車の査定でボディに「へこみ」があるときのマイナス評価は?

車のボディを確認する男性新車のときはきれいだった車も、長い間乗っているうちに、ボディのあちこちに小さなキズやへこみなどが出来てしまうものです。

自分ではぶつけた記憶がなくても、いつの間にか小さなへこみが出来てしまったりすることもあるようです。

そういった「へこみ」がボディにある場合、車を売るときの査定にはどの程度影響するものなのでしょうか?

実は、査定の現場においては、そういったへこみの状態によって細かく減点内容がきめられているのです。

実際にボディのへこみが査定の際にどれくらいマイナスになるのかについて、みていきましょう。

1cm未満のへこみであればマイナス評価になりません

車のボディの「へこみ」といっても、ピンからキリまでです。

ぶつけられて大きくドアがへこんでしまうこともありますし、よく目を凝らしてみないと見えないような小さなへこみもあるでしょう。

実は、へこみの大きさによって査定の際にどれくらい減点されるかが事細かに決められているのです。

減点の対象になるのは、1cm以上のへこみです。

つまり、1cm未満のへこみに関しては、減点の対象にならないということになります。

神経質な人の中には、ごくわずかなへこみであっても査定の前にリペアキットなどを使って自分で直そうとする人がいますが、あまり意味がないといえます。

ただし、1cm以上のへこみがまったくない車であれば、プラス評価となることがありますので、それを狙うということであればまったくの無駄というわけではないかも知れません。

いずれにしても、普通に走っていただけでも小石などがはねて小さな「へこみ」が出来てしまうことも多いので、まったくへこみのない状態を維持するというのは難しいでしょうね。

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へこみの大きさにより「小」「大」「交換」に分類されます

キズやへこみのある水色の車それでは、ボディに1cm以上のへこみがあった場合に、査定ではどれくらい減点になるのでしょうか?

査定をするときには、まずへこみの大きさがどの程度なのかを見て「小」「大」「交換」に区分けをします。

1cm以上でカードサイズ未満のへこみの場合は、一律にマイナス10点減点になります。

カードサイズ以上でA4サイズ未満のへこみが「小」となります。

さらにA4サイズ以上で、ドアやフェンダーなどの各パネル面積の1/2未満のへこみの場合が「大」となります。

各パネル面積の1/2以上であれば「交換」という判断になります。

実際の減点は何点になるのか?

それでは「小」「大」「交換」の場合に、どれくらい減点されるのでしょうか?

これは、各パーツによって微妙に異なります。

たとえば、ボンネットの場合だと「小」が30点、「大」が50点、「交換」が70点のマイナスになります。

これが4ドア車のフロントドアの場合ですと「小」と「大」は同じですが「交換」の場合が80点のマイナスです。

これがルーフになると一気に点数が高くなり「小」で50点、「大」で80点、「交換」で145点のマイナス評価になります。

やはり屋根は修理しにくいのか、他の箇所にくらべて大きく査定がマイナスになるようです。

屋外駐車で大粒のヒョウなどが降ってきたときには、かなり悲惨なことになりそうです。

評価の点数にクラス係数をかけて査定額を計算

車のへこみを見る整備士ボディの「へこみ」に関しては、このようにサイズや場所によって事細かに決められているということが分かりました。

それでは、これらのマイナス点によってどれくらいの査定額が減額になるのでしょうか?

実はこの金額に関しては、クラス係数というものによって大きく変わってきます。

クラス係数というのは、車のサイズごとに決められているもので、国産車の場合「特C、特B、特A、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、軽」の8段階に分けられています。

特Cクラスというのは一番グレードの高い車種で、レクサスのLS600hやセンチュリー、GT-Rなどが該当します。

Ⅰクラスが、クラウン、ヴェルファイア、フーガ、エルグランドなどの高級セダンやミニバンが対象になります。

Ⅲクラスになると、ヴォクシーやセレナ、リーフといったファミリーカーが対象になります。

実は、クラス係数はこのⅢクラスを1.0として決められています。

特Cクラスだと2.2、特Bクラスが1.8、特Aクラスが1.5、Ⅰクラスが1.4、Ⅱクラスが1.2、Ⅲクラスが1.0、Ⅳクラスだと0.8、軽クラスだと0.7となっています。

車の査定では、対象車両のさまざまなところをチェックしたうえで加点及び減点をして、その点数にクラス係数をかけて最終的な点数とするわけです。

そして、その点数に1点あたり約1000円をかけたものが、評価金額ということになるのです。

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へこみのサイズや車種ごとの具体的なマイナス金額

それでは、実際にへこみがあった場合の査定額のマイナスはどれくらいになるのかを計算してみましょう。

Ⅲクラスであるヴォクシーのフロントドアに、A4サイズより少し小さいへこみがあったとします。

この場合の大きさは「小」となりますので、減点は30点です。

これにⅢクラスの係数である1.0を掛け算すると、そのまま30点となります。

この30点に1000円をかけると3万円ということになります。

つまり、基準となる査定額から3万円マイナスになるということです。

これが特CクラスのレクサスLS600hだった場合には、へこみの大きさがまったく同じだと仮定すると、クラス係数が2.2となりますので、3万円に2.2を掛け算して6万6000円ということになります。

逆に軽自動車の場合には、クラス係数が0.7なので、3万円に0.7を掛け算して2万1000円ということになります。

このように、同じ大きさのドアのへこみであっても、レクサスLS600hと軽自動車ではマイナス額が3倍以上も違うということになるわけです。

これがドアの面積の1/2以上のへこみがあって「交換」という判断であれば、80点のマイナスとなりますので、それぞれ特Cクラスの場合で17万6000円、Ⅲクラスの場合で8万円、軽自動車の場合で5万6000円のマイナス査定となるわけです。

車のへこみがあった場合のマイナス額というのは、このように明確な基準のものとに決められているわけです。

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