乗用車の普及率が都道府県によって大きく違う本当の理由

高速道路を走る車交通の便の良し悪しや、駐車場を確保できるかどうかなどの諸事情によって、車の保有率は都道府県ごとに大きな開きがあります。

実際に全国的に見た場合、乗用車の普及率というのはどれくらいの数字になるのでしょうか?

それでは、都道府県ごとに、乗用車の世帯ごとの保有率をランキングしてみましょう。

あなたのお住まいの都道府県の保有率は、はたして全国的にみてどうなのでしょうか?

乗用車の普及率の高い地域にはどのような特徴があるか

世帯当り普及率 は保有台数/世帯数×100で計算しています。

データは、2018年3月時点での、単身の世帯も含めた全世帯が対象となっています。

これらのデータをもとに世帯あたりの普及率を具体的に見ていきましょう。

参考:自家用車の普及台数

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北関東や北陸地方が普及率上位を占めます

1世帯当たりの乗用車普及率が最も高い県は福井県となっています。数字でみると171.8%となり、1世帯あたり2台弱を保有しているということになります。

次いで167.2%の富山県が2位となり、3位山形県、4位群馬県、5位栃木県、6位岐阜県、7位長野県、8位茨城県、9位福島県、10位新潟県の順となっています。

北陸の2県がトップ2になっており、北関東や信越などの地域が上位を占めています。

これらの地域に共通していることは、比較的人口が少なめで交通の手段が車意外にないという点です。

通勤やショッピングなど、どこに行くにも車がないと移動できないために、1世帯あたり1台の車では足りなくなり、大人1人につき1台の車を所有するということも珍しくありません。

地方では大人一人につき乗用車1台があたりまえ

数字的には1位の福井県で1世帯あたりの保有率が171.8%ですが、世帯の中には単身での一人暮らしの世帯も入ってこの数字ですので、大人1人につき1台という表現は決して大げさではないわけです。

車を運転する女性国勢調査によりますと、福井県の1世帯あたりの人員は約2.8人ですから、このうち免許を取得できない18歳未満の人と運転に支障の出る高齢者を省けば、1世帯あたり1.8人弱の人が車を所有するということになるわけです。

ちなみに、全国的な平均は104.3%となっています。つまり、1世帯あたり所有する乗用車は1台ということです。

都市部では車を持たない世帯も多いですので、当然このような数字になることでしょう。

普及率の低い都道府県は公共の交通機関が発達

反対に普及率の低い都道府県では、1位が東京都の44.3%となります。

そして2位の大阪府が64.4%、3位の神奈川県71.2%と続き、そのあと4位京都府、5位兵庫県と続きます。

次いで、千葉、埼玉、北海道の順になり、ここまでが、100%を切っている都道県となります。

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東京の人は車を保有している割合が意外に多い?

東京は日本の首都であり、公共の交通機関が発達していますから1位は当然のことでしょう。

しかし、44.3%という数字だけを見ると、思った以上に東京の人は車を保有しているようです。

つまり、東京の人でも2世帯に1世帯弱は車を持っていることになります。

ほとんどの人が電車通勤で駐車場の確保も難しいということを考えた場合、都内の2世帯に1世帯弱の人が車を持っているというのはちょっと驚きです。

東京都の1世帯あたりの人員は約2人ですので、都内の子供からお年寄りまで含めたすべての人の4.5人に1人が車を持っているというわけですね。

また、東京都の世帯数は約660万世帯ですから、都内にはおよそ290万台の乗用車があるということになります。

いったい、東京のどこにそんなにたくさんの車を置いてあるのでしょうか?

土地のせまい東京において、人間は高層マンションなどにより上へ上へと居住空間を確保していきますが、車はそうはいきません。

2800万台の車の保管場所をどのように確保しているのか、本当に不思議です。

2位以降の地域を見てみますと、8位の北海道までは政令指定都市をもつ非常に人口の多い地域であり、交通手段が発達している地域ということが言えます。

広大な北海道で普及率が低いことの不思議

今回のデータで少し意外だったのは北海道です。

確かに札幌という政令都市をかかえている地域ではありますが、広大な地域のすみずみまで交通機関が発達しているわけではありませんので、やはり北海道の人にとって車は重要な交通手段であるはずです。

その北海道における車の普及率がワースト8位というのは、なんとも不思議な感じがします。

トヨタのお膝元である愛知県は例外

基本的に政令指定都市などがあって、人口が多く公共の交通機関の発達した地域は車の普及率が低くなるわけですが、愛知県だけは例外です。

愛知県は名古屋市という政令都市をかかえる地域ですが、そのわりには普及率の高い順から28位と健闘しています。普及率は124.8%です。

やはり、世界のトヨタ自動車のお膝元ですから、車を所有する世帯が必然的に多くなるのでしょう。

文・山沢 達也

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