被リンクによるSEO対策はいまでも効果があるのでしょうか?

SEOの基礎知識

かつては、SEO対策というと主に外部から被リンクをあてることを意味しました。

当時は、中古ドメインを使って作られたサテライトサイトから、自作自演のリンクをあてることで、600文字程度しかない内容の薄いページであっても、面白いように検索順位をあげることができたのです。

ところが、最近はコンテンツSEOの時代などといわれ、SEO対策のためには充実したコンテンツが必須になってきています。

このことはまぎれもない事実であって、それを否定するつもりはまったくありません。

しかし、外部リンクの効果がまったくなくなったのかというと、決してそんなことはありません。

結論からいってしまうと、Googleはいまでも外部リンクのパワーを重要視していますし、自作自演の被リンクでも十分にSEO的な効果があります。

SEO対策というものを考えたときに、被リンクというものを無視することはできないのです。

ただし、昔ながらの古臭い被リンクのつけ方では、まったく通用しなくなっています。

ここでは、現在のSEO対策と被リンクに関して、詳しく解説してみたいと思います。

被リンクの効果がなくなったのでSEO業者が淘汰された?


ここ数年、自作自演による被リンク対策を主なサービスとしていたSEO業者が、どんどん消えて行っています。

こうした業者が淘汰されていった背景として、SEO対策として被リンクというものの効果がなくなったからだと主張する人がいます。

しかし、私はそうは思いません。

なぜなら、被リンクのパワーはいまだにGoogleが検索順位を決定するための、大きな要因の1つになっていると経験的に感じるからです。

それでは、なぜ被リンクサービスを提供していたSEO業者の多くは淘汰されてしまったのでしょうか?

質の低いサテライトサイトはインデックスすらされなくなった


理由は明白で、潰れるSEO業者というのは勉強不足でやり方が古いからです。

彼らが被リンク元として使用していたサテライトサイトは、誰がみても自作自演用のサイトだと分かるような稚拙なものでした。

1ページあたり300文字~400文字の中味の薄いコンテンツで、画像などはまったくなく、各ページから不自然に複数の発リンクがされていたりします。

最近のGoogleはこうしたコンテンツの質の低いサイトを、インデックスしなくなりました。

インデックスしないのですから、検索エンジン上にはそもそも存在しないページということになります。

存在しないページから、クライアントのサイトに何本リンクを送ってもまったく効果がないことになります。

POINT
●最近のGoogleはこうしたコンテンツの質の低いサイトを、インデックスしなくなった
●存在しないページから、クライアントのサイトに何本リンクを送ってもまったく効果がない

被リンクのあて方がアバウトなためGoogleにパターン検出される

また、不勉強なSEO業者の場合、複数のクライアントのサイトに対して同じサテライトサイトから同じパターンで単純にリンクをあててしまったりします。

つまり、クライアントAに対しても、クライアントBに対しても、まったく同一の複数のサテライトサイトから同じように発リンクをしてしまうのです。

Googleはロボットですから、そういった人為的なパターンを検出するのは容易です。

Googleのロジックはどんどん進化しているにもかかわらず、10年前と同じやり方でリンクを当て続けているわけですから、効果がなくなってしまうのは当然です。

そういった過去のやり方から脱却することのできない不勉強はSEO業者が淘汰されていってしまうのは、当然と言えば当然のことなのです。

POINT
●Googleはロボットですから、人為的なパターンを検出するのは容易
●過去のやり方から脱却することのできない不勉強はSEO業者が淘汰されていってしまう

サテライトサイトの質の向上とランダムな発リンク


自作自演の被リンクを提供しているSEO業者はいまも存在しています。

ただし、生き残っているSEO業者がすべて効果のある被リンクを提供しているかというと必ずしもそうではありません。

まったく効果がないにもかかわらず、いまだに古い手法で無知なクライアントからお金を巻き上げる悪質な業者もいますので、注意が必要です。

本当に効果のある被リンクを提供しているSEO業者は、サテライトサイトといっても、かなり手の込んだものを作成しています。

1ページあたりの文字数も3000文字程度入れ込み、画像なども複数枚使用して、パッと見た感じではサテライトサイトだとは気がつきません。

そうすることで、Googleのインデックスから弾かれることを回避しているわけです。

また、発リンクに関しても、クライアントごとにサテライトサイトをランダムに分けて、パターン検知に引っかからないような対策をしています。

サテライトサイトをランダムに選択するだけではなく、各サテライトの発リンクページも規則性を持たせないようにしているのです。

すべてのページから外部に発リンクしているのは不自然なので、まったく発リンクをしないダミーのページを織り交ぜたりして、サテライト感をなくしているわけです。

POINT
●古い手法で無知なクライアントからお金を巻き上げる悪質な業者もいる
●本当に効果のある被リンクを提供しているSEO業者は、かなり手の込んだものを作成

IP分散サーバーを使うのはSEO的にはむしろ危険?


