WordPressで制作されたサイトを運営するにあたっては、レンタルサーバー選びがとても重要になります。
WordPressというのは特殊な仕組みで動くCMSですので、レンタルサーバー選びに失敗すると後で苦労をすることになります。
しかし、WordPressのためのサーバー選びといっても、何を基準にしたらいいのか分からない方も多いと思います。
ここでは、これからWordPressを運営する予定の方や、WordPressを別のサーバーに移転しようと考えている方に向けて、レンタルサーバーの選び方について解説をしています。
WordPressの簡単インストール機能のあるサーバーを選ぶ
かつては、WordPressをサーバーにインストールして、実際に使えるようにするためには、なかなか面倒な作業がともないました。
MySQLデータベースを作成し、WordPressプログラムをダウンロードして、FTP接続にてサーバー内に手動でプログラムを設置しなければならないため、初心者の方にはかなり難しい作業だったと思います。
しかし、最近のレンタルサーバーは、誰でもWordPressをインストールできるように、簡単インストール機能が備わっているものが多くなっています。
簡単インストール機能を利用すると、サーバーにFTP接続をする必要がなく、コントロールパネルからの簡単な操作のみでWordPressをインストールすることができます。
これからWordPressでホームページを作成しようと思っている方は、簡単インストール機能のあるレンタルサーバーを選ぶようにするといいでしょう。
簡単インストール機能を有する主なレンタルサーバーは以下の通りです。
●wpX Speed
●ロリポップ
●さくらインターネット
●ConoHa WING
●mixhost
●スターサーバー
WordPressのサーバー選びで重要な表示速度
WordPressというのは、アクセスがあるたびごとにデータベースから必要なデータを取得するシステムになっていますので、HTML形式のサイトとくらべるとサーバーに負担がかかります。
そのため、ある程度性能の良いサーバーを使わないと、動作が重くなってしまいます。
動作が重くなって表示速度が遅くなれば、訪問者の離脱率が高くなるだけではなく、SEO的に不利になって自然検索からのアクセス数が減ってしまう可能性があります。
実際にGoogleでは、ウェブサイトの表示速度が検索結果に影響を与えるということを公式にアナウンスしています。
参考:ページの読み込み速度をモバイル検索のランキング要素に使用します
WordPressの表示速度は、使用するテーマやプラグイン、画像のサイズや数などさまざまな要因で変わりますが、やはり一番影響を受けるのはレンタルサーバーの性能です。
WordPressを動かすための一番のベースとなるサーバーが重くては、その他の要因をいくら改善しても表示速度を速くすることは困難です。
ですから、WordPressをサクサクと動作させるためには、サーバー選びが重要ということになります。
それでは、WordPressの表示速度が速いレンタルサーバーにはどのようなものがあるでしょうか?
速度重視でWordPress用のレンタルサーバーを選ぶのであれば、『エックスサーバー』『wpX Speed』『ConoHa WING』あたりを選んでおけば問題ないといえます。
エックスサーバーの公式ページ
これらのサーバーには、超高速WordPress実行環境である「KUSANAGI」の技術が採用されており、国内最速クラスのレンタルサーバーといえます。
WordPressを自動でバックアップしてくれるサーバー
WordPressを実際に運用していると、さまざまなトラブルやエラーに遭遇したりします。
そのため、何かあったときのために、必ずバックアップを保存しておくというのがWordPress運用にあたっての鉄則といえます。
しかし、WordPressのバックアップというのは、データファイルだけではなくデータベースも保存しなくてはならないために、HTML形式のサイトのように単純には行きません。
そのため、バックアップ専用のプラグインをインストールしている人も多いと思います。
しかし、プラグインによりバックアップには問題があります。
エラーやトラブルが起こったときに、管理画面にログインできる状態であれば、プラグインを使ってデータを復旧することは可能ですが、管理画面にすらログインできない状態になってしまうと、お手上げになってしまいます。
どのようなトラブルが起こっても困らないようにするためには、手動でWordPressのデータを戻すことのできるバックアップファイルが必要になります。
ありがたいことに、最近はWordPressのデータを自動でバックアップをしてくれるレンタルサーバーが増えてきました。
万が一のときには、サーバー会社が保存しておいてくれたバックアップファイルからデータを戻せば、エラーが起こる前の状態にWordPressを復旧させることができます。
自分で小まめにバックアップを取れる人以外は、自動でバックアップをしてくれるレンタルサーバーを選ぶようにするといいでしょう。
自動バックアップ機能を利用できる主なレンタルサーバー会社は以下になります。
●wpX Speed:無料
●ロリポップ:一部有料
●さくらインターネット:無料
●ConoHa WING:無料
●mixhost:無料
●CORESERVER:無料
WordPressのサーバー移転に便利な動作確認URL機能
現在WordPressを設置しているサーバーに不満があって、別のサーバーに引っ越しをしたいと考えている人もいることでしょう。
そういった人に便利なのが、動作確認URL機能です。
WordPressとうのは、CMS本体だけではなく、テーマやプラグイン、PHPのバージョンなどさまざまな条件をクリアすることで正常に動作します。
そのため、WordPressを別のサーバーに移転したタイミングでエラーがでたり、表示がおかしくなったりすることがあります。
WordPressの引越しをしたときには、サーバー内のデータを移したあと、ネームサーバーを切り替える前に、新サーバー側でどのように表示されるのかを確認する必要があります。
通常は、自分のPCだけが新サーバーにアクセスできるように、PC内の「hosts」ファイルを編集して動作確認します。
しかし、動作確認URL機能のあるレンタルサーバーであれば、「hosts」ファイルをいじる必要がなく、新サーバー内のコントロールパネルからのURL設定によって、WordPressを表示させることができます。
ただし、確認できるのはあくまでも表示のみで、「hosts」ファイルを編集したときのように、管理画面にログインしてWordPressを操作することはできません。
動作確認URL機能のある主なレンタルサーバーは、以下の通りです。
●ConoHa WING
●スターサーバー
PHPのバージョンが最新のサーバーを選ぶ
WordPressを運用するにあたっては、サーバーのPHPバージョンというのはとても重要です。
WordPress本体やテーマ、プラグインは機能アップやセキュリティ対策のためにつねにバージョンアップを繰り返しています。
そのため、PHPバージョンが古いままのサーバーで運用をしていると、バージョンアップのタイミングでWordPressが動作しなくなってしまうことがあります。
関連記事:サーバーのPHPバージョンが古いとWordPressのバージョンアップができない?
この記事でここまでに紹介してきたレンタルサーバーであれば、基本的に最新のPHPに対応していますが、マイナーなレンタルサーバーの中には、PHPのバージョンアップを放置したままのものも存在します。
新規にWordPressを設定する際には、必ずレンタルサーバー会社の機能一覧ページを開いて、対応しているPHPバージョンを確認するようにしましょう。
また、現在WordPressを運用しているレンタルサーバーのPHPバージョンが古いままで放置されているようであれば、すぐに別のサーバーに移転をした方がいいでしょう。
そのままだと、WordPressが動作しなくなったり、マルウェアに侵入されたりする可能性がどんどん高くなってしまいます。
●サーバーのPHPバージョンはとても重要
●レンタルサーバーのPHPバージョンが古いままで放置されているようであれば、すぐに別のサーバーに移転をした方がいい