ホームページの制作費用は、本格的な集客を目的とした場合、それなりの金額を覚悟しなければなりません。
もちろん、ただホームページを作るだけならば、20万円~30万円程度の費用でも可能ですが、集客を目的とする場合には、100万円程度の製作費はかかると考えておいた方がいいでしょう。
参考:製作費用が100万円のホームページは高いのかそれとも安いのか?
しかし、個人でお店をやっている方や零細企業の経営者にとって、ホームページを制作するための費用として100万円を捻出するというのは大変なことであるに違いありません。
そこで、これからホームページの制作を検討している個人事業主や零細企業の経営者の方にお勧めしたいのが、中小企業庁による小規模事業者持続化補助金です。
この小規模事業者持続化補助金を活用することで、ホームページ制作費用として最大50万円までを補助金として受け取ることができるのです。
本格的に集客のできるホームページが実質50万円で制作可能
小規模事業者持続化補助金は、最大で50万円まで受け取ることができますが、製作費が50万円以下のホームページであれば全額補助金でまかなえるかというと、そうではありません。
小規模事業者持続化補助金で支給されるのは、あくまでもホームページ制作にかかった費用の2/3までという決まりがあります。
つまり、30万円のホームページを制作したら、10万円が自己負担で20万円が小規模事業者持続化補助金の対象になるということです。
60万円のホームページなら、20万円が自己負担で40万円が補助金ということになります。
本格的に集客を目的としたホームページを制作するためには100万円程度の製作費を覚悟する必要がありますが、この場合であれば最大の50万円を補助金として受け取ることが可能になります。
つまり、本格的な集客の用途として使える100万円のホームページが、補助金を差し引いた50万円の自己負担だけで制作することができるということです。
小規模事業者持続化補助金を利用せずに、すべて自己負担で50万円のホームページを制作したとしても、まともなアクセスは期待できません。
それに対して、同じ50万円の自己負担であっても、小規模事業者持続化補助金を活用すれば、SEO対策によって自然検索からのアクセスを呼び込むことのできる100万円のホームページが制作可能になるのです。
また、小規模事業者持続化補助金は新たにホームページを制作するときだけではなく、サイトのリニューアル費用や本格的なSEO対策をして集客力をアップさせるための費用なども対象になります。
すでにホームページはあるけれども、サイトの質が低かったりSEO対策がまったくできていなかったりしてアクセスがないといった状況の人でも補助金を受け取ることが可能です。
小規模事業者持続化補助金は商工会議所や商工会から申し込み可能
小規模事業者持続化補助金は、地域の商工会議所や商工会から申し込みをすることができます。
ただし、すでに制作をしてしまったホームページに対して、事後での申請はできませんので、必ず制作をする前に申し込みをする必要があります。
対象となるのは、卸売業・小売業やサービス業(宿泊業・娯楽業以外)の事業者で、常時使用する従業員が5人以下、サービス業のうち宿泊業・娯楽業や製造業その他の事業者で常時使用する従業員の数が20人以下となっています。
もちろん、法人だけではなく個人事業主も対象になります。
これからホームページを新たに制作したり、リニューアルをしたりして集客につなげたいと考えている人は、地域の商工会議所や商工会に行って相談をしてみるといいでしょう。
ただし、小規模事業者持続化補助金はいつでも申し込みが可能なわけではありません。
年に4回公募受付の締め切り時期が決まっています。
令和2年度における小規模事業者持続化補助金の公募の締め切り期間は以下の通りです。
1回:令和2年3月31日
2回:令和2年6月5日
3回:令和2年10月2日
4回:令和3年2月5日
経営計画書やホームページ制作会社の見積りなどの資料をそろえて、期日までに提出する必要があります。
もちろん、申し込みをすれば全員が補助金をもらえるということではなく、資料をもとに審査をしたうえで採択の可否が判断されます。
仮に採択されなかった場合であっても、次回以降に何度でも公募申請ができますので、あきらめずにチャレンジしてみるといいでしょう。
参考:小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金に申請するための必要書類
小規模事業者持続化補助金申請にあたっては、いくつかの書類を事前に準備する必要があります。
商工会議所に申し込みをするのであれば、「小規模事業者持続化補助金事業に係る申請書」「経営計画書」「補助事業計画書」「小規模事業者持続化補助金交付申請書」「貸借対照表および損益計算書(法人)」「直近の確定申告書(個人事業主)などが必要になります。
これらの書類に、地域の商工会議所が発行した「事業支援計画書」やホームページ制作業者に作成してもらった「見積書」などを添えて申請をすることになります。
補助金をホームページの制作費用にあてるのであれば、経営計画書の中に販路開拓のためにホームページが必要になるという明確な理由をしっかりと書き込む必要があります。
こうした申請書類の作成を自分でするのが困難だと感じる人は、補助金申請に詳しい行政書士などに作成を依頼してみるといいでしょう。
小規模事業者持続化補助金の採択率はどれくらいか?
これからホームページの制作やリニューアルを計画している事業者にとって非常に魅力的な小規模事業者持続化補助金ですが、どんなに魅力的であっても採択されなければ意味がありません。
実際に、公募をした事業者の何割くらいが採択されるのでしょうか?
こうした給付金は、年度ごとに用意される予算が異なりますし、応募数などによっても採択率は大きく変わってきます。
2018年度は、応募総数約26,000件に対して採択総数が18.000件で採択率が約65%でしたが、2019年度は応募総数が約24,500件に対して採択総数が21,800件と約89%の採択率となっています。
採択率が90%近くになっているということは、しっかりとした経営計画書さえ作成することができれば、まず補助金を受け取ることができると考えていいでしょう。
新型コロナ特別対応型の小規模事業者持続化補助金
新型コロナウイルスによる経済対策の1つとして、中小企業庁は「コロナ特別対応型」の小規模事業者持続化補助金の公募を決定しました。
通常は最大で50万円までの補助になりますが、コロナ特別対応型の場合最大で100万円まで補助されることになります。
たとえば、100万円でホームページを制作した場合、その2/3にあたる66万円が補助の対象となります。
150万円のホームページを制作すれば、100万円が補助の対象ということになります。
公募のための要件として「非対面型ビジネスモデルへの転換」という項目がありますので、ホームページを制作するための費用も該当するものと思われます。
公募の締め切りは以下の通りです。
第1回 令和2年5月15日
第2回 令和2年6月5日
第2回目以降も、複数回の締め切りを設ける予定だそうですので、つねに最新の情報をチェックしておくといいでしょう。
文:土井 稔