いまやネット通販の王者とも呼ぶべき存在になりつつあるのがAmazonです。
Amazonというと、ついこの間までは本の通販サイトというイメージが強かったと思いますが、いまや本だけではなくあらゆるものがAmazonのサイトを経由して購入することができます。
家電や日用雑貨はもちろんのこと、市販薬まで購入することが可能です。
そんな「なんでも買えるAmazon」ですが、実は2014年6月から、なんと中古車の販売を開始してしまったのです。
中古車というのは、決して安い買い物ではありませんし、展示場で実車を見たうえで購入をするというのが常識ですから、それを通販で売るというAmazonの発想にはちょっと驚きです。
いったい、Amazonは中古車をどのような形で販売しているのでしょうか?
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中古車を通販で購入することに対する消費者の不安
中古車を通販で売るなんてありえないと普通の人は考えますが、そのあり得ないようなことを平気でやってしまうのがAmazonという会社です。
普通の人が、なぜ中古車を通販で売買するのはありえないと思うのかといえば、中古車というのは1台1台コンディションが異なるからです。
同じ5年落ちのクルマであっても、前オーナーの管理がよくて新車のようにきれいな状態を保っている車両もあれば、傷だらけで明らかにコンディションの悪い車両もあります。
通販という販売形態を考えたときに、実際に自分が購入するかも知れない車を目で見て判断が出来ないという点が大きなマイナスポイントといえます。
中古車といえども、クルマによっては数百万円の買い物になるわけですから、本や日用雑貨を買うときのように、パソコンやスマホの購入ボタンを気軽に押すわけにもいかないでしょう。
そういった、中古車を通販で購入することに対する不安を、Amazonではどのような形で解消しているのでしょうか?
Amazonによる消費者の不安を解消するための対策
中古車をネット上で販売するという、これまでの常識では考えられなかったことを実現するために、Amazonでは一般の中古車販売店にはない独自のサービスを提供することで、消費者の不安を少なくするための対策を講じています。
Amazonの消費者の不安を少なくするための対策には、どのようなものがあるのでしょうか?
・1週間以内ならば無条件で返品可能
通販で車を買うにあたって、一番不安なのは実際にどのような車が納車されるか分からないという点でしょう。
もし、自分が思っていたイメージと違った車が納品されてしまったときに、一切キャンセルが認められないということであれば、購入者は不安を感じて購入をためらうはずです。
そういったリスクや不安をなくすために、Amazonでは1週間以内の返品を認めています。
しかも、返品理由を一切問わないという点が、いかにもAmazonらしいところです。
たとえば「思ったより乗り心地が良くない」とか「サイズ的に自宅の車庫に入らなかった」などといった自分勝手な理由でもOKなわけです。
ただし、返品にあたっては3万円の手数料がかかりますので、その点だけは注意が必要ということになります。
また、返品までの期間にボディに傷をつけてしまったり、取扱い説明書などの付属品を紛失してしまった場合には、その損失分を負担しなければなりません。
いずれにしましても、実際のクルマをみないで購入するという最大の不安要因を、3万円の手数料で無条件に返品できるというルールによって大幅に緩和しているのがAmazon流ということになります。
・8項目の消耗品を新品と交換したうえで納車
Amazonで中古車を購入すると、すべてのクルマに対して納車時に8項目の消耗品を新品に交換してくれます。
8項目の消耗品というのは、タイヤ、バッテリー、ブレーキパッド、ワイパー、ファンベルト、エンジンオイル、オイルエレメント、エアフィルターになります。
このサービスも、実車をみないで中古車を購入する人の、不安を大きく緩和してくれるものといえるでしょう。
実際に納車された車のタイヤがツルツルだったりするとショックですが、Amazonで購入すれば、そのようなことは絶対に起こりえないわけです。
・価格が諸経費込みの乗り出し価格になっている
中古車の場合、展示場での車両本体価格と、実際の乗り出し価格に大きな差が生じることが多いです。
なぜなら、展示車両のプライスカードに書かれた金額というのはあくまでも本体価格であり、税金や登録手数料などの諸経費が別途になっているのが一般的だからです。
