詐欺的なSEO業者に御用心!~何もしないで報酬を受取る「寝かせ」という手法

SEOの基礎知識

SEO業者といってもまさに玉石混交で、本当に実力のある業者もいれば、ほぼ素人レベルの業者もいます。

業者に実力がないだけならまだしも、なかには明らかにクライアントを騙して報酬を受け取ろうとする詐欺的なSEO業者もいます。

SEOというのは、どうしてもブラックボックス的な要素が大きいために、依頼をしたクライアント側も、自分が詐欺的な業者に騙されたということに気がつかないケースが非常に多いのです。

ここでは、詐欺的なSEO業者の古典的な手法の1つである「寝かせ」について書いてみたいと思います。

「寝かせ」で何もせずに月々の報酬を受取る悪質なSEO業者

かつて、被リンクを張ることで検索順位がどんどん上がっていた時代には、SEO業者の仕事といえばクライアントのサイトにリンクを当てることがメインでした。

そのため、SEO業者は自作自演リンク用のサイトを大量に作成し、契約したクライアントのサイトに、上位表示させたいアンカーテキストでリンクを当てていたのです。

しかし、SEOというのは面白いもので、自作自演のリンクを大量に当ててもなかなか上位表示しないサイトもあれば、何もしなくても勝手に上位表示してしまうサイトもあります。

その点に目をつけたのが、詐欺的なSEO業者たちです。

そういった詐欺的なSEO業者は、クライアントには「外部リンクをガンガン当てて上位表示させます」などと説明しておきながら、実際にはまったく何もしないのです。

完全に放置です。

まったく何もせずに、そのまま寝かせておくから、業界用語で「寝かせ」というのです。

それでも、契約をしたクライアントのサイトのいくつかは、勝手に上がってしまうことがあります。

何もせずに勝手に上がってしまったにも関わらず、業者はクライアントに対して「私たちの被リンクが効いたみたいで、しっかり上位表示しましたね」などと、もっともらしい説明をするのです。

そして、「リンクを外すと順位がさがってしまいますので、このまま契約を継続してくださいね」などと契約の長期継続を迫るわけです。

業者にしてみれば、何もしないで報酬だけが入ってくるわけですから、こんなにおいしい話はありません。

自作自演用のサイトを作成する必要がないわけですから、原価はほぼゼロです。

被リンクを貼ることを条件に報酬を得るわけですから、法的には債務の不履行ということになるでしょうし、最初からリンクを貼るつもりがなかったことを証明できれば詐欺罪が成立するかも知れません。

信じられないかもしれませんが、このような悪質なSEO業者が本当に存在するのです。

POINT
●自作自演のリンクを大量に当ててもなかなか上位表示しないサイトもあれば、何もしなくても勝手に上位表示してしまうサイトもある
●実際にはまったく何もしない、そのまま寝かせておく
●何もしないで報酬だけが入ってくる悪質なSEO業者が本当に存在する

守秘義務を理由にリンク元の開示を拒否

もともと被リンクをつけることで上位表示をさせることを約束しているわけですから、クライアントのなかにはリンク元を開示してほしいと要求する人もいます。

しかし、そういった要求に対しても「サイトを開示すると他のクライアントのサイトがわかってしまうので、守秘義務により開示できない」などと、もっともらしい言いわけをしたりします。

そもそも、リンク元など存在しないのですから、開示できるわけがないのです。

クライアントの方も、「とりあえず上位表示をしていれば問題ないか」ということでなんとなく納得してしまい、払う必要のない報酬を毎月SEO業者に支払い続けてしまうのです。

仮に「リンク元を開示してくれないのならば解約する」とクライアントが強く主張をしたとしても、悪徳SEO業者は平然と次のような回答をします。

「解約をしたらリンクを外しますので、順位が落ちてしまいますよ。それでもいいですか?」

何もしていないのに、こういったセリフでクライアントを脅すわけですから、盗人猛々しいとはこのことです。

POINT
●「サイトを開示すると他のクライアントのサイトがわかってしまうので、守秘義務により開示できない」言い訳
●リンク元など存在しないから、開示できない
●「解約をしたらリンクを外しますので、順位が落ちてしまいますよ。」脅し文句

上位表示しなければ素直に解約に応じるケースが多い

もちろん、まったく何もしないで寝かせておくわけですから、サイトによってはそのまま永久に上位表示しないこともあります。

とりあえず上位表示さえしていれば、クライアントも月々の報酬を支払ってくれますが、まったく順位が変わらなかったり逆に下がってしまったりしたときには、クレームを受けることになります。

こういった場合は、悪徳SEO業者はすなおに解約に応じることが多いようです。

実際に何もしていないわけですから、このままずっと上位表示する可能性は低いわけです。

時間ととともにクライアントの不満が爆発して裁判などに発展すると面倒なので、すなおに解約に応じてしまうわけです。

解約に応じたとしても、最初から何もしていなかったわけですから、損失を被ることもありません。

そして、何もしなくてもたまたま上位表示をしたサイトのオーナーからだけ、おいしい汁をずっと吸い続けるわけです。

POINT
●まったく順位が変わらなかったり逆に下がってしまったりしたときは、すなおに解約に応じることが多い
●何もしなくてもたまたま上位表示をしたサイトのオーナーからだけ、おいしい汁をずっと吸い続ける

SEOのプロのはずなのに営業電話をかけてくる?

何もしなくても、たまたま上位表示をしたクライアントからだけ報酬を受け取り、上位表示をしないクライアントにはすなおに解約に応じるというスタンスのため、大きなトラブルに発展することはめったにありません。

悪徳SEO業者にしてみれば、まさにノーリスクでハイリターンのかなりおいしいビジネスということになります。

そのため、かつてはこうした悪質なSEO業者が数多く存在し、多くの何も知らないクライアントが犠牲になってきました。

このような悪質SEO業者の多くは、電話営業でクライアント探しをします。

ホームページを持っている人であれば、SEO業者からの営業電話を何度か受けた経験があるかも知れません。

もちろん、営業電話をかけてくるSEO業者がすべて悪質な業者というわけではありません。

しかし、冷静に考えてみてください。

SEOのプロであるはずのSEO専門業者が、インターネットで集客をせずに電話で集客しているなんておかしいと思いませんか?

電話で営業をしているSEO業者に、インターネットでの集客を強化しましょうといわれても、まったく説得力はありませんよね。

もし、あなたの会社にSEO業者から勧誘の電話がかかってきたら、次のような質問をしてみてください。

「おたくはSEOの業者なのに、なんで電話で集客をしているんですか?」

くれぐれも、あやしいSEO業者には気をつけたいものですね。

POINT
●悪徳SEO業者にしてみれば、ノーリスクでハイリターンのかなりおいしいビジネス
●悪質SEO業者の多くは、電話営業でクライアント探しをする
●SEOのプロであるはずのSEO専門業者が、インターネットで集客をせずに電話で集客はおかしい
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