軽トラックの買取り価格や下取り相場が、一般のクルマにくらべて高いという噂を耳にしたことはありませんか?
実は、その噂は間違いではありません。
軽トラックの場合、多少年式が古くなっても、買取りや下取りの際の査定額が大きく下がることはありません。
10年落ちの軽トラが、驚くような高値で買取りされることも少なくありません。
なぜ、軽トラックの買取り価格や下取り相場は他の車種にくらべて高くなるのでしょうか?
実際に、中古車市場における軽トラックの買取り事例を紹介しながら、軽トラが高く売れる理由について詳しく解説をしてみたいと思います。
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軽トラックの買取り価格が高いのには理由があります
クルマの査定において、年式が古くなればなるほど評価がどんどん下がっていってしまうのは仕方のないところです。
クルマに限らず物の価値というのは、古くなるにしたがって低下していくからです。
しかし、軽トラの場合には、年式の古さによって買取り価格が極端に下がるということはあまりないようです。
モデルチェンジのタイミングで買い替える人が少ない
軽トラの査定額が下がりにくい理由の1つとしては、乗用車のようにモデルチェンジによる影響をあまり受けないというこという点があげられます。
軽トラは、乗用車のようにスタイリングや最新装備などを気にするクルマではありません。
そのため、新型が登場したからといって、すぐに新しい軽トラに買い替えるという人はあまりいません。
軽トラックというのは実用車ですから、しっかりと荷物を運ぶことができればそれだけで満足しているオーナーが多いわけです。
そのため、乗用車のようにモデルチェンジのたびに中古車が市場に大量に出回るということが、軽トラの場合にはないのです。
また、軽トラの場合は売却をするという概念そのものを持たない人も多く、新車で購入したら壊れるまで乗り続ける人も少なくありません。
つまり、軽トラというのは中古車市場に流通しにくい車種であるということがいえるのです。
市場に出回る中古車の数が少なければ、需要と供給の関係で買取り価格は必然的に高くなります。
売りたい人よりも買いたい人の方が多ければ、売る側の方が有利になるというのは市場の基本原理です。
年式の古い中古の軽トラが、乗用車ではありえないような高値で売買されているのは、そういった需給の問題があるわけです。
軽トラは走行距離が少ない車両が多い
軽トラというのは、あくまでも農作業用やセカンドカーとして所有している人が多いと思われます。
そのため、通勤やレジャーとして使われる乗用車にくらべて、軽トラの場合は走行距離の少ない車両が多いのです。
10年乗った軽トラの走行距離が2万km~3万kmなどということは普通にあります。
実際に、田んぼの時期以外は軽トラをずっと納屋にしまいっぱなしにしているような兼業農家などもあったりします。
つまり、年式の割に状態のよい車両が軽トラには多いということになります。
状態のいいクルマであれば、下取り価格や買取り価格が高くなるのは当然のことです。
実際に軽トラはいくらで売れるのかを売却事例で見てみましょう
軽トラが高くうれる理由がお分かりいただけたかと思いますが、実際にどれくらい高く売れるのか気になると思います。
実際にクルマ買取り専門店に軽トラックを売却したときの事例を、さまざまな条件別にみていくことにしましょう。
4年落ち軽トラックの買取り事例
軽トラックは、普通車にくらべると新車で購入して車検が切れるタイミングで売却するというケースは少ないと思います。
しかし、車を売るときの人の心理を考えると、車検切れのタイミングというのは一つの節目になると考えられます。
ここでは、軽トラックが新車登録から2回目の車検を迎えるタイミングである、4年落ちで売却された事例をいくつか取り上げてみたいと思います。
・4年落ちのスズキキャリイの買取り価格が59万円
この事例は、2008年式のスズキキャリイトラックを4年落ちとなる2012年に売却した時のものです。
4年落ちにもかかわらず走行距離は5000km弱で、もともと走行距離が少ない傾向がある軽トラックのなかでも、かなり少ない部類に入るといえるでしょう。
この4年落ちスズキキャリイトラックを3社に査定してもらった結果、59万円、50万円、38万円の提示額となりました。
軽トラックはもともと新車価格がそれほど高くありませんので、4年落ちの買取り価格が59万円というのは十分に満足できる数字ではないでしょうか。
やはり、走行距離が非常に少ないという点が高く評価されたのだと思います。
関連記事:スズキキャリイを売却するときの査定額の目安~6年落ちから12年落ちまでの売却事例
・走行距離3万kmのスバルサンバーを45万円で買取り
2011年式のスバルサンバートラックを4年落ちとなる2015年に売却したときの事例になります。