そのため、展示価格が5万5000円の車が、乗りだしで21万9000円などという金額になってしまったりすることもあるのです。
参考記事:中古車の店頭価格と乗り出し価格には大きな差があります
一般の店舗であれば、そういったことに対する説明を事前に受けたあとで購入することになりますから、まずトラブルになることはありません。
しかし、通販の場合には説明を受けずにそのまま購入ボタンを押すことになるので、表示価格と乗り出し価格に違いが生じるとトラブルになる可能性があるわけです。
営業マンが直接お客様に接して売ることのできない通販であるがゆえに、Amazonではあえて諸経費込みの明瞭な価格表示にしているわけです。
・1年間あるいは10,000kmまでの保証付き
Amazonで購入した中古車は、納車のときから1年間または走行距離1万kmまでの保証がついています。
通販という性質上、実際のクルマを見ることができないうえに、試乗もできませんから、購入後のトラブルに関しても不安は大きいといえます。
納車された車が1ヵ月もたたないうちに壊れてしまったのでは、誰でもショックを受けるに違いありません。
そういった不安を解消するためにも、1年間または走行距離1万kmまでの保証というのは大きな安心材料になるに違いありません。
・事故車は販売をしない
よく中古車の展示場などでプライスカードを見ていると「修復歴あり」と書かれた車を見かけることがあると思います。
この「修復歴あり」というのは、過去にフレームなどの重要な部分に損傷を受けるような事故を起こしたことのあるクルマを指します。
いわゆる一般的に「事故車」と呼ばれるものが「修復歴あり」と表示されているわけです。
こういった事故車は、見た目にはきれいに修復されており、値段的にもかなり安いことが多いのですが、実際に購入するとなると、あとになってハンドルがぶれるなどの不具合が出る可能性もあり、それなりのリスクがあるクルマということになります。
Amazonでは、実車をみないでネットから注文を受けるという形で中古車を販売するスタイルのために、あえてリスクのある事故車は一切取り扱わないという方針になっているようです。
・配送料なしで自宅まで納車してくれる
Amazonでは2,000円以上の商品を購入すると、送料が無料になります。
プライム会員になっていれば、2,000円以下の商品であっても送料が無料になります。
これは中古車の場合も例外ではないようで、Amazonで車を購入すると「関東・東海・関西」の各地方限定になりますが、無料で自宅まで車を届けてくれます。
通販で物を購入するときにつねに気になるのが送料ですが、その送料を無料にするという方針で業績を伸ばしてきたのがAmazonなわけです。
そのAmazonが、車の配送まで無料にしてしまったわけですから、驚きです。
通販といえども納車時にかかる配送費用をまったく気にせずに購入ができるということであれば、申し込み時のハードルは一気に下がるに違いありません。
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Amazonで中古車を購入するにはどうすればいい?
それでは、実際にAmazonで中古車を購入するにはどうすればいいのでしょうか?
商品の選び方は基本的に他の商品と同じです。
車種、予算、ボディタイプ、メーカーなど、自分が欲しい車の条件をもとに検索をかけていきます。
欲しいクルマが見つかったら、あとはいつもAmazonで本や日用品を買うときのようにカートに入れればOKです。
あまりにも簡単すぎて、逆に不安になってしまうかも知れません。
申し込み時点の決済額は一律で頭金として1万円になっており、残金に関してはあとで提携しているカーネクストという会社と清算する形になります。
とりあえず、1万円の決済が完了したら、登録に関する案内のための書類が一式送られてきますので、名義変更などに必要な書類一式をそろえて返送すればOKです。
あとは、納車になるまでただ待つだけとなります。
早ければ、1週間程度でクルマが届くようです。
Amazonらしいといえばそれまでですが、実に簡単にネット経由で中古車が購入出来てしまうことにびっくりですね。
Amazonの中古車販売ページ
https://www.amazon.co.jp/
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