過去5年間に無事故無違反だった場合に交付されるのがゴールド免許です。
日頃から安全運転を心がけている人は、いつの間にか自分の免許証がゴールドになっていたという人も少なくないでしょう。
「ゴールド免許の人は軽微な違反なら見逃してくれる」などというウワサを耳にしたことがある人もいると思いますが、実際にはそのようなことはなく、ただの都市伝説のようです。
ここでは、実際にゴールド免許を所有することで得られるさまざまなメリットや、所有するための条件などについて解説してみたいと思います。
ブルー免許よりもゴールド所有者の方が実際には多い
運転免許証には「グリーン」と「ブルー」と「ゴールド」の3種類があります。
グリーン免許は、初めて免許を取得してから次の更新までの3年間のみ適用される免許証です。
一般的なのはブルー免許で、過去5年以内に1度でも交通違反をしたことがある人はブルー免許を所有することになります。
そして、過去5年間にわたり無事故・無違反だった場合に優良ドライバーの証として取得できるのが、ゴールド免許ということになります。
イメージ的にはステータス性が高そうな感じのするゴールド免許ですが、実はすべての免許所有者のうちゴールド免許証を所持している人の割合は50%を超えているのです。
ゴールド免許にステータス性があるというよりも、むしろブルー免許の人は肩身が狭いということになります。
交通違反で捕まるのは運・不運の要素も少なからずありますから、実際には日常的に違反をしているにもかかわらず、なぜか免許はゴールドという人も少なからずいます。
また、免許は持っていてもまったくクルマに乗らないペーパードライバーであってもゴールド免許は適用されます。
まったくクルマに乗らないわけですから、絶対に違反することはありませんから、必然的にゴールド免許になってしまうわけです。
そういった意味では「ゴールド免許=安全運転の証」とは必ずしも言えないわけですね。
更新年の誕生日直前に違反をしてもゴールド免許をもらえます
ゴールド免許の条件となる「5年間無事故・無違反」ですが、実は誕生日からカウントするのではなく、実際には誕生日の41日前からカウントされます。
これは、無事故・無違反の判定をするタイミングが、免許更新年の誕生日の40日前に行われるからです。
どうしても、システム上そうなってしまうのでしょう。
そのため、たとえば更新年の誕生日の38日前とかに違反をしたとしても、その年の更新ではそのままゴールド免許が発行されることになります。
つまり、直前に違反をしたばかりの「ぜんぜん優良じゃないドライバー」であっても、システム上はゴールド免許が発行されてしまうわけですね。
ただし、それで「みそぎ」が済んでしまうわけではなく、次回の更新のときにその違反がしっかりとカウントされることになりますので、その後まったく違反をしなかったとしても5年後の更新ではブルー免許になってしまいます。
「5年間無事故・無違反」の起点となるのは誕生日ではなく、あくまでも誕生日から41日前であるということを覚えておくといいでしょう。
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ゴールド免許を所有していることで得られるメリット
ゴールド免許は、ドライバーの50%以上の人が所有しているわけですから、ある意味では当たり前の免許証なのですが、それでも所有者にはさまざまな優遇措置があります。
実際にどのようなものがあるのか具体的にみていきましょう。
・ゴールド免許とブルー免許の更新期間の違い
一般に、ブルー免許の更新期間は3年で、ゴールド免許の更新期間は5年だと思われているようですが、そう単純な話ではありません。
実は、ゴールド免許でも更新期間が3年間となることがあるのです。
ゴールド免許の更新期間が5年間となるのは、あくまでも70歳までの方が対象になります。
71歳の方は更新期間が4年となり、さらに72歳以上の方はゴールド免許であっても更新期間が3年となってしますのです。
一方、ブルー免許の更新期間は一般に3年といわれていますが、こちらも必ずしもそうとは限らないのです。
過去5年間に、軽微な違反(違反点数3点以下)1回のみの方に限り、ブルー免許であっても更新期間は5年になります。
こちらもゴールド免許と同様に、更新期間5年が適用されるのは70歳までの人のみになります。
さらに71歳の方は4年、72歳以上は3年となるのもゴールド免許と同様です。
軽微な違反で2回以上検挙されてしまった場合、あるいは違反点数4点以上違反を一回でも犯した場合には、年齢に関係なく通常の更新期間である3年が適用されることになります。
・講習時間が短くなり手数料と講習料が安くなります
ゴールド免許を持っていることで得られるメリットは、更新期間だけではありません。
免許更新時に行われる講習の費用が安くなったり、講義を受ける時間が短くなったりというメリットがあります。
講習時間は、過去に軽微な違反で2回以上捕まったブルー免許の人が2時間なのに対して、軽微な違反が1回だけのブルー免許の人は1時間となっています。
それに対して、ゴールド免許の人の講習時間はわずか30分で済んでしまいます。
免許の更新は、仕事を抜け出して手続きに行く人も多いですから、講習時間が30分で済むというのは大きなメリットといえます。
また、更新時に支払う手数料・講習料も、ゴールド免許の人は優遇されています。
軽微な違反を2回以上してしまったブルー免許の人の手数料と講習代を合わせた金額が3,850円なのに対して、軽微な違反が1回の人は3,300円、ゴールド免許の人は3,000円ということになっています。
・ゴールドだと自動車保険の料金が安くなります
ゴールド免許所有者のメリットは、免許の更新に関するものだけではありません。
ご存知の方も多いと思いますが、契約者がゴールド免許の所有者だと、自動車保険の料金が割引に保険会社が多くなっています。
俗に「ゴールド免許割引」などと呼ばれているものです。
ゴールド免許の所有者というのは、基本的に安全運転を心がけているドライバーなので、事故などを起こす確率は少ないだろうという考えのものとに料金が割引になるわけです。
割引率は保険会社によって異なりますが、10%程度の割引率になっているところが多いようです。
たとえば年間の保険料が5万円だとしたら、5千円も安くなるわけですから、かなりおいしい特典だといえそうです。
ゴールド免許を所有している人は、保険に加入するときに必ず確認をしてみるといいでしょう。
・マイカーローンの金利が優遇される場合もあります
クルマを購入するときにはローンを組む人が多いと思いますが、ゴールド免許を所有しているとマイカーローンの金利を優遇してくれる金融機関があります。
融資をする側にしてみれば、ローンを払い終える前に事故でクルマを廃車にしなくてはならないような状況はなんとか避けたいわけです。
そのため、そういったリスクの少ないと思われるゴールド免許所有者に対して、金利の優遇をしてくれるということになります。
優遇される金利は0.1%~0.3%とわずかなものですが、車というのは高額な商品ですから、たとえわずかな金利の違いでも支払う利息の額はかなり違ってくるはずです。
文・山沢 達也
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