車を購入するならば、ディーラーが一番親切だし安心できると思っている人も少なくないでしょう。
メーカーと直接つながっている正規販売店であり会社の規模も大きいことから、そういったイメージにつながっているのだと思います。
しかし、実際には必ずしもそうとばかりは言い切れないようなディーラーも多いのです。
ここでは、そういったディーラーによるあり得ない対応の数々を紹介してみたいと思います。
見てあげるから車を持ってこい
ある日、車庫に置いてあった某メーカーのクルマのエンジンをかけようとしたところ、まったくかかりません。
セルモーターが回らないのです。
クラクションは鳴るので、バッテリー上がりではないようです。
仕方がないので、その方はディーラーに電話をして、ことの顛末を説明したそうです。
すると、電話口に出たディーラーの人から、信じられないようなセリフが返ってきました。
「見てあげますので、クルマを持ってきていただけますか?」
まさに目が点になるとは、このことです。
エンジンのまったくかからないクルマを持ってこいと言われても、どうやって持って行くのでしょうか?
CDプレーヤーのような家電品が壊れて、電気屋さんに修理に持って行くのとはわけが違います。
クルマを担いで店まで持って行くことは出来ません。
この方はたまたまJAFに入っていたので、JAFのレッカー車でディーラーの修理工場まで運んでもらいましたが、それにしてもお粗末な対応といわざるを得ません。
まだメーカー保証期間の残っている車のエンジンがかからなくなったのです。
しかも、この方はその店で続けて3台も購入しているお得意様です。
まともなサービスを提供しているお店であれば、一般の販売店であれディーラーであれ、まずはスタッフが様子を見に来てくれるはずです。
そして、必要であればレッカー車を手配して、修理工場まで運ぶ段取りまでしてくれるでしょう。
すべてのディーラーがこのようなお粗末な対応をするとはいいませんが、なかにはこのように自動車メーカーという大会社の販売店であるということに胡坐をかいて、殿様商売をしているような店もあるということを知っておくべきです。
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修理を依頼したオーディオが半年以上返ってこない!?
こちらも信じられないような、某メーカー系ディーラーの大失態です。
ある方が、メーカー純正のオーディオに不具合が発生したので、ディーラー経由で修理を依頼したところ、そのまま半年以上も放置されたままになっているというものです。
その間、ディーラーからは進捗に関する連絡はまったくなく、担当者に聞いても一切の状況説明がないというものです。
この方は、困りはててディーラーのお客様相談センターへ連絡をして、ことの経緯を説明したようです。
ところが、このお客様相談センターがまたひどく、調査をしたうえで返答をするとの約束をまったく守らず、返答の期日が1週間以上過ぎても何の連絡もないのだそうです。
こうなってくると、とてもまともな商売をしている会社とは思えません。
この方にしてみれば、自分の車からオーディオが取り外されたままで、ラジオすら聞けない状態が半年以上続いているわけですから悲惨です。
純正オーディオの修理に半年以上かかるなどということはまずあり得ませんので、おそらくディーラー側で何らかの手違いやトラブルがあったに違いありません。
しかし、そのことを一切お客様に報告をしないばかりか、会社ぐるみで隠ぺいしようとしているわけです。
悪質極まりないといっていいでしょう。
お客様相談センターに連絡をしてもダメということになれば、国民生活センターに相談をする以外になくなってしまいます。
ディーラーのなかには、このような常識的にあり得ないような劣悪対応をするところもあるという事実を知っておきましょう。
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完全にお客をなめ切った対応が目立つディーラー
ディーラーによるアフターサービスのひどい事例を2つほど紹介しましたが、彼らの対応がひどいのはアフターサービスだけではありません。
これから車を購入しようと思っているお客様に対しても、なめ切った態度をとるディーラーの営業マンが少なくないようです。
・商談を進めていない人にはカタログはあげない?