走行距離は3万km弱となります。
乗用車であれば4年落ちとしてはやや少なめの走行距離となりますが、軽トラックの場合だとむしろ走っているイメージになります。
一括査定サイト経由で3社に査定を依頼したのですが、最初に提示をしてきた業者がオーナーの希望額である45万円の買取り価格を提示したために、そのまま契約となったようです。
先ほどの事例とくらべると、同じ4年落ちの軽トラックでも走行距離が伸びている分だけ低めの査定額となっています。
しかし、オーナーは45万円の提示額で十分に満足したようです。
軽トラックの査定額は業者によって大きく異なることがありますので、売却前には必ず複数の業者の査定額を比較することが大切です。
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6年落ちで軽トラを売却したときの事例
軽トラックは、新車登録からちょうど6年で3回目の車検をむかえることになります。
6年落ちのタイミングで軽トラを売るときの相場を、実際の売却事例をもとにみていくことにしましょう。
6年落ちのスズキキャリイトラックを43万円で売却
2010年式のスズキキャリイトラックを、6年落ちとなる2016年に売却をしたときの事例の紹介です。
走行距離は4万7千kmほどで、乗用車であれば年式に対して少なめと判断されますが、軽トラの場合だとそれほどインパクトのある距離ではありません。
ボディの色はシルバーになります。
この6年落ちのキャリイトラックを、3社の買取専門店が査定をしたところ、43万円、33万円、33万円という提示額になりました。
2社が33万円を提示していますので、このあたりがの数字が相場なのかと思いますが、1社が10万円高い43万円を提示してくれました。
6年落ちの軽トラが43万円で売却できれば十分だと思います。
3社に査定を受けて比較したことで、結果的に相場よりも10万円高く売却をすることができたわけです。
10年落ちオーバーの軽トラックはいくらで売れるのか?
一般に、クルマの査定額は10年落ちを境に一気に評価が下がるといわれています。
しかし、軽トラックであれば、中古車のタマ不足もあり10年落ち以上の古い車両であっても高額な買取り価格が提示されることも少なくありません。
ここでは、実際に10年以上乗った軽トラックがいくらで買取してもらえるのかについて、いくつかの事例をもとに考えてみたいと思います。
・13年落ちのスズキキャリイ4WDを16万円で買取り
この事例は、1997年式のスズキキャリイ4WDを2010年に売却したときのものです。
走行距離は、13年乗っているにもかかわらず4万5000km弱しか走っていません。
このように、普通車とくらべて走行距離の少ない車両が多いのが軽トラックの特徴です。
この軽トラを3社に査定依頼をした結果、最高買取り価格は16万円でした。
13年落ちの軽トラックが13万円ということであれば、十分に満足できる買取り価格ではないかと思われます。
売却地は新潟県で雪国ということもあり、4WDが特に高く評価をされた可能性はあります。
ただし、4WDの軽トラは、雪国だけに限らず全国的に高額査定になる傾向があります。
農作業で使われることが多いことを考えれば当然です。
・10年落ちで走行距離2万5000kmの軽トラが32万円で売れた事例
こちらも上の事例と同様にスズキキャリイの事例で、2004年式を2014年に売却したときのものです。
10年落ちではありますが、走行距離は2万5000km強とそれほど走っていません。
このように、年式は古くても走行距離の少ない車両が多いのが軽トラックの特徴です。
この10年落ちスズキキャリイを8社に査定してもらった結果、一番高いところが32万円、一番低いところが17万円となり、15万円もの開きが出てしまいました。
買取り店にはそれぞれ得手不得手がありますので、軽トラックに強いお店であれば、10年落ちといえども32万円などという強気の買取り価格を提示してくるところもあるようです。
キャリイトラックの新車の車両価格が68万円~116万円ということを考えると、10年落ちで32万円という買取り価格がいかに破格かということが理解できるかと思います。
そういった意味では軽トラックを高く売るためには1社だけではなく複数の業者に査定をしてもらうことが重要だといえるでしょう。
10年落ちだからどうせ高く売れないだろうという先入観だけで、1社だけにしか査定を受けないと、足元を見られて買いたたかれることになります。
複数の業者に一括で査定を受けるには、以下のようなサイトが便利です。
11年落ちの軽トラの買取り価格が30万円になった事例
こちらは、2007年に新車登録したキャリイトラックを、11年落ちとなる2018年に売却をしたときの事例になります。
グレード的には、KCのエアコン・パワステ付きとなります。
