事故車は一般の買取り店に持ち込んでも、査定の対象にならないことがほとんどです。
これまでの常識では、事故車は廃車にするしかないという考えが一般的でした。
しかし、最近では走行すらできない事故車であっても、買取りをしてくれる業者が多くなってきました。
ここでは、事故車専門買取り店の事情について書いてみたいと思います。
事故車なのに高く売れる買取り店があるんです
事故車を処分しようとすると、廃車にするための諸手続費用などがかかり、収支がマイナスになることも少なくありません。
しかし、事故者専門の買取り店に持っていくことで、ありえないような高額な買い取り額を提示されることもあります。
事故車査定のカービュー
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ありえないほど高く売れた事故車の事例
実際に、どのような事故車が高額で買取りされているのか、いくつかの事例を紹介してみましょう。
これらの事例を見ていただければ、事故車イコール廃車というイメージは払しょくできるのではないでしょうか。
平成18年式のハリアーで自力走行不可が300,000円
平成18年に新車登録したハリアーハイブリッドのプレミアムSパッケージで、自力走行不可の事故車の買い取り額がなんと300,000円です。
フロント周りやエンジン、サイド、足回りなどに損傷を受け、修理の見積もり金額が150万円ですから、事故車としてもかなりダメージがひどい部類に入ります。
普通であれば廃車にして逆にお金を支払わなければならないような車です。
そんな事故車が300,000円で買取りしてもらえるのであれば、オーナーとしては大満足でしょう。
平成12年式のランドクルーザー70の事故車を600,000円で買取り
平成12年に新車登録をした、10年以上前のランドクルーザー70の事故車でなおかつ不動車が、なんと700,000円で買取りされた事例です。
この車の修理見積もりは120万円ほどとのことなので、普通に考えれば廃車にしてスクラップです。
そんな事故車が600,000円で売れるとなれば、オーナーは笑いが止まらないことでしょう。
ランドクルーザーは海外で人気のある車なので、古くてなおかつ走行不可の車であっても、高く買取りができるのでしょう。
平成25年ステップワゴンスパーダ不動車が700,000円
フロント部分が大破した平成25年式のステップワゴンスパーダのZグレードの事故車の買取り価格が700,000円です。
修理の見積もり金額が200万円ですから、普通であれば即廃車でスクラップでしょう。
しかし、この車は比較的年式が新しいこともあり、部品供給としてのニーズや海外でのニーズが高いことで、これほどの値段が付いたのだと思います。
やはり、事故車が高く売れる条件としては、年式の新しさが1つのポイントになるようです。
平成26年式のほぼ新車のビアンテの買取り金額
平成26年式のほぼ新車に近い状態で事故を起こしてしまい、走行不能となったマツダのビアンテの買取り金額が430,000円です。
写真をご覧になると分かりますが、左側はほとんど大破と言っていい状態です。
フレームにも損傷が出ていると思われる状態ですので、ほぼ新車とはいえ一般の買取り店がこの車を高値で引き取ることはないでしょう。
ちなみに、修理の見積もりが130万円とのことなので、マツダ車の下取り額の厳しさを考えると、この事故車の買取り価格が430,000円というのは驚きです。
損傷が比較的少なめのスズキパレットSWの場合
平成22年式のスズキパレットSWの事故車で、比較的損傷が少なめの事例です。
損傷としてはフロント周りだけで、走行も牽引をすればOKという状態です。
しかし、これでも修理費用の見積もりが約50万円となり、決して安い金額ではありません。
この事故車の買取り価格は290,000円です。
すでに4年落ちの車ですし50万円の修理費用をかけて乗るのであれば、290,000円で売却してしまった方が賢いといえるでしょう。
ほぼ全損状態の平成23年式フィットハイブリッド
写真をご覧になっても分かるように、ほぼ全損といってもいい状態の平成23年式にフィットハイブリッドの事故車です。
当然ながら、走行は不可能です。
幸いなことにエンジンは問題ないようですが、ボディーに関してはリア以外の部分はほとんど損傷を受けており、修理費用の見積もりも160万円と新車が買える値段です。
普通であれば、この修理費用の見積もりを見た時点で廃車を考えるところですが、この車に150,000円の買取り額がついています。
廃車にしようと思った事故車にしっかりと値がついたのですから、オーナにしてみれば、まさにうれしい誤算といえるのではないでしょうか。
平成25年式プリウスのグレードSの事故車が900,000円
平成25年式プリウスの事故車を買取りした事例です。
写真を見た感じではそれほど破損はひどくなさそうに見えますが、足回りがやられてしまっており、自力走行は出来ない車です。
売却をしたのが平成25年1月となっていますので、おそらく新車登録したばかりのプリウスだったのではないかと思われます。
このプリウスの買取り金額は900,000円と、事故車としてはかなり高い金額ですが、フロント周りと足回り以外に破損のないことが評価をされたのだと思います。
修理見積もりが800,000円とのことですので、オーナーは修理して乗るよりも売却を選んだのでしょう。
平成22年式ノアの事故車買取り額が180,000円
平成22年式トヨタノアのグレードSiの事故車の事例になります。
リア以外の部分はほぼすべてダメージを受けており、全損といっていいレベルの事故車になります。