自分がいま乗っているクルマを購入したお店に、別のクルマのカタログをもらいに行ったところ、「事前にインターネットを通じて商談を進めている人じゃないとあげられない」と断られた方がいます。
こちらもまさに目が点になる話です。
そもそも、クルマを購入するときには、カタログを見ながらスペックなどを比較したうえで購入すべきかどうかを検討するものです。
カタログというのは、本来がそういう役目のはずです。
それが、商談を進めている人以外にはカタログを渡せないというのは、どういうことなのでしょうか?
現代の若者風にいえば「意味わかんね~し!」ということになります。
車というのは高額商品です。
カタログすら見ないで、商談を進めるようなマヌケはいないはずです。
実はこういったお客を小馬鹿にしたような対応をするディーラーは、最近とくに増えているようなのです。
・平日に会社を休んで来てください
あるクルマの試乗車に乗ってみたくて、その店に試乗車があることを確認したうえでディーラーを訪問した人の話です。
目当ての試乗車が空いているようだったので、試乗を申し込むと、人気車種なので平日にしか試乗できないと断られてしまったらしい。
普通のサラリーマンなので、土日にしか来れないというと「それなら会社を休んで来てください」と返されたそう。
その日、店が混んでいたというのであれば仕方ありませんが、他には誰もお客様はいなかったそうです。
そんな状況のなか、「少しの時間でもいいから乗らせてくれませんか」と何度お願いしてもダメの一点張りだったらしい。
本当にクルマを売る気があるんですか、と聞きたくなるようなひどい対応ぶりです。
・例をあげればキリがないひどい対応
もうすぐ運転免許を取る予定の高校生が、カタログをもらいに行ったら「ここは子供の来るところではない」と追い返されたなどという話もあります。
実は、ディーラーによるこのようなひどい対応は、例をあげればキリがないほどあります。
しかも、最近になって特にこうしたお客をなめ切った態度をとるディーラーが増えているようです。
メーカーの技術者がどんなに素晴らしい車を開発しても、売る側がこのような態度でお客様と接していたのでは彼らも浮かばれません。
ディーラーの営業マンには、自分たちは数百万円の高額商品を売っているのだという自覚を、しっかりと持ってもらいたいものです。
「ディーラーは一般の車販売店にくらべて親切でサービスがいい」などというのは、もはや妄想の類になってしまったといってもいいでしょう。
会社組織が大きいからサービスがいいというのは間違い
ディーラーというのはメーカーの特約店という位置づけの販売窓口であり、会社としても規模が大きいために、地元の個人経営の販売店などにくらべるとサービスや対応がいいと思っている人も少なくないでしょう。
しかし、規模が大きい会社になればなるほど、対応が親切になるというのはただの妄想で、実際にはまったく逆であることも多いのです。
自分たちはメーカーの直接的な販売窓口であるというプライドと、組織的に大きな会社であるという傲慢さは、自然と態度や言葉の端々にでてきてしまうものです。
メーカーの技術者がいい車を開発すれば、どうしてもその車が欲しいと思うお客様は黙っていてもディーラーを訪問します。
その結果、売る側の人間の方が立場的に強くなり「売ってやっている」といった態度になってしまうわけです。
しかし、普通に考えれば分かることですが、それは販売店であるディーラーがエライわけでもなんでもなく、そういった車を開発してくれたメーカーの技術者がエライわけです。
そんなメーカーの商品力による集客効果に甘え切ったディーラーにくらべて、地元でほそぼそと経営をしている販売店の方がよほど接客態度やアフターフォローがよかったりします。
そういった販売店は会社組織も小さく、ディーラーのようにメーカーの後光を背景に殿様商売をするなどということは出来ませんから、1人ひとりのお客様を大切にしてくれます。
会社の規模が小さくバックボーンがないからこそ、彼らは地元の人たちに愛されなければ生き残れないのです。
このように、会社の規模が大きいことやメーカーの特約店であるかどうかというだけで、サービスや対応がいいなどと思うことは、大きな間違いであるということがお分かりいただけたかと思います。
もちろん、すべてのディーラーの対応が今回紹介したようにひどいわけではなく、素晴らしい対応をしてくれるディーラーもたくさんあるということも事実です。
先入観にとらわれずに、実際にいろいろなお店にいってみるようにするといいでしょう。
文・山沢 達也
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