これからプリウスを購入しようと思っている人が、最初に頭を悩ませるのがグレード選びではないかと思います。
グレードの違いをよく把握しない状態で、営業マンに進められるままに契約をしてしまうとあとで後悔をすることになるかも知れません。
なぜなら、あなたにとって最適なグレードと、営業マンが売りたいグレードが必ずしも同じとは限らないからです。
ここではプリウスのグレード別に、装備や価格の違いなどを徹底比較すると同時に、同じ予算で上級グレードを購入するためのテクニックなどについても紹介してみたいと思います。
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プリウスの一番の売れ筋は中間グレードのSです
プリウスには大まかにわけて3つのグレードがあります。
Aグレード、Sグレード、Eグレードの3種類です。
まずは、プリウスの売れ筋グレードであるSグレードについて解説をしていきましょう。
・タイヤやシートなどがグレードアップするツーリングセレクション
Sグレードは、ベーシックなグレードに加えて「Sツーリングセレクション」というグレードが存在します。
価格はベーシックなSグレードが247万9,091円なのに対して、ツーリングセレクションは262万8,327円となっています。
その差額は149,236円となっています。
標準的なSグレードに対してツーリングセレクションは、タイヤのサイズが変わります。
195/65R15という乗り心地重視のタイヤから、215/45R17という太くて扁平率の高いスポーツタイプのタイヤに変わります。
また、シート表皮も標準的なSがファブリックなのに対して、ツーリングセレクションは合成皮革の快適温熱シートになります。
さらにリアバンパーも、ツーリングセレクションにはスポーティな専用のものが用意されています。
・中間グレードSの装備は必要かつ十分なものです
このように、標準的なSグレードとツーリングセレクションの主な違いはタイヤ(ホイール)とシートになるわけですが、それらの違いによる15万円近い価格差をどう考えるかがグレード選びのポイントになります。
それ以外の装備に関してはほぼ共通となります。
LED式のヘッドランプやリヤワイパー、スマートキー(スマートエントリー)、合成皮革巻きステアリング、車両接近警報装置、緊急ブレーキシグナル、フロント6ウェイシート(運転席)など、必要かつ十分な装備が標準で備わっています。
プリウスの上級グレードAは4つの種類に枝分かれします
プリウスの上級グレードであるAグレードは、さらに4つの種類に枝分かれします。
標準的なAグレードに加えて、「Aツーリングセレクション」「A プレミアム」「A プレミアムツーリングセレクション」の合計4種類です。
価格は、標準的なAグレードが277万7,563円、ツーリングセレクションが292万6,800円、プレミアムが310万7,455円、プレミアムツーリングセレクションが319万9,745円となっています。
標準的なAグレードとプレミアムツーリングセレクションでは、422,182円の価格差があります。
・ツーリングセレクションとの違いはSと同様にタイヤやシート
標準的なAグレードとツーリングセレクションの装備の違いは、Sグレードと同様にタイヤのサイズやシート表皮(温熱快適シート)、リアバンパーなどになります。
それぞれの価格差は149,237円となり、Sグレードのときとほぼ同じです。
・シート表皮やステアリングが本革になるプレミアム
標準的なAグレードとプレミアムの装備の違いは、主にシートになります。
プレミアムの場合には、シート表皮がファブリックや合成皮革ではなく、全席本革シート(快適温熱シート)になります。
機能的にも運転席シートが6ウェイから8ウェイになり、電動ランバーサポートも装備されています。
また、ステアリングも標準的なAグレードが合成皮革なのに対して、プレミアムは本革になります。
もともとAグレードは上級グレードとして装備が充実していますから、プレミアムといってもシートくらいしか差別化できないのだと思います。
標準的なAグレードとプレミアムの価格差は、329,892円になります。
主にシートの違いだけで、これだけの価格差になってしまうわけです。
プリウスはもともと高級車という位置づけのクルマではありませんので、あえて本革シートにこだわる必要はないように思います。
プレミアムツーリングセレクションは、標準的なAグレードにプレミアムとツーリングセレクションの装備を両方プラスしたものと考えていいと思います。
つまり、タイヤが215/45R17のスポーティなものとなり、シートが本革仕様となるわけです。
・Sと比較した場合に圧倒的に充実しているAの装備
ちなみに、プリウスのAグレードをSグレードと比較した場合、次のような装備がプラスになります。
プリクラッシュセーフティシステム、レーンディパーチャーアラート(ステアリング制御付き)、オートマチックハイビーム、レーダークルーズコントロール、インテリジェントクリアランスソナー、ブラインドスポットモニター、シンプルインテリジェントパーキングアシスト、LEDフロントフォグランプ、スーパーUVカットフロントガラス、オートワイパー(雨滴感応式)、カラーヘッドアップディスプレー、イルミネーテッドエントリーシステム、など。
また、ハイブリッド車の要となるバッテリーも、Sグレードがニッケル水素なのに対して、Aグレードでは高価なリチウムイオン電池が使われています。
