交通違反に納得ができないなら青切符のサインを拒否すれば99.9%不起訴になる?~スピード違反も一時停止違反も納得いかない!

2人の警察官と女性の人形日頃から安全運転を心がけてはいても、一生のうちに何度かは運悪く交通違反で摘発されてしまうこともあるでしょう。

そんなとき、明らかに自分が交通ルールに違反をしていたと自覚している場合は仕方がありませんが、どう考えても納得ができないというケースもあるに違いありません。

たとえば、確実に交差点の手前で停止をしたにもかかわらず、一時停止違反でキップを切られてしまったとか、それほど速度は出していなかったはずなのに、スピード違反で検挙されてしまったというようなケースです。

自分は絶対に違反などしたつもりはないのに、冤罪で摘発されてしまうということは実際にあります。

ネズミ捕りで使用する速度取り締まり装置の設定ミスにより、実際のスピードよりも速く測定してしまい、滋賀県警が64人を誤摘発してしまったという事例が過去に起きています。

参考:滋賀県警が速度取り締まり装置の操作ミスで64人を誤摘発

また、警察官がシートベルト着用義務違反の切符を40回以上にわたり捏造していたことが発覚したこともあります。

今回は、交通違反で摘発されたときにどうしても納得できない場合は、どうしたらいいのかについて書いてみたいと思います。

実際に、青キップに納得できずにサインを拒否した人の、99.9%は不起訴になっているという事実がありますので、その辺のところを詳細に解説してみたいと思います。

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設置する角度によって誤差が大きくなるネズミ捕りの装置

先に、滋賀県警が速度取り締まり装置の操作ミスで64人を誤摘発したという記事を紹介させていただきましたが、こういったことは過去に何度も起きています。

栃木県の宇都宮署が2011年7月から2012年5月にかけて、ネズミ捕りによって速度違反として取り締まった4,200件のほとんどが、測定された速度よりも実際の速度の方が遅かったという事実が発覚したこともあります。

レーダー式速度測定装置の設置方法を間違えていたことにより、そういったことが起きてしまったのです。

本来であれば、レーダーの投射角度を27度にすべきなのに、0~10度に設定して測定しまったといいます。

その結果、実際の速度よりも最高で8%速いスピードが記録されてしまったようです。

つまり、測定をする警察官の無知や勉強不足によって、冤罪をつくることになってしまったわけです。

参考:栃木県警が速度違反取り締まりでミス~日本経済新聞

スピード違反の取り締まりでは、15km/h未満の速度違反で摘発されることはほとんどありませんが、それはこういった測定のミスや装置の誤差などを考慮にいれて、あえてそのような対応になっているのだと思われます。

いずれにしても、取り締まる側も人間ですから、こういったミスは起こり得るものだということを、われわれドライバーは頭に入れておく必要があります。

納得が行かなければ、違反切符には決してサインはしないことです。

警察官がシートベルト着用義務違反を40件以上もでっち上げ

北海道道警の地域課巡査長が40回以上も交通違反切符を捏造したとして、逮捕されたという事件が過去にありました。

これは、違反点数のみで反則金が発生しないシートベルト着用義務違反をねらって行われた警察官による犯罪です。

参考:交通違反切符をねつ造容疑で巡査を逮捕

過去2年間にわたって無事故無違反だった場合は、シートベルト着用義務違反で捕まっても3ヶ月後に違反点数が戻る点を悪用したわけです。

反則金が発生しないことと、3ヶ月後に違反点数がもどることから、本人に気づかれにくいと思ってこのようなことをしてしまったのでしょう。

自分の運転免許証がどういう状態なのかを知るためには、自動車安全運転センターに行って「累積点数等証明書」を発行してもらわないと分かりませんが、なかなかそこまでする人はいません。

たまたまこの件は、3ヶ月以内に同じ人に対して2度もシートベルト着用義務違反で青キップを捏造してしまい、その人のところに「違反講習通知書」が届いたことから事件が発覚しました。

なんともマヌケな警察官ですが、交通違反取り締まりのノルマに追われてしまうと、こうした犯罪行為に手を染めてしまう警察官も実際にいるわけです。

警察官による濡れ衣に対して有効なドライブレコーダー

ドライブレコーダーイラスト交通違反は、スピード違反や酒気帯び運転のようにデータ的な証拠の提示がなくても摘発することができるものがほとんどです。

「一時停止違反」にしても「信号無視」にしても、本人は違反をした覚えはまったくなくても、取り締まる側の警察官が「間違いなく違反をした」と主張をすれば、違反切符を切ることができるわけです。

