悪質なクルマ買取り業者の詐欺の手口と騙しのテクニック~言葉たくみに愛車を持ち去られて音信不通

丁寧に頭を下げる男性クルマというのは高額商品です。

そのため中古車といえども、売買にあたってはそれなりに大きな金額のやり取りが発生します。

ある程度のまとまった金額が動く商取引において、詐欺師たちが目をつけるというのは世の常です。

実は、中古車を売るときに詐欺被害にあうという人は決して少なくないのです。

「ものすごく親切な担当の方だったのに...」

クルマの買取り詐欺の被害にあった人たちは、口をそろえてそういいます。

「詐欺業者=ガラが悪い」というのは、たんなる思い込みです。

本当に腕のいい詐欺師というのは、表向きは普通に親切でいい人だったりするのです。

クルマを持ち去られて音信不通になってしまってから、詐欺にあったことに初めて気がついて愕然となる人が多いのです。

これから車を売る予定の人が、悪質な買取り詐欺にあわないためには、どうしたらいいのかについて考えてみたいと思います。

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クルマを渡してしまったあと業者とまったく音信不通に

「車の無料出張査定・どこよりも高く車を買い取ります!」

そういったキャッチコピーのホームページをよく見かけると思います。

見た目では、まともな買取り業者のホームページとまったく変わりはありません。

何の警戒心も持たずにそのまま出張査定を受けたりすると、他の買取り業者やディーラーよりも10万円以上高い買取り額を提示してきたりします。

思った以上の高額査定にうれしくなって、何も考えずに契約をしてクルマを渡してしまいそうになるかも知れませんが、ちょっと待ってください。

クルマを渡してから何日たっても業者からお金が振り込まれることがないばかりか、まったく連絡がとれなくなってしまうといったことが、実際にあるのです。

詐欺にあったことに気がついてあわてて警察に駆け込んでも、クルマはすでに海外などに転売されてしまってまず戻ってきません。

詐欺師というとダーティなイメージがあると思いますが、先ほども書きましたように、実はとても人当たりがよくて親切な人が多いのです。

担当者が親切で人当たりがよく、しかも他の業者にくらべて高額な買取り価格を提示されたとなれば、思わず契約をしてしまいたくなるのは当然です。

外観や人当たりだけで、その人が詐欺師かどうかを見抜くというのは、非常に困難であるということを肝に銘じておきましょう。

契約を急がせるのが詐欺師の常套手段です

ホームページの作りや営業マンの対応だけをみて詐欺業者かどうかを見抜くのは困難ですが、あるポイントを見逃さないことで、怪しい業者を見分けることは可能です。

詐欺師たちには共通している言動があるので、それを見逃さないことが大切です。

詐欺師というのは、一刻も早くクルマを奪ってトンズラしたいわけですから、すぐに契約することを迫って来ます。

「いますぐ契約をしてくれたら、この査定額にさらに10万円上乗せさせていただきます。はっきり言ってうちも赤字なんですが、この車種を探しているお客様がいるので、うちも利益を度外視してこの金額で買取りをさせていただきます!」

などということを平気で言ってきます。

まさに、口から出まかせというやつです。

向うは1円も支払うつもりはないのですから、いくらでも上乗せした金額を提示してきます。

しかし、彼らもプロなので明らかに怪しいと思えるほどの金額は上乗せしてきません。

常識的に納得できる範囲で、魅力的な条件を提示してくるわけです。

そこがプロの詐欺師たちの巧妙なところでもあるといえます。

「今すぐ売らないと損をしてしまうかも知れない」という気持ちにさせてしまう心理テクニックは、まさに職人芸といえるものです。

その日に契約を迫ってすぐにクルマを持っていきたがる業者には、くれぐれも注意をするようにしなければいけません。

買取りの契約をしたあとに大幅減額を主張するのも詐欺業者の常套手段

電話にビックリする女性のイラストクルマを持ち去って音信不通になってしまうような純粋な詐欺業者ではなく、普通にお店を構えて営業をしている業者のなかにも、詐欺まがいのことをする業者がいます。

そういった業者がよくやる手口の1つに、一度提示した買取り額を後になって大幅に減額するというものがあります。

実際にクルマをみて査定をしてもらい、高額な買取り額が提示されたので契約をしたら、数日後に業者から次のような連絡があるわけです。

「こちらで再度査定をしてみたら事故車であることが判明したので、買取り額は提示した金額の半分になります」

新車で購入してずっと乗り続けてきたワンオーナーカーであれば、過去に事故を起こしたかどうかは自分自身が一番よく知っていますので、業者側がウソを言っているということはすぐに分かります。

しかし、問題なのは自分が中古車として買ったクルマを、数年乗ったあとに売却をするときです。

自分が購入する前のオーナーが、事故を起こしたことがあるかどうかなんて分かりません。

本来であれば、査定額に大きく影響するような事故を起こしたクルマの場合、中古車店はプライスカードに「修復歴あり」という表示をしなければなりません。

その表示があれば、過去に事故を起こしたことのあるクルマであるということが認識できます。

しかし、悪質な中古車店の場合、事故車であることを隠して販売してしまうことがあります。

運悪くそういった店から中古車購入してしまった人は、過去の事故歴はまったく分からないことになります。

それをいいことに、本当は事故車ではないにもかかわらず、「前の所有者が事故を起こしていたようです」とウソをいって、一方的に減額を主張してくるのです。

査定のプロであれば、ボディのゆがみやドアのすき間の不自然さなどから事故歴を見抜くことができますが、素人がそれを判断するというのは困難です。

詐欺師は、そういったクルマの査定に関して知識のない素人の盲点を巧みに突いてくるわけです。

「半額になるのならば売却はしません」

そう主張しても、彼らは契約が済んでしまっていることを理由に、クルマを返却してくれることはありません。

すでに手元にクルマがなくなってしまっている以上、本当にそれが事故車だったのかどうかの確認も出来ません。

こうしたクルマ買取り業者の二重査定による詐欺まがいの行為は、日常的に行われていますので、注意が必要です。

関連記事:車買取業者の再査定(二重査定)でトラブルにならないために気をつけること

詐欺業者に騙されないために知っておくべきこと

クルマというのは高額商品ですから、詐欺にあうとその被害額も大きくなります。

そのため、クルマを売却するときの業者選びは慎重にならなければいけませんが、具体的にはどういった点に注意をすればいいのでしょうか?