また、サテライトサイトのIPアドレスを分散させる目的で使用されることの多いIP分散サーバーなども、優秀なSEO業者は使用しません。

IP分散サーバーというのは、目的がはっきりとしているレンタルサーバーになります。

つまり、サテライトサイト用にしか使い道のないサーバーなのです。

IP分散サーバー会社そのものの数はそれほど多くはありませんので、GoogleはそういったサーバーのIPアドレスをすべて把握している可能性があります。

IP分散サーバーを利用するということは、「このサイトはサテライトサイトですよ」とGoogleにわざわざ教えているようなものです。

いくらIPアドレスを分散することができても、そのIPアドレスを使っているサイトの目的がGoogleにばれてしまったのでは、本末転倒ということになってしまいます。

優秀なSEO業者は、IP分散サーバーなど使用せずに、国内のさまざまなレンタルサーバー会社と契約をして、あくまでも自然な形でのIP分散を行っています。

これだけのことをするわけですから、サテライトサイトといっても制作するためには大変な手間がかかることになります。

そうした手間のかかることができるSEO業者だけが、いまでも生き残っているわけです。

POINT
●IP分散サーバーというのは、目的がはっきりとしているレンタルサーバー
●国内のさまざまなレンタルサーバー会社と契約をして、あくまでも自然な形でのIP分散を行う

自作自演の被リンクを貼ると必ずサイトが圏外に飛ぶ?


「自作自演の被リンクを貼ると、必ずペナルティを受けて検索順位は圏外に飛ばされます」

そういったことをわがもの顔でいうSEOコンサルがときどきいます。

本当でしょうか?

もしそれが本当ならば、ツールを使ってライバルサイトに質の低いリンクを数百本もあててやれば、そのサイトは圏外に飛んでしまうに違いありません。

しかし、実際にはそういったことは起こません。

実際に、弊社でもツールを使ってテスト用のサイトで実験をしてみたことがありましたが、検索順位はまったく変わりませんでした。

つまり、検索順位は上りもせず下がりもしなかったのです。

かつてのGoogleはそういった被リンクの質を判断する能力が低かったこともあり、濡れ衣のスパムリンクを受けて罪のないサイトが飛ばされてしまうということが実際にありました。

しかし、いまのGoogleのロジックでは、よほどおかしなことをしない限りは、リンクが原因でサイトが自動的に圏外に飛ばされるということはなくなってきています。

そういったツールによる質の低いリンクに対しては、ペナルティをあたえるのではくスルーするようなシステムになっているのでしょう。

POINT
●「自作自演の被リンクを貼ると、必ずペナルティを受けて検索順位は圏外に飛ばされる」ことはない
●濡れ衣のスパムリンクを受けて罪のないサイトが飛ばされてしまうことはあった
●質の低いリンクに対しては、ペナルティをあたえるのではくスルーするようなシステムになっている

フラグの立ったサイトの被リンクを目視で確認


それならば、自作自演のリンクで絶対にペナルティを受けることはないのかというと、必ずしもそうとはいえません。

機械的にペナルティをあたえて罪のないサイトを濡れ衣で落としてしまわないために、目視によって確認をしたうえでペナルティをあたえることがあるからです。

これがいわゆる「手動ペナルティ」と呼ばれるものです。

ロボットであるシグナルをキャッチして、フラグが立ったサイトを実際に人間の目で見て、被リンクを精査するわけです。

そして、あきらかに不自然だという判断が下されると、サイトの順位を下げられることになります。

手動ペナルティを受けたかどうかは、サーチコンソールを確認すればすぐに分かりますが、順位の落ち方でもある程度推測することができます。

手動ペナルティの場合は、サイトが圏外に飛ばされるということはあまりなく、いままで1ページ目にいたサイトが4ページ目とか5ページ目に落ちるといったような、中途半端な落ち方をします。

しかも、難易度に関係なくどんなキーワードも一様に同じような落ち方になります。

つまり、ページタイトルをそのまま検索窓にいれても、4ページ目とか5ページ目まで下がります。

優秀なSEO業者が手間のかかるサテライトサイトを所有するようになった背景には、こうした目視による手動ペナルティ対策もあるわけです。

人間の目で見てサテライトだかメインサイトだか判断できなければ、Googleの中の人もそのサイトに対して容易にペナルティを科すわけにはいかないからです。

POINT
●目視によって確認をしたうえでペナルティをあたえる「手動ペナルティ」
●あきらかに不自然だという判断が下されると、サイトの順位を下げられる
●Googleの中の人もそのサイトに対して容易にペナルティを科すわけにはいかない

良質なコンテンツがあって初めて被リンクのパワーが生きる

しっかりと作り込まれたサテライトサイトからの自作自演のリンクは、いまでも効果があります。

しかし、それを行うためのハードルはかつてとはくらべものにならいほど高いといえます。

また、質のよいサテライトサイトからリンクをあてれば、どんなサイトでも検索順位がアップするとういうわけではありません。

なぜなら、ある程度コンテンツがしっかりと作り込まれたサイトでなければ、ただ被リンクだけをあてても簡単には上がらないからです。

この点が、6~7年前と現在とで大きく変わった点です。

訪問者の役にたつ質の高いコンテンツをアップしているのに、なかなか検索順位があがらないといったときに、被リンクの力を借りると順位がポンとあがったりするわけです。

ただ、皮肉なことに、本当に質の高いコンテンツを有するホームページというのは、自作自演のリンクを貼らなくても、他のサイトやブログから自発的にリンクを貼ってもらえることが少なくありません。

いわゆる、ナチュラルリンクというやつです。

難易度の高いキーワードで上位表示をしているサイトの被リンクを調べてみると、かなりの数のナチュラルリンクをもらっていたりします。

こういったことからも、自作自演であれナチュラルであれ、被リンクというものがSEOにおいてまだまだ重要であるということが分かります。

POINT
●質のよいサテライトサイトからリンクをあてれば、どんなサイトでも検索順位がアップするとういうわけではない
●ある程度コンテンツがしっかりと作り込まれたサイトでなければ、ただ被リンクだけをあてても簡単には上がらない
●被リンクというものがSEOにおいてまだまだ重要
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