クルマ泥棒たちは2分~3分もあれば容易に車を盗み出します

車をこじ開けようとする男性車の盗難件数は年々減っています。

全国での年間の盗難件数がピークとなった2003年には64,223台が被害にあいましたが、2015年には13,832件までに減っています。

イモビライザーやさまざま盗難防止装置の普及により、車の盗難は大幅に減っているといえるでしょう。

しかし、それでも年間で1万3000台もの車が盗まれているのが現実ですし、盗まれた車がもどって来る割合はわずか20%程度だといわれています。

クルマは高額商品ですから、盗まれるとその被害額も大きくなります。

「まさか自分の車が。。。」などと安易に考えずに、しっかりと盗難対策をするようにしましょう。

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腕のいいクルマ泥棒なら2分~3分もあれば十分

車の盗難が2003年をピークに徐々に減ってきている主な理由として、イモビライザーの普及があります。

イモビライザーというのは、キーのヘッドの部分にICチップを埋め込み、車本体に取り付けられたICチップとのコードを照合したうえで、エンジンをスタートさせる仕組みのものです。

イモビライザーが登場する前のキーは、シリンダーの鍵山さえ合っていればエンジンを容易にスタートさせることができたために、ピッキングやキーの複製によって簡単に車を盗むことができたわけです。

イモビライザーキーを採用している車であれば、シリンダーの鍵山が合っているだけではエンジンをスタートさせることは出来ませんので、それまでにくらべて容易には盗まれにくくなったわけです。

しかし、クルマ泥棒たちは、やがてイモビライザーを無効化する装置を手に入れることになります。

それが「イモビカッター」と呼ばれるもので、イモビライザーのシグナルを無効化して、エンジンをスタートさせることができてしまう装置です。

イモビカッターは、もともとは鍵屋さんが合鍵をつくるために使われていいたものですが、インターネット通販などで簡単に手に入れることができるために、クルマ泥棒たちに悪用されることになったわけです。

腕のいい車泥棒の手にかかれば、このイモビカッターをつかってものの2分~3分もあれば、車を盗むことが可能になってしまいました。

「自分の車にはイモビライザーがついているから安心」などとは、決して言えない状況になっているわけです。

イタチごっこの盗難防止対策

そんなイモビカッターを使った車の盗難から愛車を守るためのグッズとして、「イモビカッターガード」などというセキュリティーグッズが販売されていたりします。

車を窃盗から守るためのイモビライザーがあり、そのイモビライザーを無効化するイモビカッターがあり、さらにそのイモビカッターを無効化するイモビカッターガードが登場というように、まさにイタチごっこのような状況になっています。

また最近では、持っているだけで微弱な電波を発信して、エンジンをスタートさせることのできる「スマートキー」が普及してきていますが、このスマートキーをターゲットにした「キープログラマー」と呼ばれる装置が2014年頃から登場してきているようです。

この装置を使うことで、スマートキーを制御するコンピュータを解除することができるため、簡単にエンジンをスタートさせることが可能になるわけです。

このように、車のキーシステムがどんどんハイテク化していくのに伴って、泥棒の手口もどんどんハイテク化しているわけです。

参考記事:スマートキーの車が狙われるリレーアタックによるクルマ盗難のあらたな手口

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車泥棒に狙われやすい場所とは?

コインパーキングどんどんハイテク化しているクルマ泥棒ですが、彼らはどういった場所から車を盗んでいくのでしょうか?

実は、どんな場所に置いてある車であっても、彼らは容易に盗み出してしまいます。

夜間に路上駐車しているようなクルマは論外ですが、家の玄関先であったり、敷地内にある車であっても、プロである彼らは問題なく盗み出すことが可能です。

シャッター付のガレージなどにしまってある車であっても、電動シャッターのスイッチボックスをこじ開けて持って行ってしまうこともあるようです。

ターゲットが高級車などの場合、そういったリスクをおかしてでも彼らは実行に移します。

実際に、京都で1500万円もする高級スポーツカーである日産GT-Rが、まさにその手口で盗まれるという事件がありました。

自分の家の周りだけではなく、ショッピングモールやスーパーの駐車場、コインパーキングなどの不特定多数の人が出入りする場所にとめてあるクルマは、特に盗みやすいといいます。

なぜなら、自宅の周辺で車の所有者でもない人物が車に触っているところを近所の人に目撃されれば不審に思われますが、不特定多数の人が出入りする場所であれば、そもそも誰のクルマか分かりませんので、泥棒が触っていても誰も不審に思わないわけです。

時間帯的には、人気の少なくなる深夜が狙われやすくなります。

特に、雨の日の夜であれば、雨の音で多少の物音をたてて聞こえないということもあり、車泥棒が一番仕事をしやすい状況になるわけです。

車泥棒の被害に会わないための盗難対策

タイヤロックとハンドルロックそれでは、あなたのクルマが泥棒の被害に合わないためにはどうすればいいのでしょうか?

イモビライザーやスマートキーも最近のハイテク化した車泥棒には通用せず、どこに駐車をしてあったとしても安心できないとなると、盗難対策は容易ではないといえます。

実は、泥棒がハイテク化しているのとは逆行しますが、意外にも効果が期待できるのがアナログ的な防犯対策です。

アナログ的な車の盗難対策グッズとして代表的なのが、ハンドルロックです。

さまざまなタイプのものが売られていますが、出来れば容易に外すことのできない2ヵ所でロックするタイプの物を使いようにするといいでしょう。

イモビカッターを使って、わずか2分~3分で車を盗み出してしまう凄腕の泥棒であっても、ハンドルロックがしてある車を短時間で盗むというのは大変なはずです。

もう一つ効果的なグッズとして、タイヤロックがあります。

よく脱税をして車を差し押さえされるシーンなどがテレビで放映されたりしますが、そのときに使われるのがこのタイヤロックです。

たとえエンジンがかかったとしても、タイヤが動かなければクルマは走れませんから、かなり防犯効果の高いアナログ的なグッズといえます。

ただ、毎日のように日常的に車を使う人にとっては、いちいちタイヤロックを取り付けたり外したりするというのは、なかなか面倒な作業だと思います。

また、タイヤロックをつけていることで、近所の人から車を差し押さえされたと勘違いされる可能性もありますので、実際に使うのはちょっと勇気がいりそうです。

いずれにしても、どのような対策をしても車泥棒から愛車を100%守る方法はありませんので、万が一のときのために、盗難に対応している車両保険などに入っておくことが大切だと思います。

文・山沢 達也

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