走行距離は35,000km弱となっており、11年落ちにしてはかなり少ないといっていいでしょう。
走行距離はともかく、11年落ちともなれば一般的な乗用車であれば査定額にはあまり期待はできません。
しかし、軽トラの場合には、そういった常識は通用しません。
11年落ちでも、驚くほど高く売れることがあるのです。
このキャリイトラックを一括査定サイト経由で2社が査定をしたところ、1社が30万円、もう1社が15万円という提示になりました。
2社の査定額に2倍の開きがでるというのも驚きですが、11年落ちの軽トラに対して30万円の買取り価格を提示する業者がいるというのはびっくりです。
こういった事例をみる限りにおいては、軽トラックを売るときには年式の古さはそれほど気にする必要はないといえそうです。
15年落ちで10万km走行のハイゼットトラックの買取り価格が13万円
こちらは、2001年に新車登録をしたハイゼットトラックを15年落ちとなる2016年に売却をしたときの事例です。
走行距離は10万km弱となっており、軽トラックとしてはかなりの距離を走っている車両といえそうです。
さすがに15年落ちとなると、一般の乗用車なら廃車をしてスクラップになる運命です。
しかし、軽トラの場合は、これだけ年式が古くても商品としての価値があると判断してくれるのです。
この15年落ちのハイゼットトラックを3社の買取専門店が査定をしたところ、それぞれ13万円、7万円、7万円の提示となりました。
15年落ちで10万km弱の走行距離を考えた場合、7万円の買取り価格でも十分に思えますが、なんと13万円を提示する業者があらわれたのです。
乗用車と違って、「とにかく実用になればいい」という価値判断のされる軽トラゆえの高額査定といえます。
軽トラの場合は、多少古くてもしっかりと働いてくれさえすればいいと考える人が多いのでしょう。
いずれにしましても、査定額の高い業者と低い業者には6万円の差が生じていますので、複数の業者を比較したことは正解だったといえます。
走行距離の違いにより軽トラの買取り価格はどう変わるのか?
軽トラックは、長距離の用途で利用されることはほとんどありません。
また、サラリーマンが通勤の用途に使うというのもまれでしょう。
多くは近隣の農地などで作物の運搬などに使われますので、使用年数の割には走行距離が少なめになる傾向があります。
実際に、10年以上乗った軽トラックであるにもかかわらず、走行距離が3万km以下という車両も決してめずらしくはありません。
ここでは、軽トラックの買取り価格が走行距離の違いによってどう変わるのかについて、事例をもとに考えてみたいと思います。
走行距離が3万km未満の軽トラックの買取り価格
普通車であれば、走行距離が3万km未満ということであれば、かなり程度の良い中古車ということになります。
しかし、軽トラックの場合走行距離が3万km未満の中古車を見つけることはそれほど難しいことではありません。
年式に関係なく走行距離が3万km未満の軽トラは、いくらでも見つけることができるからです。
ここでは、走行距離が3万km未満の軽トラックの買取り価格がどれくらいになるのか、事例をもとにみていくことにしましょう。
・11年落ちのダイハツハイゼットトラックを20万円で買取り
この事例は、2004年式のダイハツハイゼットトラックを2015年に買取り店に売却したときの事例です。
11年乗っているにもかかわらず、走行距離はわずか2万km強となっており、ほとんど近所まわりしか乗られていなかった軽トラックであることが想像できます。
このハイゼットトラックを3社が査定した結果、最高買取り価格は20万円となりました。
ハイゼットトラックの新車の車両価格が59万円~132万円ということを考えると、11年落ちで20万円の買取り価格は十分に満足できるものだと思います。
やはり、走行距離が少ないという点が査定において高く評価されるということがお分かりになると思います。
・3年落ち2万5000kmのキャリイトラックを53万円で売却
この事例は、2010年式のスズキキャリイトラックを2013年に売却したときのものです。
走行距離は2万5000km弱となっており、普通車であれば3年落ちとしては標準的といえる走行距離ですが、軽トラックとしてはやや走り込んでいる印象です。
色は軽トラックとしては珍しいシルバーです。
変わったボディカラーであることが多少は査定に影響するかもしれませんが、軽トラックの場合には普通車ほどにはボディカラーが査定額にダイレクトに反映されるということはないと思われます。
このキャリイトラックを3社の買取り業者に査定してもらった結果、53万円、49万円、40万円という提示額になりました。
最高買取り額と最低買取り額に13万円の開きが出ましたが、結果的に複数の業者に査定をしてもらったことにより53万円という十分に満足のいく金額で売却に成功しています。
走行距離が10万kmオーバーの軽トラックの査定額は?