「サインをすれば反則金を納めるだけで済みますが、拒否をすると裁判になりますよ」などと脅されて、納得が行かないままサインをしてしまう人も多いようです。

先ほど紹介したシートベルト着用義務違反を捏造した警察官のように、ノルマに追われた警察官が、強引に違反だと主張して無実の人にまでサインをさせてしまう可能性が絶対にないとはいえません。

そんな濡れ衣を着せられないためには、自己防衛をするしかありません。

一番有効だと思われるのはドライブレコーダーです。

ドライブレコーダーの画像が裁判で証拠として採用されるかどうかは裁判官の判断によります。

しかし、取り締まりをした目の前にいる警察官に対して、自分が違反をしていないことを主張するには十分すぎる効果があるでしょう。

実際に、警察官にその場でドライブレコーダーの画像を見せて自分が違反をしていないことを主張すると、違反切符を切られるのを免れたという人は少なからずいます。

ドライブレコーダーは、交通事故など証拠画像を残す目的で設置する人がほとんどだと思いますが、実はノルマに追われた警察官による冤罪から身を守るためにも十分に役にたつのです。

ドライブレコーダーが普及してきたことで、ノルマに追われた警察官にとっては取り締まりがやりにくい時代になってしまいましたが、そもそも自分が違反をしていないのであれば罰則を受ける必要はまったくないわけです。

交通違反のでっち上げは絶対にあってはならないことです。

参考記事:自分の身を守るためにドライブレコーダーは必ず設置すべし

交通違反の取締りに納得できないときは絶対にサインしない

サインする手とバツ印交通違反で摘発されても、納得ができない場合には、絶対にその場でサインをしないことです。

たとえ自分が違反をしていないと確信を持っていたとしても、サインをしてしまうと違反を認めてしまうことになるからです。

サインをしてしまったあとでは、いくら自分が違反をしていないと主張をしたとしても、もはやどうにもなりません。

もちろん、違反切符にサインをしなかったからといって、その場で逮捕されるようなことは絶対にないので安心してください。

そもそも反則金の支払いは任意ですから、払っても払わなくてもどちらでもいいわけです。

もともと交通違反には罰金や懲役刑しかありませんでしたが、車の普及とともに違反件数が多くなってしまったことにより、裁判所での手続きが追い付かなくなってしまったのです。

そのため、1968年から軽微な交通違反に限り、裁判をせずに「反則金」を支払わせるという簡易的な方法がとられるようになりました。

そのため、反則金を払うかどうかは裁判所の命令ではないので、あくまでも任意ということになります。

つまり、「この場で違反を認めて任意の反則金を支払ってくれれば、裁判は省略してすべての手続きはここで完了します。だけど、サインを拒否して任意の反則金を払ってくれないのならば裁判することになりますよ」ということなのです。

もし、そのままサインを拒み続けると、実際に裁判の流れになってしまう可能性もありますが、何も違反をしていないという自信があるのであれば、それは望むところです。

サインを拒否すると、「サインをしないのなら裁判になりますよ」などと脅すようにいう警察官がいますが、そんな言葉に惑わされてはいけません。

一般の人は、日常的に「裁判」などという言葉を耳にすることはありませんので、警察官の口からそんな言葉が出てくると恐ろしくなってしまうかも知れません。

しかし、「裁判」という言葉に惑わされてはいけません。

そもそも、裁判にするかどうかは検察官が決めることであって、現場の警察官の判断で裁判にすることなど絶対にできません。

「裁判になりますよ」という警察官の言葉は、なんとかサインをさせたいがための方便ということになります。

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サイン拒否で裁判になる可能性は非常に低く不起訴率は99.9%です

青キップへのサインを拒否すると、そのあと反則金を支払うよう促す納付書が送られてきます。

それをそのまま無視していると、何度か納付書が送られてきたあと、検察への出頭命令がきます。

検察への出頭命令などと言うと、それだけでビビッてしまう人もいるかも知れません。

しかし、不安になる必要はまったくありません。

自分が絶対に違反をしていないという確信があるのであれば、堂々と出頭すればいいのです。

ただし、間違っても出頭命令だけは無視しないようにしてください。

これに出頭しないと、まれに逮捕されることがあるからです。

検察に出向くと、「反則金を支払わないというのは、なにが不服なんですか?」などと、いろいろ事情を聞かれることになります。

もちろん、自分が違反をしていないという自信があれば、その姿勢を貫くことが大切です。

最後に「裁判になる場合は検察か家庭裁判所から通知がいきます」といったようなことを言われます。

こんなことを言われてしまうと、いつ裁判の呼び出しがかかるのかハラハラドキドキの毎日を送ることになりそうですが、実際にはそういった通知がくることはほとんどありません。

