あなたが自分の車を売ることになった場合、新車ディーラーに下取りに出すにしろ買取り店に売却するにしろ、営業マンと交渉することになります。
しかし、新車ディーラーの営業マンと買取り店の営業マンでは、まったく別の職種といってもいいでしょう。
車を売る予定のあなた自身が、どのような価値観を持っているかで彼らとの接し方が異なってきます。
車の売る人の価値観で違ってくる彼らとの接し方
世の中には、ずっと同じメーカーの新車をモデルチェンジのたび繰り返し買い替えを続ける人がいます。
そのような人は、いままで乗っていた車はそのまま下取り車としてディーラーに譲り渡すことになります。
仮にそれが相場よりもかなり安い金額であっても、あまり気にしないようです。
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人柄を売るのが新車ディーラーの営業マン?
1つのディーラーや1人の営業マンとの付き合いが長くなれば、お互いに信頼関係が生まれてきます。
車に関することを気軽になんでも相談できたり、ときどき自宅を訪問してくれて車の調子などを確認してくれたりもします。
そういったことに価値観を感じている人にとっては、下取りのときの評価額が多少相場よりも低かったとしてあまり気にならないのだと思います。
お互い同士がお世話になっているという意識で付き合っていれば、そこに不満は生じないからです。
買取り店より安くても下取りに出す人たち
もちろん、そういった人たちの多くは、自分の車の下取り相場が仮に世間の相場より安かったとしても気がつかないのだと思いますし、調べようともしないのだと思います。
仮に、買取り店に出した方が有利になることがわかったとしても、それを承知であえてディーラーとのお付き合いを重視してそのまま下取に出すに違いありません。
つまり、車もさることながら、お店やその営業マンに魅力を感じているのであれば、そういったものの考え方もありだと思います。
たとえば、何か食べ物屋さんの常連になるケースを考えてみます。
味がほぼ同じだったとして、すごく値段は安いんだけど不愛想で不機嫌なおやじがいる店と、値段は多少高めだが、気さくで話しやすいマスターのいるお店のどちらの常連になるかということです。
おやじが不愛想だろうが何だろうが安い料金で飯が食えればいいという人もいるでしょうし、いくら安くてもそんな店には二度と行きたくないという人もいるはずです。
二度と会うことのない買取り店の営業マン
新車ディーラーの営業マンと違って、買取り店の営業マンとは基本一度だけの付き合いとなります。
つまり、食べ物屋さんでいえば、旅先で訪問する店の店員のようなものです。
一度きりということであれば、店員の人柄などよりも味や値段が最優先となるでしょう。
車を売るたびに、毎回同じ買取り店に持ち込むという人は少ないと思います。
大抵は、いくつもの店を回って一番高い評価をしてくれたところに売却をすることになるはずです。
つまり、次の車を売るときには別の店と契約することになる可能性が高いということになります。
また、買取り店の営業マンもそういった点は十分に承知していますから、いま目の前にある車を買い取ることだけにフォーカスしてきます。
もちろん、今後の付き合いなどを考えて行動することはないはずです。
新車ディーラーの営業マンとは異なり、口八丁手八丁の攻勢をかけてくるはずです。
また、売る側にしてみればもう二度と会わないかも知れない買取り店の営業マンの人柄などはどうでもいい話で、とにかく自分の車が高く売れさえすればいいと考えているわけです。
こうして、車買取店の営業マンと買取り店に持ち込む人の価値観はほぼ一致するわけです。
参考記事:中古車買取り専門店の営業マンのセールストークがすごすぎる!
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ディーラー営業マンと買取り店営業マンが持つノルマ
新車ディーラーの営業マンも買取り店の営業マンにも、それぞれノルマというものがあります。
ノルマというものがある以上、少しでも実績を上げたいと思うのは当然です。
しかし、そのノルマを達成させるための手法が、両者ではまったく異なります。
自分の人柄やアフターサービスによって、自分そのものやお店を気に入ってもらい何度もリピート受注につなげるという考えが新車ディーラーの営業マンにはあります。
目先のお客に車を売るだけではなく、その後もその人のカーライフが続く限り何度も買ってもらおうという戦略で接するわけです。
そういった数年先を見据えた接し方をすることで、たんに車の値引き額や下取り額に左右されないような人間関係を築いていくわけです。
それに対して、買取り店の営業マンがノルマを達成するためには、実際の買取り価格や強引さといった部分が重要になってきます。
意外に知られていませんが大手の買取り店の場合、営業マンにはその車の買取り価格を決定する権限がありません。
多くの場合、現地で査定したデータをもとに本社が買取り額を提示してくるわけです。
営業マンにしてみれば、なんとかその金額で相手を納得させなければノルマが達成できませんので、多少強引になる部分が出てくるのも仕方のないところではあります。
文・山沢 達也
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