この車を修理するとなると、200万円程度の費用が発生してしまいます。
かつてであれば、こういった全損扱いの事故車は、そのままスクラップにされるのが一般的でしたが、事故車買取専門店で、180,000円で買取りをしてもらっています。
年式が比較的新しいこともあり、パーツが再利用できることなどが評価されたのだと思います。
平成26年式ホンダヴェゼルの不動車が500,000円
平成26年式のホンダヴェゼルの事故車が500,000円で買取りされた事例です。
リアやサイド周りはほとんどダメージを受けていませんが、フロント周りや足回りにかなりのダメージを受けた車です。
エンジンも壊れてしまっており、全損といっていい事故車になります。
この車の修理見積もりは140万円とのことですが、この車の新車価格を考えると140万円の修理費をかけて事故車に乗り続ける意味はないといえるでしょう。
オーナーにしてみれば、500,000円での買取りは十分に満足すべき金額といえるでしょう。
平成24年式アクアのリア廻り破損車の買取りが450,000円
平成24年式トヨタアクアのグレードSの事故車が450,000円で買取りされた事例です。
この車は、事故車とはいってもリア廻り以外にはほとんど損傷を受けておらず、自力走行も可能な状態です。
しかし、車の修理費用というのは意外に高く、このアクアの修理見積もりは50万円とのことでした。
足回りに損傷を受けておらず、修理費用が50万円ということになると、乗り続けるかどうか迷うところですが、オーナーは結果的に450,000円で買取りをしてもらう方を選択したようです。
平成22年式ヴォクシーのZS不動車を260,000円で売却
平成22年式のトヨタヴォクシーのグレードZSの事故車が260,000円で買取りされた事例になります。
フロント周りやサイド、足回りなどに損傷を受けていますが、エンジンの破損はなんとか免れているようです。
しかし、足回りに損傷があることから自力走行の出来ない事故車となっています。
修理見積もりは80万円でしたが、仮に修理をして乗り続けても足回りに損傷を受けた事故車の場合、将来的に買取り価格が大幅に下がってしまうため、260,000円での売却を決めたようです。
平成26年式クラウンアスリートハイブリッドの事例
平成26年式のクラウンアスリートハイブリッドの事故車を700,000円で買取りをした事例になります。
写真をご覧になれば分かる通り、全損といっていい状態の事故車で、リア廻り以外は足回りやエンジンを含めてすべて損傷を受けている状況です。
修理見積もりは250万円となっています。
ここまで破損した事故車が修理できるという点は驚きですが、さすがに250万円出して修理をするよりも700,000円で買取りしてもらう方をオーナーは選んだようです。
仮に修理をしても事故車の場合はまともな査定がつかなくなってしまうため、乗りつぶす覚悟が必要になります。
平成14年式RX-7の事故車を70万円で買取り
平成14年式のマツダRX-7のタイプRバサーストの事故車が70万円で買取りされた事例になります。
10年以上も前の車で、なおかつほぼ全損の事故車が70万円で買取りされるというのは驚きです。
リア廻り以外は、エンジンや足回りも含めてほぼすべてダメージを受けている状況で、修理の見積もりも150万円となっています。
実際に、RX-7のタイプRバサーストは中古車市場において300万円前後で売られているクルマなので、70万円で事故車を買取りしても業者は十分にペイできるのでしょう。
動かない事故車が高く買取される理由
事故を起こして大きな損傷を受け、車の残価以上に修理代がかかってしまい廃車を余儀なくされるような車が、ありえないような高値で買取りされる背景には何があるのでしょうか。
これらの買取りされた事故車の多くは、海外に輸出されます。
日本では、大きなダメージを受けた車は事故車として価値がないと判断されますが、海外では車を修理して長く乗るという文化があります。
つまり、海外であればたとえ事故車であってもニーズがあるということです。
価値があると判断されれば、それに見合った値段で買い取ってもらうことが出来るわけです。
修理をするにあたっても、東南アジアなどの海外の修理工場を利用することで、日本とは比較にならないくらい安く車を再生できるのだそうです。
人気が高い日本車で年式が比較的新しければ、それを修理してでも販売するというビジネスが海外では十分に成り立つのでしょう。
そう考えると、日本の使い捨て文化の象徴とも言える、事故車への対応には考えさせられるものがあります。
もっとも、これは車だけに限ったことではく、日本の場合は家電などでもまったく同様のことが起こっています。
電気製品を修理してもらおうと思って家電屋さん持って行ったら、買ったほうが安いといわれた経験のある人も少なくないでしょう。
事故車イコール廃車という先入観は捨てましょう
一般の買取り店や中古車販売店を回って、どこも査定額を提示してくれなかったからと言って安易に廃車にするしかないと決めつけるべきではありません。
一般の買取り店や中古車販売店では、海外などへの流通ルートが確立されてないがゆえに引き取れないだけであって、そういったルートを持っているお店にいけば信じられないような高値で事故車が売れることもあるのです。
廃車にするつもりでいた事故車が高値で売れたりすると、想像以上にうれしいものです。
ですから、事故車イコール廃車という先入観は捨てて、一見廃車にするしかないような車であっても、ダメもとでタ以下のような専門の買取り店に一度問い合わせをしてみることをおすすめします。
事故車を修理して乗るのと買取り店に売るのはどちらが得?