クルマの買取り詐欺に合わないための対策としてできることを、いくつか紹介してみたいと思います。

よく知らない無名の買取り業者と安易に契約しない

クルマを売るときにまず気をつけなければいけないのは、よく分からない無名の買取り業者と安易に契約をしないということです。

いまやネットで検索すれば、いくらでもクルマの買取り業者を探すことができます。

しかし、それらの買取り業者がすべて優良なところである保証はどこにもないのです。

ホームページを持っているというだけで安心をしてしまう人もいるようですが、実はホームページだけを作成して無店舗で営業している業者の可能性だってあるわけです。

店舗がなくても、出張買取りという形であれば、まったく問題なく営業ができてしまいます。

しかも、先ほども書きましたように、詐欺業者であってもホームページそのものは優良な業者のものとまったく区別がつかないほどよく作られていたります。

ホームページで見つけた車買取業者に連絡をする前には、運営者情報などをみて、怪しいところがないかどうかをよく確認する必要があります。

電話番号が携帯電話になっていたりするのは論外ですし、住所も、Googleマップで確認をすればそこに店舗があるのかどうかはすぐに分かります。

住所が架空のものであったり、レンタルオフィスなどの住所になっていたりする場合には、詐欺業者の可能性があるので絶対に連絡をしないようにしましょう。

誤解がないように言っておきますが、無名の業者がすべてよくないということではありません。

地元で何年も前から営業しているような中古車販売店などであれば、たとえ無名の業者であってもまったく問題はないでしょう。

悪質なことをする業者であれば、地元で噂になってしまって長く営業を続けることはできないからです。

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出張買取のときには古物商の許可証を提示してもらう

言葉巧みにあなたのクルマを狙ってくる詐欺業者を見分けるのはなかなか困難ではありますが、知っておくと詐欺にあう確率を減らせる有効な方法があります。

それは、古物商許可証の確認です。

中古車を扱う業者は、営業をするにあたって地元の警察署に古物商の届け出をしなければなりません。

ホームページで見つけた無名の業者に査定を依頼するときには、訪問してきた営業マンに古物商の許可証を提示してもらうといいでしょう。

中古車買取り業者は、出張買取の際に「古物商許可証」か「行商従業者証」を携帯することが義務付けられています。

もし、これらを携帯していなかったり、提示を拒んだりするようであればその業者は怪しいと思っていいでしょう。

どんなに、高額な査定額を提示してきたとしても、そういった業者と契約をしてはいけません。

「事務所に忘れてきた」などと言いわけをするかも知れませんが、信用せずに事務所まで取りに行ってもらいましょう。

人当たりがよくて親切そうな人だから、わざわざ取りに行ってもらうのは気の毒だなどと同情してはいけません。

何度も同じことを書きますが、詐欺師というのは外観的にはとても人当たりがよくて優しいのです。

「古物商許可証」を提示してもらったら、それが偽造されたものでないかどうかを、都道府県の公安委員会のホームページで確認するといいでしょう。

参考:ホームページを利用して古物取引を行う古物商~茨城県公安委員会

確実に詐欺業者から身を守るならJADRIに加盟している業者を選ぶ

絶対に詐欺業者に騙されたくないと思っている人がより安全にクルマを売る方法として、JADRIに加盟している業者かどうかを確認する方法があります。

JADRIというのは、一般社団法人日本自動車流通研究所の略です。

JADRIに加盟している買取業者は、詐欺につながりかねない契約後の「再査定」やしつこい営業などが禁止されています。

また、信頼と実績のない業者はJADRIに加盟することができません。

JADRIに加盟するためには、既存の加盟店による紹介が必要になりますし、会社を設立して5年以上経過していないと加盟資格がありません。

さらに、過去5年以内に関係機関からの指導などがあったり、広告などのトラブルで取引停止などを受けたりしたことがある業者もJADRIに加盟することはできません。

こうした厳しい条件をクリアーした業者だけが加盟していますので、JADRI加盟業者であれば安心してクルマの売却をすることが可能になります。

JADRIの公式サイト

しかし、JADRIに加盟している業者であれば詐欺にあうことはないと分かっても、実際に自分の住んでいる地域の買取業者が加盟業者かどうかを確認するのは面倒に思う人も多いことでしょう。

そんなときに便利なのが、クルマの一括査定サイトです。

一括査定サイトに登録されている業者の多くは、JADRIに加盟をしています。

特に、東証1部上場関連企業であるエイチームライフスタイルが運営する「ナビクル」の登録業者はすべてJADRIに加盟していますので、安心してクルマを売却することができます。

こうしたサイトを利用することで詐欺被害にあうことを未然に防止できるだけではなく、複数の業者の査定額を比較することで最高値での売却が可能になりますので、まさに一石二鳥ということがいえます。

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