つまり、ほとんどはそのまま音沙汰なしになってしまうのです。

検察が発表した2016年の統計表で「検察庁別 道路交通法等違反被疑事件の受理,既済及び未済の人員」を確認すると、青キップへのサインを拒否して起訴になったのはわずか70件で、不起訴となったのが111,743件となっています。

参考:検察庁別 道路交通法等違反被疑事件の受理,既済及び未済の人員

つまり、青キップのサインを拒否して、検察に出頭して事情を聞かれたあとに、正式な裁判になった人は0.1%もないのです。

99.9%は不起訴になってしまうわけです。

もともと青キップというのは軽微な違反が対象ですから、その程度の違反のためにわざわざ裁判をするのも面倒だと考えるのかも知れません。

あるいは「検察に呼び出されたことで少しは反省しただろうから、今回は勘弁してやろう」と判断するのかも知れません。

そういったことを考えてみますと、実際に起訴される0.1%の人たちというのは、よほど態度が悪くて検察官の心証が悪かったということになります。

あるいは、違反切符へのサイン拒否を何度も繰り返しているような人が、悪質で反省の色がまったくみられないとの判断から起訴されてしまうのかも知れません。

こういったケースにさえ該当しなければ、青キップのサインを拒否しても起訴されることはまずないと考えていいでしょう。

不起訴になっても違反点数はなぜか免除になりません

違反キップへのサインを拒否して検察に出頭することになったとしても、実際に裁判が開かれることはまずありません。

つまり、サインを拒否することによって、最終的に反則金の支払いはほぼ免除されることになります。

ところが、交通違反をしたときの罰則というのは、罰金や反則金だけではありません。

違反点数というものが科せられるということは、ドライバーであれば知らない人はいないでしょう。

実は、この違反点数と罰金や反則金の取り扱い関しては、管轄がことなるのです

ややこしいのですが、罰金や反則金というのはあくまでも刑事処分に該当するものであり、違反点数は行政処分に該当することになります。

そのため、たとえ刑事処分が不起訴になったとしても、行政処分である違反点数はしっかりと科せられることになるのです。

もし、このことに納得ができないのであれば公安委員会に不服申し立てをすることができます。

しかし、仮に不服申し立てをしたとしても、ほぼ100%却下されてしまうというのが現実のようです。

刑事処分的には「不起訴」という無罪扱いを受けておきながら、その一方で行政処分的には有罪扱いになるという、なんとも納得しがたい理不尽な世界がここにはあるのです。

そのため、たとえ誤認であろうと何であろうと交通違反で警察官に検挙されてしまったら、その時点で、違反点数に関してはほぼ確定してしまうのです。

検察に出頭するのが面倒という理由でサインをしてしまうのは得策か?

これまでの説明により、一時停止違反などで警察官に摘発されたとしても、サイン拒否をすれば、最終的に反則金は納めなくて済む可能性が高いということは理解できたかと思います。

しかし、先にも書きましたように、検察からの呼び出しには必ず出頭しなければなりませんので、ある程度の時間的な拘束は避けられません。

人によっては、仕事を休んで出頭しなければならなくなるでしょう。

日給で仕事をしている人などは、わざわざ仕事を休んでまで検察に出頭しなければならないのならば、むしろ青キップにサインをして反則金を払ってしまった方が得に思えるかも知れません。

たとえば、一時停止違反の反則金は普通車の場合で7千円です。

もし日給8千円以上の仕事を休んで検察に出頭するということになると、キップにサインをして反則金を納めた方が安上がりということになります。

しかし、お金の問題などどうでもよく、「俺が本当に違反をしたのかどうか、裁判で白黒をはっきりさせたいのだ」という鼻息の荒い人もいるでしょう。

絶対に自分が違反をしていないと確信を持っているのであれば、そんなふうに思うのも当然です。

やってもいない違反を認めてサインをさせられるというのは、本当に屈辱的だからです。

しかし、せっかく鼻息が荒いところに水を差すようで恐縮ですが、先ほども書きました通り、実際に裁判が開かれることは99.9%ないのです。

反則金は払わなくて済みますが、あなたが本当に違反をしたのかしていないのかという肝心な部分に関しては、残念ながら不起訴という形でうやむやなままに終わってしまうのです。

しかも、公安委員会では「疑わしくても罰する」の精神で、たとえ不起訴になったとしても、しっかりと違反点数はマイナスされてしまうのです。

いやはやなんとも、世の中は本当に理不尽ですね。

文・山沢 達也

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