免停期間を短縮するための講習で実際にやらされること~缶拾い・カーブミラー磨きなど

道路沿いの缶拾い交通違反で検挙されて免停処分になってしまっても、講習を受けることで免停の期間が大幅に短縮されるということは多くの人がご存知のことでしょう。

しかし、実際に免停を経験した人以外には、どのような講習を受けるのかまでは分からないと思います。

免停の講習には「実車指導」と「社会参加活動」の2つのコースがあるのですが、ユニークなのが「社会参加活動」コースです。

缶拾いやカーブミラーを磨いたりする作業をすることによって、免停の期間を大幅に短縮してもらうことができるのです。

また、交通違反による累積点数が、どれくらいになったら免停になるのかといったことも、意外に知らないドライバーが多いようです。

前歴があると、たった2点の軽微な違反でも免停になることがあるのです。

ここでは、免停になる累積点数や講習の内容などについて、具体的に紹介してみたいと思います。

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前歴ありとなしで大きく違う免停になる違反点数

交通違反による累積点数が6点以上になると免停になるということは、ドライバーであればほとんどの人が知っていることでしょう。

しかし、前歴がある場合には、たった2点の軽微な違反でも免停になることがあるということを知っている人は少ないに違いありません。

累積点数が6点~8点で免停になるのは、あくまでも前歴なしの場合であって、前歴がある人の場合はより少ない点数で、より厳しい期間の免停になるのです。

たとえば、前歴なしの人が60日間の免停になるのは、違反の累積点数が9点~11点のときです。

ところが、前歴が1回ある人の場合、4点~5点の交通違反をした場合に60日間の免停ということになります。

さらに前歴が2回ある人の場合は、わずか2点の軽微な交通違反で90日間の免停になってしまうのです。

免停期間が終了した時点で、累積点数は0点にリセットになりますが、だからといって調子に乗って何度も悪質な違反を繰り返すドライバーに対しては、厳罰で挑むという姿勢を明確にしているわけです。

ちなみに、前歴というのは、最後の免停期間が終了した日からカウントして1年でリセットになります。

つまり、免停期間が終了してから1年間は慎重な運転を心がけなければいけないことになります。

前歴が増えると免許取り消しにどんどん近づきます

何度も免停処分を繰り返し、前歴が加算されていくと、免許取り消しに確実に近づいていくことになります。

前歴なしの人が免許取り消しになるのは、累積点数が15点以上になった場合です。

ところが、前歴1回の人は累積点数が10点以上で免許取り消しになってしまいます。

さらに前歴2回の人は5点以上、3回の人は4点以上で免許がなくなります。

そして、前歴4回になると、違反点数3点の軽微な違反を犯しただけで、免許が取り消しなってしまいます。

免停になっても、免停期間が終了した時点で累積点数が0点にリセットになるからと安易に考えて、自分の行動をあらためないと、あっと言う間に免許証がなくなってしまうことになります。

講習を受けることで短縮できる免停期間

講習を受ける様子免停になってしまっても、講習を受けることで期間が大幅に短縮になるということはご存知の通りです。

それでは、実際にどれくらいの期間短縮になるのでしょうか?

実は、講習が終わったあとに受けるテストの成績によって実際の停止期間が決まります。

30日の免停の場合、テストの成績が「優」だと29日、「良」だと25日、「可」だと20日短縮になります。

つまり、テストの成績が「優」の人は、30日の免停が1日に短縮されるわけです。

これが60日の免停となりますと、テストの成績が「優」の場合で30日、「良」の場合で「27日」、「可」の場合で24日間の短縮になります。

60日間の免停の場合には、たとえテストの成績が「優」であっても、30日間までしか停止期間が短縮にならないことになります。

ちなみに、「優・良・可」の判断基準ですが、テストの正解率85%以上で「優」、70%以上で「良」、50%以上で「可」となっています。

講習の時間に居眠りなどをしていると、講習期間が長くなってしまうことになります。

免停の講習はどのように進められるのか?

免停講習は、30日間の免停の場合には、短期講習と呼ばれるものを受講することになります。

短期講習は6時間のスケジュールで、1日で終了します。

60日の免停になりますと中期講習ということになり、2日間にわたって合計10時間の講習が行われます。

さらに90日以上の免停の場合は長期講習ということになり、2日間で合計12時間の講習が行われます。

講習の内容は、教本を使った座学と、「実車指導」あるいは「社会参加活動」に分けられます。

座学では、安全運転についての基礎知識、交通事故被害者や加害者の悲惨な状況などについて学ぶことになります。

最後に行われるテストは、この座学で学んだことから出題されますので、真剣に受講する必要があります。

講義中に「ここが重要です」とテストに出そうな部分を示唆してくれたりしますので、普通に来ていれば「優」の成績を取れるはずです。

座学のあとは、「実車指導」と「社会参加活動」のどちらかを行うことになります。

実車指導は、指示されたコースを実際にクルマに乗って走行します。

短期講習だと走行時間は10分程度、中期講習で30分程度、長期講習で40分程度となっています。

この運転実習そのものが、免停期間の日数短縮に影響することはありません。

日数の短縮に影響するのは、あくまでも座学のあとに行われるテストの成績ということになります。

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社会参加活動を選択すると実車指導免除で手数料も安くなります

免停の講習では座学は必須となりますが、「実車指導」と「社会参加活動」は選択になります。

社会参加活動というのは要するにボランティアのことです。

ボランティアを行った人は、実車指導を受けなくて済むだけではなく、講習の費用も安くなるというメリットがあります。

座学が終わったあとに、そのまま社会参加活動を行うこともありますが、都道府県によっては「事前体験コース」というものを選択できることがあります。

「事前体験コース」というのは、事前にボランティア活動を行ったあと、講習当日は座学だけを受講するというものです。

社会参加活動を選択して実際に行われるボランティアとは?

横断歩道で旗を持つそれでは、社会参加活動を選択した場合、実際にどのようなボランティア活動が行われるのでしょうか?

実際に行われる活動は地域によってさまざまで、旗を持って歩行者の安全通行のための誘導を行ったり、交通安全の呼びかけや交通安全チラシを配ったりすることが多いようです。

また、交通安全のチラシやポスターなどを作成したり、路上の空き缶拾いなどを行ったりすることも多いようです。

ユニークなのは、脚立に乗ってカーブミラーや道路標識の清掃を行う作業です。

たとえ講習料金が安いとはいっても、公衆の面前でこういった作業をするのはちょっと抵抗がある人もいるでしょう。

そのため、一部の口の悪い人の間では「恥さらし活動」などと呼ばれていたりします。

また、純粋にボランティアと呼べるような活動が行われることもあるようです。

たとえば、交通遺児への募金の呼びかけをしたり、千羽鶴を折って遺児に寄贈したりといった活動です。

老人ホームに出向いて、清掃の補助作業などを行うこともあるようです。

ただ、社会参加活動を選択する人の多くは、単純に講習料金が安いからという理由で選択しているようなので、純粋なボランティアというよりも、時間給労働に近いイメージなのかも知れません。

社会参加活動を選択すると、講習料金が4,000円ほど安くなりますから、3時間の社会参加活動をすることで、時給1,300円以上の労働をしたのと同じことになるわけです。

文・山沢 達也

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