このように、AグレードはSグレードと比較をして、安全装備を中心に非常に充実した装備が搭載されていることがお分かりになるかと思います。
プリウスのSグレードとAグレードの価格差は298,472円となりますが、これだけの装備の違いを考えれば、価格差は十分に納得のいくものです。
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プリウスの廉価グレードであるEは低燃費が売りになります
Eは廉価グレードになり、価格もプリウスの中では一番安い242万9,018円となります。
このEグレードの最大の売りは、燃費になります。
他のグレードが37.2km/Lなのに対して、Eグレードだけが40.8km/Lとなっています。
メーカーが公表しているプリウスの40.8km/Lという燃費は、実はEグレードだけが達成しているということになるのです。
・Sと比較するとだいぶ見劣りがするEの装備
ただし、プリウスの中間グレードであるSとくらべた場合、Eグレードは装備的にはだいぶ見劣りがします。
コーナリング性能に影響するスタビライザーもEグレードだけフロントにしかありませんし、フロアーアンダーカバーはリアのみしか装着されていません。
また、エンジンアンダーカバーも他のグレードはサイレンサー付きなのに、Eグレードにはついていませんし、ワイパーもフロントだけでリアは省略されています。
室内も、シートも表皮が他のグレードにくらべてファブリックの質が落ちますし、運転席シートもSの6ウェイから4ウェイにグレードダウンされています。
また、シートバックポケットなども省略されていますし、リアシートのセンターアームレストもEグレードだけありません。
さらにフロントコンソールトレイや大型コンソールボックスといった便利な収納も省略されていますし、ステアリングもSやAが合成皮革巻なのに対して、Eグレードだけウレタンがむき出しの仕様になっています。
スピーカーも他のグレードは6スピーカーなのに対して、Eグレードのみ4スピーカーです。
・Eグレードが思ったほど安くない理由とは?
このように、Sグレードにくらべてかなり装備的に見劣りがするEグレードですが、実はSグレードとの価格差はわずかに5万円ほどしかありません。
実はこれには理由があります。
プリウスのEグレードには、最上級のAグレードと同様の高価なリチウムイオン電池が使われているのです。
Sグレードは安価なニッケル水素電池が使われていますから、装備の違いの分が電池のグレードの違いで相殺されてしまっているのだと思います。
40.8km/Lという好燃費を達成するためには、廉価グレードのEにあえて小型で高性能なリチウムイオン電池を使う必要があったのだと思います。
プリウスの上位グレードを同じ予算で購入する方法
プリウスのグレード別にさまざまな角度から比較をしてみましたが、装備と価格のバランスから、中間グレードのSが一番売れているというは十分に納得ができると思います。
しかし、上位グレードのAに装着されている数々の安全装備には魅力を感じるという人も少なくないでしょう。
できればAグレードを購入したいけれども予算的に厳しいという人のために、Sグレードの予算でAグレードを購入する方法をお教えしたいと思います。
・ディーラーの提示する値引き額をアップさせる
クルマを購入するときには、どこのディーラーでも値引きをしてくれるのが常識ですが、営業マンのいわれるままの値引き額で購入してしまう人も多いことでしょう。
プリウスの場合も、最初は15万円程度の値引きで様子を見てくる営業マンが多いようです。
しかし、あくまでも付属品を含めたトータルの値引き額になりますが、ホンダのシャトルや日産リーフ、マツダのアクセラなどと競合させることで、プリウスの値引き額が30万円以上になる可能性も十分にあるのです。
もし営業マンの最初の提示が15万円だった場合、30万円まで値引きをさせることに成功すれば、それだけで予算的に15万円浮くことになります。
しかし、SグレードとAグレードの価格差は298,472円ありますから、グレードアップにはまだ手が届きません。
参考記事:新車を購入するときに大幅値引きを引き出すための賢い交渉術
・買取り専門店の高額査定でグレードアップの予算を捻出する
値引きだけでは、なかなかSグレードとAグレードの30万円近い価格差を埋めることは難しいですが、下取り車の買取り価格とくみあわせることで、その価格差を埋めることが可能になるかも知れません。
多くの人は、いま乗っているクルマを、これからプリウスを購入する予定のディーラーにそのまま下取りに出してしまうと思います。
しかし、複数の買取り専門店を競合させることで、下取り車の査定額が10万円~20万円程度はアップする可能性が十分にあるのです。
もし、買取り専門店がディーラーでの下取り額よりも15万円以上高い査定額を提示したとすれば、先ほどの値引き額との合わせ技で、SグレードとAグレードの価格差を埋めることができるわけです。
つまり、Sグレードの予算でAグレードのプリウスを購入するという、ウソみたいなことが現実に起きてしまうわけです。
そのためには、一括査定サイトなどを利用して、あなたがいま乗っているクルマの最高買取価格をチェックしておくようにするといいでしょう。
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