軽自動車は、ボディが小さいために買い物などで駐車場に止めるときにはとても重宝します。
ボディが小さいといっても、最近の軽自動車の室内はかなり広くなっており、まったく窮屈さを感じません。
また、コンパクトさだけではなく、普通車にくらべて維持費が安いことも軽自動車の大きな魅力の1つといえるでしょう。
そんなたくさんのメリットがある軽自動車ですが、オーナーの多くが何とかしてほしいと思っているのがナンバープレートの色です。
普通車のナンバープレートが白なのに対して、軽自動車は黄色です。
もともと黄色は目立ちやすい色のため、軽自動車はナンバーのところだけが異様に目立ってしまうのです。
また、軽自動車だけナンバーが黄色いことで、なんだか普通車と差別されているようで引け目を感じてしまうという人も少なくありません。
このようにあまり評判のよろしくない軽自動車のナンバープレートですが、期間限定で「白」が許可されることになりました。
2019年に日本で開催されるラグビーのワールドカップを記念して、2017年4月3日から2020年1月31日までの期間限定で、特別仕様のナンバーが交付されることになったのです。
基本的には普通車も軽自動車も同じデザインで、ベースの色は白になります。
つまり、期間限定とはいえ、軽自動車オーナーに不評だった黄色のナンバーをつけなくて済むことになったのです。
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現在乗っている軽自動車も白ナンバーに交換可能です
ラグビーワールドカップ特別仕様のナンバーをつけられるのは、新規に登録されるクルマだけではなく、いま乗っているクルマも対象になります。
ナンバープレートの番号も、いまの番号をそのまま引き継ぐことができます。
そのため、交付が始まった2017年4月3日からわずか3ヶ月ほどで10万台近い軽自動車が特別仕様のナンバーに変更するという、まさに爆発的な人気となっています。
国土交通省は当初、年間16万台程度を見込んでいたようですが、予想をはるかに上回るハイペースで特別仕様のナンバーが交付されることになりました。
これまでに交付されたラグビーワールドカップ特別仕様ナンバープレートのうち、87%は軽自動車となっています。
やはり、黄色いナンバープレートに抵抗があった軽自動車のオーナーが、一斉に申し込みをしたのだと思います。
ラグビーワールドカップ特別仕様ナンバーの申込期間や交付料金
ラグビーワールドカップ特別仕様のナンバーは、以下のように寄付金ありと寄付金なしのタイプに分かれています。
出典:国土交通省ホームページ
寄付金ありのナンバープレートには絵柄が入っていますが、寄付金なしの場合にはラグビーワールドカップのロゴマークだけが入っています。
ちなみに特別仕様ナンバーの交付料金は、地域によって異なりますが、東京都の場合、寄付金なしのタイプで7,000円となっています。
寄付金ありのタイプは、7,000円にプラスして、最低1,000円以上の寄付金を納める必要があります。
これまでに発行された特別仕様ナンバーの内訳は、寄付金なしのタイプが8割以上になるようです。
寄付金も1,000円以上であればいくらでもいいので、それほどハードルは高くないと思うのですが、意外に寄付金タイプのナンバーの交付数が少ない印象です。
やはり、デザイン的に絵柄のないシンプルなものの方が好まれるという理由もあるのかも知れません。
ちなみに、このワールドカップ特別仕様のナンバーは、2017年4月3日から2020年1月31日までの期間限定ですが、こちらはあくまでも交付期間です。
申し込み期間は、2017年2月13日から2019年11月29日までとなっていますので、希望をする人は早めに申し込むようにするといいでしょう。
どのように申し込みをすればいいのでしょうか?
ラグビーワールドカップ特別仕様のナンバーを交付してもらうためには、どのように申し込みをすればいいのでしょうか?
方法としては、インターネットを利用する方法と、窓口に出向いて申し込みをする方法の2つの方法があります。
インターネットを利用する場合は、以下のサイトから申し込みができるようになっています。
図柄ナンバー申込みサービス
必要事項を入力するだけで簡単に申し込みをすることができますが、車体番号などを入力する項目もありますので、車検証を手元においておく必要があります。
窓口で申し込む場合は、各地にある「一般社団法人 全国自動車標板協議会」の予約センターに出向いて手続きをすることになります。
各地の予約センターの一覧は以下になります。
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軽自動車が白ナンバーになっても高速料金は大丈夫なのか?
軽自動車のナンバープレートが普通車と同じ色になってしまった場合、高速道路の料金はしっかりと軽自動車の料金で計算されるのかどうか不安になる人もいると思います。
結論からいいますと、ETCの場合はまったく問題ないといえます。
ETCであれば、クルマに装着されている車載器にナンバーの情報が登録されているため、ナンバーの色が変わっても認識そのものが変わることはありません。
問題なのは、ETCではなく有人の料金所を通過するときです。
軽自動車はボディが小さいとはいっても、料金所の人が車種に詳しくなければコンパクトカーなどの普通車と間違う可能性はあります。
1972年にハッチバックタイプのホンダシビックが登場したときに、料金所の人が軽自動車と勘違いして安い料金で通行させてしまったという事例が多発したようです。
当時は、普通車といえばセダンかクーペタイプが主流で、初代シビックのようなハッチバックタイプのコンパクトな車は他にありませんでした。
また、ナンバーの色も当時は軽自動車も普通車と同じ白でしたから、料金所の人が勘違いをしてしまったのでしょう。
今回の特別仕様ナンバーをつけた軽自動車が料金所で精算をするときには、これと逆のことが起こる可能性が考えられます。
つまり、軽自動車なのに普通車の料金を請求される可能性があるということです。
実際には、同じ白いナンバープレートであっても、地名の横に書かれている分類番号で軽自動車か普通自動車かの区別ができるようにはなっているようです。
しかし、地名の横に書かれている分類番号は小さなサイズで書かれていますし、クルマが動いている状態で料金所の人が正確に読み取ることができるかどうかはなんとも言えないところです。
そもそもなぜ軽自動車のナンバーは黄色になったのか?
1973年10月から、軽自動車のナンバーは、白から黄色に変更になりました。
1972年に初代シビックのハッチバックが登場したことで、コンパクトな普通車と軽自動車の見分けがつきにくくなってしまったことが理由の1つになったことは間違いないでしょう。
毎日たくさんのクルマを見続けている料金所の人であっても、よほどのクルマ好きでない限りはすべての車種を覚えているわけではありません。
ナンバーの色が黄色ということになれば、普通車を軽自動車と見間違うことはなくなるわけです。
また、軽自動車のナンバープレートが黄色になった理由は、料金所の問題ばかりではありません。
当時は、高速道路の最高速度が軽自動車と普通車で異なっていました。
普通車の最高速度が100km/hなのに対して、軽自動車の場合は80km/hだったのです。
そのため、スピード違反の取り締まりをする警察官が、普通車と軽自動車の区別がつくようにナンバーの色を分けたというのも理由の1つになっているようです。
しかし、軽自動車の性能が向上したこともあり、2000年10月からは高速道路での軽自動車の最高速度は普通車と同じ100km/hになりました。
そのため、高速道路でのスピード違反の取り締まりの際に、軽自動車と普通車を判別する必要はなくなったわけです。
また、料金所も9割以上のクルマがETCを利用しているといわれていますので、軽自動車に白色のナンバーを交付しても大きな問題は起こりにくいとの判断から、今回の特別仕様ナンバーの交付が決まったのでしょう。
文・山沢 達也
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