新しい車に乗り換えるときには、ディーラーで車を下取りしてもらうというのがこれまでの常識でした。
しかし、最近では車の買取り専門店の認知度が高まるにつれて、ディーラーに下取りに出すのは不利であるというイメージを持つ人も多くなっています。
なぜなら、ディーラーにくらべて、買取専門店の方が査定額が高くなると一般的にはいわれているからです。
はたしてそれは真実なのでしょうか?
ここでは、ディーラーにクルマを下取りした人の体験談を取り上げて、実際の下取り額や買取専門店との査定額の違いなどについて紹介してみたいと思います。
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3年乗ったミラココアをトヨタカローラ店で下取り
●和歌山県のSさん 男性
新しい家族が増えたことで、今まで乗っていた軽自動車が狭く感じるようになってきたため、ミニバンに買い替えることにしました。
そこで、現在まで乗っていたダイハツのミラココア(茶色)を下取りにだすことにし、最低でも2社以上に査定してもらうことにしました。
まずはガリバーで査定してもらいました
わが家ではある程度購入するクルマも決めていましたが、最初はあえてディーラーに行かず、買い取り専門店で査定をしてもらうことにしました。
というのも、まずは買い取り専門店で事前に査定をしてもらうことにより、ディーラーとの交渉を有利にしようという思惑があったからです。
そこで選んだのが車の買い取り専門店ガリバーです。
査定対象のミラココアは約4年間乗り、走行距離は35,000キロくらいでした。
車種も色も人気ということで、査定価格は約60万円との結果がでました。
思った以上に高額な査定でビックリしましたが、当初の考えどおりその場で決めずにディーラーとの交渉材料にしようと思って、回答を一旦保留にさせて頂きました。
トヨタ系ディーラーの下取り額はなんと68万円!
次に新しいクルマを購入予定のトヨタカローラ店へ向い、購入に向けての話をしました。
その中で現在乗っているミラココアの下取りについて話し合うことになりましたが、すでにガリバーで査定してもらい見積もり額が約60万だったことを正直に伝えました。
その後担当の方が車の査定をするために席を外し、しばらくした後で出てきた金額はなんと68万円でした。
ディーラーでの下取り相場は買取り専門店より安くなると思っていましたので、意外でした。
新車購入予定という客であったことで、店側が頑張ってくれた結果だと思います。
十分すぎる下取り額を提示していただいたので、それをそのまま頭金にあてさせていただきました。
トヨタカローラの担当の方の対応も非常に素晴らしいものでした。
●編集部よりコメント
それよりも、ディーラーの下取り額が68万円というのは、かなり高い印象があります。
トヨタカローラ店でミニバンを購入予定とのことなので、おそらく車種はノアかと思います。
ディーラーの場合は下取り価格と新車の値引き額を調整することがありますので、注意が必要です。
今回は買取専門店での査定額を先に提示してしまっていたので、ディーラーではあえて下取り額を高くして、新しく購入するミニバンの値引き額を厳しめにした可能性があります。
できれば、最初にディーラーに行って、新車の値引き額をしっかりと交渉したうえでミラココアの下取り額を出してもらい、そのあとにガリバーに行った方がよかったかも知れません。
また、買取専門店も1社だけではなく、複数の業者に査定をしてもらった方が有利に交渉を進めることができます。
ハリアーをレクサスのディーラーで下取りしてもらった事例
●埼玉県のYさん 男性
わたしは新車で購入したハリアーを2年落ちで下取りに出しました。
もともと、ハリアーは私がとても気に入って購入したクルマで、デザイン、内装、乗り心地、収納の広さとすべてがお気に入りでした。
しかし、わたしだけではなく妻も運転をするため、どうしても彼女にとっては車体が大きすぎでした。
妻が運転しにくいということと、毎月1000キロ以上乗っていたのでガソリン代が家計に響くという2つの理由で、買い替えを検討するようになりました。
新しく購入するクルマはレクサスのCT200h
ハリアーは、まだ2年落ちで走行距離も2万5千キロほどしか乗っていなかったので、クルマの状態はかなり良かったと思います。
前述のような理由での買い替えでしたので、新たに購入予定の車はボディがそれほど大きくなく、燃費がいいということが条件でした。
その条件にあてはまるクルマが、当時発表されたばかりのレクサスCT200hでした。
車体の大きさが家内にとっても無理のない大きさで、クルマの価格も400万円以下という点と、燃費のいいハイブリッド車というところが気に入りました。
レクサスのお店での下取り額は200万円弱でした
そのようなことから、ハリアーは最寄りのレクサスのディーラーで下取りに出すことになりました。
ディーラーでの査定額は200万円弱でした。
思った以上に高値で買い取ってもらえたのがありがたかったです。
同じトヨタ系列であるレクサスとはいえ、200万円弱で下取りしてくれるというのはとてもありがたいです。
おかげさまで、あこがれのレクサスオーナーにそれほど追加費用をかけずになることができました。
●編集部よりコメント
文面からではグレードが分かりませんが、ハリアーの2年落ちですと最低でも210万円~250万円くらいで下取りしてくれるはずです。
買取専門店ですと、さらに10万円くらい高くなる可能性があります。
確かに、新車を購入するディーラーにそのまま下取りにだすのは手続き的にも簡単ですが、他社とまったく比較をせずに1社だけの言い値で下取りにだしてしまうと、数十万円も損をしてしまうことがあります。
ディーラーに行く前に、買取専門店数社に査定をしてもらった方がよかったと思います。
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5年落ちで2万キロのヴィッツが10万円?