年式が古い軽トラックであっても比較的高めの査定額の提示になる背景には、乗った年数の割に走行距離が少なめの車両が多いという理由がありました。
それでは、走行距離が大きく伸びている軽トラックの買取り価格は安くなってしまうのでしょうか?
ここでは、10万kmオーバーの軽トラックがどれくらいの値段で売れるのかについて、いくつかの事例をもとに見て行くことにしましょう。
・11年落ち15万kmオーバーのキャリイトラックの買取り価格が13万円
こちらは、2003年式のスズキキャリイトラックを11年落ちとなる2014年に売却したときの事例です。
走行距離は15万kmをオーバーしており、11年落ちということを考慮しても、軽トラックとしてはかなりの過走行といえます。
一般のクルマであれば、こうしたクルマは国内ではまずニーズがないので、廃車にするか発展途上国向けに輸出をする以外にないでしょう。
このキャリイトラックを2社に査定依頼した結果、13万円、11万円という提示額になりました。
これだけの悪条件にもかかわらず、2社とも10万円以上の査定額を提示してきたところに、いかに軽トラックが中古車市場において供給不足であるかということが理解できるかと思います。
軽トラックは、年式が古いだけではなく、かなりの過走行であってもある程度の相場で売ることができるのです。
・8年落ちで15万kmオーバーのダイハツハイゼットの査定額が18万円
こちらは2005年式のダイハツハイゼットトラックを8年落ちとなる2013年に売却したときの事例です。
こちらも、走行距離は15万kmを軽くオーバーしており、年式はともかく走行距離的には非常に条件の悪い車両ということが言えます。
このダイハツハイゼットトラックを6社に査定依頼をした結果、一番高い業者が18万円、一番安い業者が3万円となりました。
走行距離がかなり伸びている車両のため、各業者とも評価が大きく割れてしまったようです。
しかし、結果的には6社から査定をしてもらったことが幸いして、18万円という金額で売却することができました。
この結果には、オーナーさんも大変満足されているようです。
もし、1社だけにしか査定を受けていなかったら3万円で売却をしてしまった可能性があります。
軽トラックを売るときには、あとで後悔しないためにも複数の業者の買取り価格を比較するのは必須といえます。
悪徳業者に安く買いたたかれないようにご用心
軽トラックが中古車市場で人気が高く、一般のクルマにくらべて高く売れるということを知らない人もいます。
そういった人たちの無知につけ込んで、高く売れる軽トラを二束三文で買いたたく悪徳業者もいます。
「もう10年も乗っているんですね。10年乗ったらクルマとしての価値はないですよ。せいぜい1万円か2万円くらいでしか買取りできませんね」
「軽トラなんて普通の人は買いませんからね。査定額はだいぶ安くなってしまいますよ」
などと、査定のために軽トラを持ち込んだ高齢の農家のお父さんに、そんなセリフを吐いたりするわけです。
そんなふうに言われると、人を疑うことを知らない純粋な農家のお父さんは
「そうだよねぇ~。10年も乗ったらもう価値はないよね~。引き取ってくれればいくらでもいいよ」
などと妙に納得してしまったりするわけです。
情報弱者をカモにする商売は、本当に許せないと思います。
軽トラックを本来の価値で一番高い業者に売るために
ここまでこの記事を読んでくださった賢明なあなたは、さすがにもうそんな悪徳業者に騙されることはないはずです。
軽トラは乗用車とは違って、たとえ古くても高く売れるのだという確信をもって、買取業者と交渉するようにしてください。
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