新車の購入を検討している人は、ディーラーに行って試乗車に乗らせてもらうことがあると思います。
車は他の商品と違って、カタログのスペックを見くらべただけでは、善し悪しを判断することは難しいものです。
そのため、実際に試乗車に乗らせてもらうことによって、そのフィーリングを実感することができるわけです。
そして、実際に試乗車に乗ったあとに「この試乗車は売ってくれないのだろうか?」という素朴な疑問を抱いた経験がある人も少なくないでしょう。
実際に、ディーラーの試乗車を売ってもらう方法はあるのでしょうか?
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思ったより多い試乗車落ち中古車のメリット
試乗車を中古車として購入する場合、他の一般的な中古車を購入する場合にくらべて、さまざまなお得になる点があります。
多くの人が試乗車を購入したがるのも、そういったメリットがたくさんあるからです。
・なんといっても試乗車落ちは高年式です
中古車は、新型が登場してからの年数が浅いほど価値が高くなります。
試乗車は、現在売られている最新の車に対応している必要がありますので、モデルチェンジが行われるタイミングで、売りに出されることになります。
どのメーカーも、新型が出てから4年~7年ほどでフルモデルチェンジが行われることが多いですが、細部を変更しただけのマイナーチェンジは2年~3年のスパンで行われるのが一般的です。
マイナーチェンジが行われると、これまでの試乗車は旧モデルということになってしまいますので、最新型の試乗車としては使えなくなってしまうわけです。
つまり、試乗車というのは、新型がでてから2年~3年のタイミングで市場にでてくるわけですから、中古車としては非常に価値が高いわけです。
・走行距離が少ないことが多い
試乗車落ちのクルマが高年式の中古車であるといっても、過走行であったりしては意味がありません。
レンタカー落ちのクルマなども2年程度しか乗られていないものが多いのですが、年式の割には走行距離がのびているのが普通なため、それほどお得感はありません。
参考記事:レンタカー落ちの中古車を購入するのはお得なのでしょうか?
しかし、レンタカーの場合は借りた人が比較的長距離を走ることが多いのにくらべて、試乗車の場合はお店の周りの近距離しか走らないのが一般的です。
そのため、試乗車落ちの中古車は、2年以上乗った車にもかかわらず、1万km程度しか走行していないものも多いようです。
・試乗車はメンテナンスが行き届いている
試乗車はメーカーの販売窓口であるディーラーが所有している車ですから、基本的にメンテナンスはしっかりとされています。
そもそも試乗車というものは、自分たちが売りたいと思っている新車をアピールするためのデモカーです。
そのデモカーの調子が悪いとなれば、誰も新車を購入してくれなくなってしまうことでしょう。
そのため、しっかりとメンテナンスをして車をベストな状態にしておくことはもちろんのこと、室内もシートにビニールがかけられたままになっていたりして、きれいな状態を保つようにしています。
新車を購入しに来たお客様に対して、明らかに中古車感が漂っているようなデモカーを試乗させてしまったのでは、逆効果になってしまいますので、その辺はしっかりと気を使っているわけです。
・最新式の装備やオプションパーツが取り付けられている
試乗車は、新車を購入しようとしているお客様に対してアピールをする車ですから、最新式の装備やオプションパーツなどが取り付けられていることが多いです。
ディーラーにとっては、メーカー純正のパーツやディーラーオプションのパーツは利益率も高く、ある意味おいしい商品です。
新車を購入するお客様に対して、そういったオプションパーツのアピールができれば、より利益に貢献できるわけです。
カタログを見ただけではなかなかイメージがわかないオプションパーツのメリットも、実際にそれを装着した車に乗ってもらうことで実感してもらうことができるわけです。
試乗車落ちの中古車は、そういった最新のオプションパーツが取り付けられているという点からもお得感が高いといえます。
試乗車落ち中古車のデメリットとは?
試乗車落ちの中古車は、非常にお得感が高いといえますが、もちろんメリットばかりでなく、デメリットもあります。
試乗車という性質上仕方のないことですが、不特定多数の人に乗られることになります。
大勢の人が運転した車を購入したくないという考えの人にとっては、この点は大きなデメリットとなるでしょう。
これはレンタカー落ちの中古車などでも同様のことがいえます。
しかし、レンタカーと大きく異なる点は、試乗車の場合には必ず助手席にディーラーの営業マンが同乗するという点です。
レンタカーの場合には、乱暴な運転をするような人にも利用される可能性がありますが、試乗車であれば、営業マンが同乗しているのでそういった乗り方をされることは少ないと考えられます。
また、もう一つの試乗車落ち中古車のデメリットとして、市場の流通量が非常に少なく、手に入れるのが困難であるという点があげられます。
これまでさんざん試乗車落ち中古車のメリットを書いておきながら恐縮ですが、ディーラーが試乗車として保有している車の数には限りがありますし、モデルチェンジのタイミングにならないと市場に流れてこないという性質があるために、どうしても絶対数が少ないのです。
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試乗車を手に入れるにはどうすればいい?
もともと流通量の少ない試乗車落ちの中古車ですが、それを手に入れるにはどうすればいいのでしょうか?
あたり前ですが、試乗をしたその日に「この車を売ってください」といっても売ってくれません。
そもそも試乗車は、その役目を終えるまでは商品ではないのですから、売ることができないのは当然です。
試乗車を手に入れるためには、ディーラーの営業マンと仲良くなってその車が市場に放出されるタイミングを教えてもらうというのが王道の1つといえます。
しかし、ディーラーの営業マンの目的は試乗車を売ることではなく、あくまでも新車を売ることですし、試乗車を売っても自分の成績アップにつながりませんので、正直に情報を流してくれるかどうかは分かりません。
それよりも、ディーラー系列の中古車販売店の営業マンと仲良くしておいた方がいいかも知れません。
こちらは中古車を売るのが目的ですから、試乗車であっても喜んで売ってくれます。
しかし、試乗車はお得感が髙いために人気があるので、黙っていても勝手に売れてしまいます。
お得な試乗車をより確実に手に入れるためには、中古車販売店の営業マンに熱烈に逆営業をするしかないのかも知れません。
なんちゃって試乗車にご用心
試乗車落ちの中古車が人気なのに目をつけて、高年式の中古車のメーターを巻き戻して試乗車として売る悪質な業者もいます。
そういった悪質な業者に騙されないためには、本当にそのクルマが試乗車だったかどうかを確認しなければなりません。
よく「車検証の所有者がディーラーになっている車は試乗車」などといったウソの情報がネット上に流れています。
実際には、車検証に記載された所有者がディーラーになっていたとしても、試乗車であると決めつけることは出来ません。
なぜなら、新車をローンで購入した場合に、車検証の名義がディーラーになっていることが少なくないからです。
目の前にあるクルマが試乗車であったかどうかを見分けるためには、所有者だけではなく「使用者」もディーラーになっているかどうかを確認しなければなりません。
ローンで購入した車の場合には、所有者がディーラーであっても使用者は車を購入した本人になっているはずです。
ですから、所有者と使用者の両方がディーラーになっているかどうかという点が、試乗車かどうかを見分ける上では重要なポイントであるということが言えます。
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