●神奈川県のHさん 女性
5年落ちで走行距離が約2万キロのトヨタ・ヴィッツを下取りに出したときの体験談です。
このクルマを売却したときは、ちょうどヴィッツのモデルチェンジがあった時期で、思ったほどには査定額が上がりませんでした。
3社の査定額を比較した結果トヨタのディーラーに売却しました
買取り業者を含めて3社から査定をしてもらいましたが、トヨタで新車を購入しようと思っていたこともあり、結局トヨタのディーラーに下取りに出すのが一番お得な結果となりました。
トヨタのディーラー以外で査定してもらった業者は、ガリバーとカーセンサーでした。
わが家のヴィッツは、運転席側のドアに、5cm位のぶつけられた跡がありました。
スーパーの駐車場に停めていたときに、当て逃げされたものです。
へこみは有りましたが、塗装は大丈夫でしたので、それほど査定額に響かないだろうと思っていましたが、このへこみだけでかなり査定額を下げられてしまいました。
本音はもう少し高く引き取ってもらいたかった
購入予定の新車は、トヨタの代表的な人気車種であるプリウスでしたが、ヴィッツの下取り額は当初8万円でした。
その後営業マンとの交渉を繰り返して、なんとか10万円で下取りしてもらうことが出来ました。
とても気に入っていたクルマでしたし、この1個所のへこみ以外は、まったく問題なく乗れる状態の車でしたので、もう少し高く引き取ってもらいたかったというのが本音です。
●編集部よりコメント
仮にベーシックグレードであったとしても、40万円前後の査定額にはなりそうです。
ドアにわずかなヘコミがあったことや、モデルチェンジ直後であることなどのマイナス要因はあるにしても、かなり低い数字といえます。
ドアのヘコミ程度では、事故車扱いになることはありませんし、仮にドアの交換が必要なほどひどいヘコミであっても、修理代金は12万円くらいで収まるはずです。
その修理代をマイナスしたとしても、25万円~30万円くらいが査定の相場だと思います。
今回のケースでは、買取専門店2社にもしっかりと査定を受けているようですので、特にトヨタのディーラーだけが低い提示をしたということではないようです。
他にも何かマイナス要因があったのかも知れません。
5年落ちの三菱ekワゴンがホンダディーラーで50万円になりました
●茨城県のOさん 女性
私が売りに出したクルマは、5年間乗り続けた三菱のekワゴンです。
その時の走行距離は2万3千キロくらいだったので、5年乗った割にはそれほど走っていないクルマだと思います。
近所の中古車販売店では30万円でしたが
最初は近所の中古車販売店に査定を依頼しましたが、そのときの査定額は30万円くらいで、思ったほど高くなりませんでした。
そのため少し離れたホンダのディーラー系列の中古車店で査定をしてもらったところ、約50万円と予想以上の提示額を受けました。
これには、自分でもちょっとびっくりしました。
たまたまこの車を欲しがっている人がいた!