車を事故によって大きく破損させてしまったときに、その車を修理して乗り続けるか買取り専門店に売却すべきか悩むことも多いと思います。
かつては廃車にせざるを得なかったようなダメージのひどい事故車であったとしても、最近では意外な程高価な金額で買取りをしてくれる事故車の専門店などが出てきました。
車両保険に入っていなかった場合の選択肢は買取り店に売る
事故車を修理して乗るべきか買取り店に売るべきかの判断は、事故車のダメージによっても変わりますし、車両保険に加入しているかどうかでも変わってきます。
足回りなどに大きなダメージを受け、修理に多額の費用が掛かるにもかかわらず、車両保険に入っていないといったケースでは、事故車買取りの専門店に売却が正解だと思います。
足回りやフレームに大きなダメージを受けてしまったような事故車の場合、修理に高額な費用がかかりますし、仮に修理をしてもその後ハンドルが取られるなどのトラブルがでる可能性もあります。
さらに、将来その車を売却するにしても、事故車ということでまともな査定額は期待できません。
そうなると、選択肢としては事故車の買取り専門店に売る以外にはないといえます。
修理費用がすべて車両保険でおりるわけではない
では、車両保険に入っていた場合はどうでしょうか?
この場合は、保険会社からおりる保険金の額と、修理代金を比較してどちらが得かを判断することになります。
車両保険に入っているといっても、修理代金が満額すべて支払われるとは限りません。
支払われる額は、最高でその車の事故を起こす前の相場までということになります。
事故を起こす前の状態で80万円の価値しかなかった車の場合、仮に修理代金が100万円かかったとしても、最高で80万円しか支払われないということになります。
そうなりますと、20万円以上を自腹で負担する形で車を乗り続けるということになります。
さらに、車両保険を使うことで、保険の等級がさがってしまいますので、それ以降の保険代が大幅にアップしてしまうことになります。
そういった点を考慮した場合に、もしその事故車が買取り店で20万円とか30万円で買取りをしてくれるということであれば、むしろ修理をせずに売却をしてしまったほうがいいと思います。
いずれにしましても、事故車を修理して乗り続けるか、それとも買取り店に売却するかの判断はケースバイケースとなります。
まずは修理の見積もりと事故車買取り店の見積もりをとった上で、それらを比較しつつ自分にとってベストな方法を選択するようにしましょう。
海外で人気の車種は買取りに有利になります
タウなどの事故車専門店の場合、買取りをした車の多くを海外に輸出することになります。
そのため、日本国内での人気車種だけではなく、海外で人気のある車種に関しても、事故車が高く売れるということになります。
海外で人気がある日本の中古車の代表的な車種名としては、ランドクルーザー、ハイエース、ハイラックス、ハリアー、ヴィッツ、パジェロなどが上げられます。
もちろん、日本国内でもそれなりに人気のある車種ばかりですが、東南アジアや中東、アフリカなどの国々では非常に人気の高い車種になります。
こういった車種の事故車を一般の買取り店に持ち込むと、不当に安い見積もり額を提示されることになりますが、海外への輸出を大々的に行っている事故車専門店であれば、想像以上に高い査定額が提示されることも少なくありません。
動かないほどのダメージを受けた事故車は廃車、あるいは修理をしても将来的に下取りや買取りは期待できないので乗りつぶすしかない、などという誤った知識を持っている人も少なからずいると思いますが、その考えは今すぐあらためて下さい。
事故車であっても、それをしっかりと評価してくれる専門店であれば高価買取をしてもらうことも可能だということを覚えておくといいでしょう。
事故車・廃車査定のカービュー
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