屋根の部分を交換することで「修復歴あり」の事故車扱いとなってしまいますので、クルマを売るときの評価が大きく下がってしまうのは防ぐことができません。
過去に交通事故など1度も起こしたことがないのに、査定のときに突然「事故車扱いです」といわれてビックリしないように、知識として理解しておくようにするといいでしょう。
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