水没車の査定額は大幅に減額されます~ゲリラ豪雨に注意!

水の中を走る車台風や集中豪雨などにより冠水してしまった道路を走っている車をときどき見かけます。

「なぜこんな川のような道路を走っているのだろう?」と疑問に思う方も多いと思いますが、彼らも好んでそんな道路を走っているわけではありません。

ゲリラ豪雨などの激しい雨量によって、走っている途中であっと言う間に道路の水かさが増してしまい、どうにもならなくなってしまったというのが真相だと思います。

排水処理の限界を超えると、道路は驚くべき早さで川のようになってしまうのです。

運悪くそういった場面に出くわしてしまい、自分の車が冠水してしまった場合には、大幅な査定の減額を覚悟しなくてはなりません。

水没車の価値はどれくらいに目減りしてしまうのでしょうか?

なぜ水没車の査定額は下がってしまうのか?

中古車市場において、水没車あるいは冠水車と判断されるのは、どういった車なのでしょうか?

基本的には、フロアよりも上の部分に一度でも水に浸かってしまったら、水没車として扱われることになります。

水没車は、中古車としての商品価値が一気に下がってしまいますが、それにはいくつかの理由があります。

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・水没車特有の室内の異臭

運転席のドアを開けた車内フロア以上に浸水するということは、車内に水が入り込むことになりますから、仮に水が引いた後にしっかりと乾燥をさせたとしても異臭が残ることが多いです。

水没車であることを隠して査定を受ける人もいるようですが、ベテランの査定士であれば、ドアを開けた瞬間にそのニオイから水没車であることを見抜くといいます。

タバコのニオイやペット臭もそうですが、室内に異臭がする車は敬遠されがちです。

売れにくい車を高く買取る業者はいませんから、査定額が下がってしまうのは仕方のないところです。

参考記事:室内がクサイ車は高く売れません~ペットの臭い・タバコの臭い

・さまざまな場所に発生するサビ

最近の車は塗装技術が大変進歩しており、長年乗った車であってもボディの外側がサビてしまうということはめったにありません。

しかし、雨風が当たることを想定している部分以外の場所では、その限りではありません。

そもそも車はフロア以上の高さに水が入ることを想定して作られていませんから、そういった部分にまで防錆処理はしていないわけです。

シートのスライドレールやスプリング及びレールの取り付け部、ペダル類のブラケットやリターンスプリング、ステアリングポストの付近など、本来水が浸入することを想定していない部分にサビが発生することになります。

ディーラーや買取店の査定士は、こういた部分の入念にチェックをして、水没車ではないかどうかを確認するわけです。

逆にあなたが中古車を購入する場合でも、こういった部分のサビに着目することで水没車かどうかの判断材料にすることができるでしょう。

水没車の場合、事故車のように表示義務がありませんので、きれいに掃除をしてそのまま普通の中古車として売られていることも多いので注意が必要です。

・水没車は故障の発生率が高くなる

車というのは、ある意味精密機械であるといえます。

そういった精密機械である車の、本来水が入ってはいけない部分に浸水をしてしまうわけですから、仮にそのあときれいに乾燥をしたとしても、あとになってさまざまな故障を引き起こす可能性が高くなるわけです。

特にエンジンに浸水してしまった場合には、致命的な故障につながりかねません。

また、車にはさまざまな電気系統のケーブルが張り巡らされていますが、こういった電気系統やバッテリーに水がかかることによって、最悪の場合は車両火災を起こす可能性もあります。

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冠水してしまった車は実際にどれくらい安くなるのか?

赤い冠水車ここまで説明してきたさまざまな理由により、水没車の査定額が大きく目減りしてしまうということがお分かりになったかと思います。

それでは、実際にどれくらい減額になってしまうのでしょうか?

これは日本自動車査定協会(JAAI)によって、明確にその基準が定められています。

フロアまでの浸水の場合、減額率は30%となっています。

つまり、年式や走行距離などから判断した査定額が100万円だとしたら、フロアまで浸水した車の場合は70万円になってしまうということです。

これが座席のクッションの上部までの浸水となると、減額率は40%までアップします。

ここまでの浸水となると、エンジンルームなどにも水が入っていることが想定されますので、かなりダメージは大きいといえるでしょう。

さらに、ダッシュパネルまでの浸水となると、さらに減額率はアップして50%となります。

つまり、本来100万円で売却することの出来るクルマが、その半分の50万円となってしまうわけです。

ダッシュボードまでの浸水となりますと、エンジンはほぼ水没状態となりますので、かなり致命的といっていいでしょう。

ここまで浸水してしまった車であっても、50%の減額で済んでしまうというのはむしろ驚きです。

もちろんこれらの基準は、あくまでも日本自動車査定協会(JAAI)によって定められたものですから、お店によっては買取りを拒否されることもあるでしょう。

水没した車のパーツを交換したりクリーニングを行って、店頭で販売することができるかどうかを判断するのは、あくまでもそのお店ということになります。

仮に、たまたま持ち込んだお店で買取り拒否をされとしても他のお店であれば買取りしてもらえるかもしれませんので、ひどい水没車であったとしてもあきらめずに複数の店舗に査定をしてもらうといいでしょう。

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