マニュアル車がAT車にくらべて圧倒的に高く売れる理由

マニュアル車を運転日本国内を走っている乗用車のほとんどはAT車となっています。

最近の新車販売総数に占めるAT車の割合は、95%を超えているそうです。

また、新たに運転免許を取得する人がAT限定の免許を取得する割合は、平成27年度では57%となっています。

そんな肩身の狭いマニュアル車ですが、中古車市場では非常に人気になっています。

まったく同じ車種であっても、マニュアル車というだけでAT車よりも数十万円高く買取りされることもあるようです。

新車のときの車両本体価格は、AT車の方が高いにもかかわらず、なぜ中古車となるとマニュアル車が圧倒的に高くなるのでしょうか?

その真実に迫ってみたいと思います。

圧倒的に運転が楽で燃費も大きく改善したAT車

普通に車を運転する分には、どう考えてもAT車の方が楽です。

クラッチ操作とシフトレバーの操作がないわけですから、左足と左手のすることはめっきり少なくなります。

左手はまだハンドル操作で活躍しますが、左足にいたってはパーキングブレーキを踏むくらいしかやることがありません。

運転に関しては圧倒的にAT車の方が楽だということは間違いないのですが、AT車にはマニュアル車とくらべて燃費が悪くなるという欠点がありました。

特に初期の頃のAT車の燃費はひどく、マニュアル車の2/3くらいしか走らなかったそうです。

しかし、最近のAT車は、ロックアップ機構や他段変速化により劇的に燃費が良くなっています。

とくにCVTが登場した以降は、AT車もマニュアル車もそれほど燃費に差がなくなってしまったといってもいいでしょう。

つまり、運転が楽で燃費がそれほど変わらないとなれば、新車を買う人の95%の人が、車両本体が多少高いにもかかわらずAT車を選ぶというのは十分に納得できることでしょう。

それでは、そんな肩身のせまいマニュアル車ですが、なぜ売却するときには圧倒的に高く売れるのでしょうか?

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どんどん市場での流通量が減ってきているマニュアル車

ミッション車の減少グラフ冒頭に新車で売られる車の95%以上が、AT車であるということを書かせていただきました。

つまり、マニュアル車の生産台数は5%以下ということになり、市場に流通している量が圧倒的に少ないわけです。

中古車市場に流通している絶対量が少なくなれば、需要と供給の関係でモノの値段は高くなりがちです。

また、マニュアル車というのは飛ばし屋に好まれる傾向があるため、事故などで廃車にされてしまうことも多く、よい状態で市場に流通しているマニュアル車の絶対量はさらに少なくなるわけです。

さらに、新車で売られている車の中には、そもそもマニュアル車の設定がないものが多くなっています。

スポーティーなセダンということが売りだった日産のスカイラインでさえ、2014年11月以降のラインナップからマニュアル車が消えています。

そうなりますと、どうしてもマニュアル車に乗りたい人は、中古車を物色するしかなくなるわけです。

メーカーが生産をしなくなっても、マニュアル車の根強いファンはある一定数いますから、需要に対して供給はどんどん少なくなっていくことになります。

そういった希少価値の高いマニュアル車ですから、AT車にくらべて数十万円も高い買取り価格を提示されたとしても、何の不思議もないということになるわけです。

開発途上国ではマニュアル車が大人気

かつては廃車にされていたような古い車が、最近では開発途上国などでの日本車人気のおかげで、高価買取りされることが多くなりました。

ところが、そういった開発途上国においては、AT車というのはあまり人気がありません。

断然マニュアル車の人気が高いわけです。

その一番の理由としては、マニュアル車はAT車にくらべて構造が単純であるという点があげられます。

日本の中古車市場では、10万kmを超えた中古車は敬遠されがちになりますが、開発途上国では修理をしながら100万km近く乗ることもまれではありません。

十分に走る車を廃車にしてしまう日本とは違い、とにかく壊れて修理不能になるまで乗り続けるわけです。

そういった使用環境を考えた場合、構造の複雑なAT車よりも修理のしやすいマニュアルが好都合なわけです。

こういった国々では、AT車よりもマニュアル車の方が数倍高く売れることもまれではないのです。

このように、マニュアル車がAT車にくらべて圧倒的に高く買取りされるのは、それなりの理由があってのことなのです。

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悪質な買取り店に騙されないように注意してください

悪質な男性イラストここまで読んで下さった方は、マニュアル車が高く売れるという事実と、その理由がよく理解できたかと思います。

しかし、多くの人はそのことを知りません。

それをいいことに、真実を隠して暴利をむさぼろうとする悪質な買取り業者が存在するのです。

「マニュアル車はあまり需要がないので、どうしても買取り価格は安くなってしまいますね」

などと平気でいう買取り業者もいますから注意が必要です。

市場で高く売れるマニュアル車を、売りに来た人が相場について何も知らないのをいいことに、安く買い叩こうとするわけです。

10万円とか20万円程度の金額で買い叩いて引き取った車を、カーオークションに持ち込んで100万円以上で売りさばいてしまったりします。

マニュアル車を売る予定の人は、間違ってもそういった業者に売却してはいけません。

「マニュアル車は需要が少ないので....」

そういった言葉が担当者の口から出たら、騙そうとしていることは明白なので、すぐにその店をあとにするようにしましょう。

マニュアル車は需要が少ないのではなく「需要に対して供給が少ない」ということをよく覚えておくようにしましょう。

希少車を売るときには、複数の買取り店に査定をしてもらうというのは大原則です。

マニュアル車を売るときには、必ず何店舗かを回って、しっかりとマニュアル車の価値を評価してくれる業者に売却するようにしましょう。

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