他の店で30万円の査定額だったクルマが、なぜそれほど高く買い取ってもらえるのか不思議だったので、ホンダの人に素直に聞いてみました。
すると、そのホンダの担当の人がいうには、ちょうど三菱のekワゴンを欲しがっている人がいたので、たまたまこの値段で買い取ることができたとのことです。
そのことは、担当したホンダの人の表情や対応にもあらわれていましたので、ウソではないと思います。
ほんとうにこのクルマが欲しかったのだろうと思います。
個人的には、自分のクルマが思った以上の金額で売れて、大満足でした。
●編集部よりコメント
最初に持ち込みをした近所の中古車販売店の査定額が30万円ですから、相場にくらべてだいぶ低めです。
それに対して、ホンダのディーラー系列の中古車店では、50万円以上の提示になっています。
5年落ちのekワゴンがこれほどの高値になることはまずありませんので、本当にこのクルマを欲しいと思っている人がいたのかも知れません。
お店としても、あらかじめ売れることが分かっていて在庫リスクがなければ、相場以上に高く買取りをすることも可能だからです。
スバルR2のディーラーの提示額は45万円
●兵庫県のMさん 女性
私が5年乗った愛車、スバルのR2を手放したときの体験談です。
少しでも高い金額で手放したいと思った私は、新しい車を購入する予定のディーラーと中古車買い取り店をくらべて、条件の良い方に売るつもりでいました。
5年落ちなのに走行距離はわずか1万2千キロ
5年乗っていたといっても、買い物に行くとき乗るぐらいだったR2は、距離的には1万2千キロほどしか走っていない状態でした。
走行距離が少ないことで、ある程度は査定額に期待していました。
査定を行ってもらったお店は、買取専門店であるアップルとスバルのディーラーです。
アップルの場合は、今すぐ手放すという条件で良い金額の提示額があったのですが、その時点では、新しいクルマの納車日など決まっていない状態なので即決することを断念しました。
最終的にディーラーとアップルは同じ提示額でした
その後、スバルのディーラーで見積もりをしてもらったところ、アップルと同じ査定額である45万円の提示がありました。
もちろん、この中には、値引きの分も入っていたのかも知れませんが、ディーラーへの下取りでも買取り店への売却でもそれほど差がないことがわかったので、結局ディーラーへ下取りに出すことにしまいた。
そうすることで新車の納入日ギリギリまでR2に乗ることができ、新しいクルマにスムーズに乗り換えることが出来るからです。
また、アップルの担当の人があまり熱心でなかったことも、わたしがディーラーに下取りに出した理由の一つです。
●編集部よりコメント
この方も、先に買取り専門店に査定をしてもらって、その査定額をディーラーに開示したうえで下取りの査定をしてもらっています。
先ほども書きましたように、ディーラーの場合は、新車からの値引き額との合わせ技で下取り額を調整することができますので、買取専門店での査定額は内緒にしておいた方がよかったと思います。
新車の値引き額と下取り車の査定額がディーラーからでた時点で、買取専門店の見積りを開示すべきでした。
また、買取専門店も、1店舗だけではなく複数のお店に査定をしてもらうと、より高額査定が期待できます。
ワーゲン・ゴルフをアウディのお店で下取り
●千葉県のAさん 男性
5年落ちのフォルクスワーゲン・ゴルフに乗っていました。走行距離は5万kmです。
まだまだ性能的には大丈夫でしたが、車検を前にして、ちょっと気分を変えたくなったので、アウディに買い替えることにしました。
最初は、最近はやりの一括査定を利用してみようかと思いましたが、アウディのディーラーで新車の見積もりをもらう際に、ゴルフの下取りの金額も出してもらいました。
5年落ちで180万円なら十分満足できるレベル
提示された下取り金額そのものは特別高いというほどではありませんでしたが、付帯サービスをいろいろとつけてくれそうだったのでそのまま下取りに出すことにしました。
下取り価格は、180万円でした。
5年落ちのクルマであり、もともと350万で買った車ですので、180万円ならまずまずの金額なのではないかと思っています。
アウディのディーラーの対応はとてもよかったです
今回はアウディのディーラーでの下取りで、新車を買うことが前提でしたので対応は非常に良かったです。
他の輸入車を扱うディーラーも知っていますが、そことくらべてもアウディのディーラーの対応はよく感じました。
付帯サービスもたくさんつけてもらって、とても満足しています。
営業マンの対応も非常によく、クルマの知識が豊富で安全性能などについてしっかりと説明してくれました。
ディーラーの下取りは買取り専門店にくらべて不利だといわれることが多いですが、今回は、金額的に不満を感じることがありませんでした。
●編集部よりコメント
確かに、ワーゲン・ゴルフは新車時の車両価格が300万円前後ですから、5年落ち5万km走行で査定額が180万円というのは、かなりの高額査定ということがいえます。
仮に、買取専門店に持ち込んだとしても、よほど外国車に強い店でもない限りは、これ以上の査定額になるとは考えにくいです。
そういった意味では、ディーラーだけの査定で下取りにだしたことは結果的に正解だったといえそうです。
ただ、もともとアウディは大幅な値引きをする傾向のあるメーカーで、50万円以上の値引きはあたりまえですから、値引き分の何割かをゴルフの下取り額に上乗せしていた可能性はあります。
いずれにしましても、クルマというのは高額商品ですから、売却前には面倒くさがらずに1社でも多くのお店に査定をしてもらうことが基本となります。
文:山澤 達也
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