年間に10万km以上走る長距離トラックの寿命は?~100万kmでも問題なく走ります

道路を走る白いトラック一般の乗用車の場合は、走行距離10万kmが一つの目安とされ、それ以上走行距離が伸びているクルマは査定額が一気に下がるといわれています。

ところが、大型の長距離トラックなどは1年間に10万Km以上走るのは当たり前です。

乗用車と同じ基準で考えたら、1年で車としての価値がなくなってしまうことになります。

しかし、実際には数十万Km走ったトラックでも、大幅な査定のマイナスもなく問題なく買取をしてもらうことが出来るようです。

トラックの走行距離や寿命と査定の基準に関しては、一般のクルマとは大きく異なるようです。

100万Kmを走る長距離トラックも実際にあります

ネット上の情報などを見てみますと、9年落ちで100万km近く走った4tトラックがいまでも問題なく走っている事例などが紹介されています。

過去のクラッチの修理2回とミッションの修理を1回した程度で、あとはほぼノントラブルで走り続けているようです。

どうやら私たちが想像する以上に、トラックの耐久性は高そうです。

10万Kmや20万Kmで壊れてはビジネスが成り立たない

もし、長距離トラックが走行距離10万Kmや20万Km程度で寿命を迎えるとしたら、そもそも運送業者はビジネスが成り立たなくなることでしょう。

年間に10万Km以上走る長距離トラックを、1年や2年ごとに買い替えるなどと言うのは現実的ではないからです。

多くの運送会社は、5年で50万Km程度はまったく問題ないと考えているようです。

逆にいうと、最低でも5年は持ってくれないと会社に利益がほとんど残らないということになるのだと思います。

しっかりとメンテナンスをすれば、100万Km以上の走行も可能だからこそ、運送会社はビジネスが成り立っているともいえます。

実際に、トラックのメーターが100万kmに変わる瞬間を経験したドライバーさんの記事が以下になります。

参考:走行距離100万Kmを超えたトラックがどうなるか知ってる?

長距離を走るトラックの寿命が長い理由

それでは、なぜ長距離トラックはこれほどの走行距離を走っても壊れることがないのでしょうか?

理由はいろいろあると思いますが、寿命が長いポイントは日常的に長距離を走るという点にあると思います。

車に一番負荷がかかるのは、発進したり止まったりするときです。

これは自転車で考えてみれば分かりやすいと思います。

最初のスタートのときはとてもペダルが重く感じますが、ある程度のスピードになってしまえば、それほどペダルに力を入れなくてもスムーズに自転車は走ってくれます。

車も、走ったり止まったりをすることで負荷がかかり、それが徐々に劣化につながっていくと考えられます。

長距離トラックというのは、高速道路などを走行する機会も多いので、一般のクルマにくらべると止まったり発進したりすることは相対的に少ないと考えられます。

そのため、長い距離を走ってはいても、それほど負荷のかからない状態で走っているために、寿命が長くなると考えていいのではないかと思います。

また、トラックに積まれているエンジンが、ディーゼルエンジンであるということも関係しているかも知れません。

ガソリンエンジンが毎分6000回転ほどでパワーのピークを迎えるのに対して、ディーゼルエンジンは毎分4000回転ほどでパワーピークを迎えます。

つまり、ディーゼルエンジンの場合にはガソリンエンジンほど回転を上げなくても十分にパワーを得ることが出来るわけです。

つねに高回転で使っているエンジンと低回転で使っているエンジンとを比較した場合、どちらの寿命が長くなるのかは考えるまでもないでしょう。

このように、長距離トラックが一般の乗用車では考えられないほどの走行距離を走ることが出来るのは、それなりの理由があるわけです。

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走行距離に応じて用途を変える運送会社も

走行する2台のトラック運送会社にとってトラックは商売道具となりますので、そう簡単に壊れてしまっては困ります。

そのためトラックを新車で購入したあと、走行距離に応じて用途を使い分けているところも多いようです。

新車で購入してすぐのトラックは、主に東京~大阪間のような長距離用として使います。

長距離を走るトラックに故障があったのでは困るので、なるべく壊れにくい新車を使うわけです。

そのような使い方をして、3年ほどしたところで東京~名古屋のような中距離用として使用します。

新車から3年とはいえ、このときすでに数十万Km走っていますので、故障するリスクを考えてより近い中距離用として用途を変更するわけです。

そして、走行距離がおおよそ50万Kmを超えたあたりから、東京から関東近辺などの近場用として使われるようになります。

最終的に、走行距離が70万Kmから80万Kmを超えたあたりで、整備をして乗り続けた方がいいのか廃車にした方がいいのかを検討するようです。

大手の運送業者では、このようにトラックの走行距離に応じて用途を変更して、故障のリスクに対応した使い方をしているわけです。

数十万Km走ったトラックでも売れるのか?

購入したトラックを乗りつぶす前提で、メンテナンス費用とのかねあいで乗り続ければ、100万Kmオーバーまで乗ることも可能であるといえます。

しかし、何らかの事情でトラックを売ることになったり、新しいトラックに乗り換えようと思ったときに、走行距離が伸びていてもきちんと査定額が提示されて買取りをしてもらうことは可能なのでしょうか?

トラックの買取りに強いといわれる「トラック王国」のホームページでトラックの買取条件を見てみますと、100万Kmオーバーの大型ダンプや大型ウイングも買取り可能と書かれています。

実際に、平成19年式の30万Kmを走った大型ダンプが750万円で買取りされたり、平成13年式で57万Kmを走った大型ウイング車が395万円で買取りされたりしているようです。

これらの実績を見る限りにおいては、常識式的に考えてかなり走行距離が伸びていると思われるようなトラックでも、十分に高額な金額で買取りをしてもらうことが可能なようです。

トラック王国の公式サイト:https://www.55truck.com

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