中古車の値段は1年ごとに30%ずつ下がっていくというのは本当か?

虫眼鏡とおもちゃの車中古車の値段は、新車登録から年数が経過するごとに徐々に下がっていきます。

大まかな目安として、1年あたり30%ずつ新車価格から値段が下がっていくといわれています。

もちろん、車種によってリセールバリューの高い車とそうでない車がありますし、走行距離や傷などの有無によっても中古車の値段は大きく変わってきますので一概に言えない部分はあります。

参考記事:10年落ちでも100万円以上で売れるリセールバリューの高いクルマ

しかし、中古車を探している人にとってはある程度の目安にはなるかと思いますので、実際に販売されている中古車の事例をもとに「年30%ずつの値下がり」が真実かどうかを確認してみたいと思います。

はたしてそれは本当なのでしょうか?それともただの都市伝説なのでしょうか?

年30%ずつ車の価格が値下がりするなら新車が売れなくなる?

中古車の販売価格が年に30%ずつ下がっていくと仮定しますと、新車価格が300万円の車は1年後には210万円になってしまうことになります。

さらに2年後には210万円の30%オフで147万円、同様に3年後は103万円、5年後は50万円、7年後には25万円ということになります。

しかし、この数字をみておかしいと感じた人多いと思います。

よほどの不人気車でもない限り、新車価格が300万円の車が5年落ちで50万円になるということは考えられないからです。

また、新車価格300万円の車が3年後に103万円で買えるのならば、新車を買う人などいなくなってしまいそうです。

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日産セレナの中古車の販売価格で検証してみましょう

グリーンのセレナ2016年9月現在の、カーセンサーで販売されている日産セレナの平均データを見てみますと、平均価格117.9万円、平均走行距離63748km、平均年式2008年となっています。

つまり、6年落ちで走行距離が6万km強、値段が118万円程度というのがカーセンサーで売られている日産セレナの平均値です。

セレナの新車価格はといいますと、250万円程度から350万円程度までグレードにより大きな開きがありますが、ここではほぼ中間値である300万円をセレナの新車価格として考えてみましょう。

新車価格が300万円で、1年に30%ずつ値下がりしていくと考えれば、先ほどと同様の計算により6年落ちだと35万円ということになります。

まともな6年落ちのセレナが35万円で買えるはずがないとうこは、常識的に考えてみて分かることでしょう。

確かにセレナに限らずミニバンは人気車種ですので、中古車であってもあまり値落ちしないということはありますが、それでも118万円という実際の販売価格と35万円という数字の乖離はひどすぎです。

トヨタマークXの中古車価格から判断してみましょう

シルバーのマークXリセールバリューの高いミニバンである日産セレナで見た場合には、あまりにも数字に乖離がありすぎましたので、最近はあまり人気がないとされているセダンで見ていきましょう。

セダンの代表事例としてトヨタのマークXを取り上げてみましょう。

カーセンサーによるマークXの中古車の平均データは以下になります。

平均価格が116.2万円、平均走行距離が55,999km、平均年式が2008年となっています。

つまり、6年落ちで走行距離が5万km弱、平均販売価格が116万円というのがカーセンサーで売られているマークXの中古車の平均値とういうことになります。

マークXもグレードにより250万円から400万円まで新車価格に大きな開きがありますが、売れ筋である250Gの新車価格が278万円なので、300万円として計算をしてみたいと思います。

30%ずつ車の値段が下がっていくと仮定すれば、先ほどのセレナと同様の計算で、300万円のマークXの6年後の値段は35万円ということになります。

しかし、実際にカーセンサーで売られている平均6年落ちとなるマークXの中古車価格は116万円です。

先ほどは、人気のミニバンであるセレナゆえに計算結果と実際の中古車価格に乖離があるのではと思われましたが、実際に人気がないといわれているセダンであるマークXで比較をしても大きな乖離があるということが分かりました。

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6年落ちで35万円で買えるマークXは実際にあるのか?

セレナやマークXを事例にして検証をしてみた結果、どうやら新車が毎年30%ずつ安くなっていくというのは眉唾である可能性が高くなってきました。

それでは、実際に6年落ちで35万円程度で売られているセレナやマークXはあるのでしょうか?

カーセンサーで調べてみますと、何件か拾い出すことができました。

6年落ちとなる2008年式のマークXの本体価格が23万9千円で売られています。

この車の条件をみていきますと、走行距離は9万kmで「修理歴あり」となっています。

つまり、事故車である可能性が高いということになります。

ドアなどが軽くへこんだ程度の損傷では「修理歴あり」と記載することはないはずなので、過去にかなり大きなダメージを受けた車であることが伺えます。

もう一台マークXの事例ですが、2008年式が46万円で売りに出されています。

こちらは事故車ではないようですが、走行距離が10万kmとなっており、過走行により販売価格が安くなっていると思われます。

そういった過走行の状態であっても、6年落ちのマークXは46万円で売られているわけですので、35万円という計算上の金額はやはりあり得ない数字ということが言えると思います。

文・山沢 達也

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