Webの世界でSEO対策に最も長けている職種は何でしょうか?
ホームページ制作業者でしょうか?
SEOコンサルやSEO業者でなどの、いわゆる専門家といわれる人たちでしょうか?
あくまでも私個人の見解になりますが、SEO対策において最も実力を有しているのは、アフィリエイターだと思います。
ここ数年、Googleは矢継ぎ早にコアアルゴリズムのアップデートを実施して、検索結果が大きく様変わりしています。
気がついてみると、大手の企業や公式サイト、楽天やAmazonなどの大規模サイトが、検索結果の上位を独占するようになりました。
上位表示されている、それらのサイトのコンテンツは、お世辞にも質が高いとは思えないようなものも少なくありません。
ほとんど中身がなく、ただ商品を並べているようなページであっても、大手のサイトという理由だけで上位表示してしまっているのです。
なぜそんなことになってしまったのでしょうか?
理由は明白で、そういったロジックにしないと、Googleの検索結果はアフィリエイターたちのサイトに上位を独占されてしまうからです。
コンテンツの質の低下に目をつぶってでも、GoogleがE-A-Tの大義名分のもとにこうしたロジックを選択せざるを得なかったのは、アフィリエイターの存在を無視できなくなってしまったからに他なりません。
あるSEOセミナーでのウソのような本当の話
あるアフィリエイターがSEOのセミナーに行ったときの話です。
そのセミナーは、参加費が5万円ほどと決して安いセミナーではありません。
それだけの価格設定のセミナーであれば、かなりレベルの高い話が聞けると誰もが思うに違いありません。
もちろん、参加したアフィリエイターの方もそう思ったに違いありません。
しかし、そのアフィリエイターの期待は、質問タイムのときに打ち砕かれることになります。
彼は、セミナー講師にあるキーワードの攻略方法について質問しました。
すると、SEOの専門家であるはずのセミナー講師は、悪びれもせずに次のように答えたそうです。
「そのキーワードは、検索の上位をアフィリエイターのサイトが独占しているので、狙わない方が無難です。彼らはSEOのプロですからねぇ….」
質問をしたそのアフィリエイターは、開いた口がふさがらなくなってしまったことでしょう。
「彼らはプロですからねぇ...」といわれても、すなおに納得できる話ではないでしょう。
「5万円もの高額な参加費を徴収してセミナーを開いているあんたは、SEOのプロじゃないのか?」と突っ込みを入れたくなったはずです。
つまり、SEO対策のセミナーを5万円もの高額で開催するようなSEOの専門家であっても、アフィリエイターの実力には一目置いていたことになります。
SEO業界において、アフィリエイターというのは非常に大きな存在なのです。
●SEOの専門家であっても、アフィリエイターの実力には一目置いている
●SEO業界において、アフィリエイターというのは非常に大きな存在
被リンク全盛時代のアフィリエイターたちの壮絶ブラックSEO
被リンクパワーがダイレクトに検索順位に反映されていた時代の、アフィリエイターたちのSEO手法にはすさまじいものがありました。
特に、ペンギンアップデートが登場する2012年の4月までは、まさにやりたい放題でした。
当時は相互リンクという手法が流行っており、多くのホームページには相互リンクのための専用ページが用意されていました。
アフィリエイターの中には、数千以上の相互リンクを獲得していた猛者もいます。
当時は、相互リンク依頼代行業者が存在しましたので、そういった業者にお願いをして、相互リンク専用ページのあるサイトに片っ端から交渉をしていったわけです。
バックリンク用のドメインに数百万円を投資するアフィリエイター
また、ページランクの高い中古ドメインで制作されたサテライトサイトからの自作自演リンクも、アフィリエイターたちの得意技でした。
数十万円もするような高価な中古ドメインを使って、惜しげもなくメインサイトに被リンクを送っていたのです。
難関キーワードで上位表示させるためには、そういったパワーのある中古ドメインからたくさんの被リンクを送る必要がありました。
そのため、1つのメインサイトに対するサテライトサイト用のドメイン代に、数百万円以上も投資するなどということはザラにありました。
そこまでの金額を投資しても、難関キーワードで上位表示に成功すれば、2~3ヵ月で元が取れてしまうほどのアフィリエイト報酬を手にすることができたのです。
ペナルティを逃れるためのピラミッド構造のサテライトサイト
ペンギンアップデート以降は、大量の自作自演リンクがペナルティを受けるようになったため、ピラミッド方式のサテライトサイトが採用されるようになりました。
ピラミッド方式というのはどういった方法かといいますと、直接メインサイトに送るリンクの本数を極力少なくするために、サテライトサイトの下にさらに2階層3階層とサテライトサイトを構築していくというやり方です。
そうすることで、数十個のサテライトサイトのパワーを、5~6本の被リンクで伝えることができたのです。
そして、このピラミッド構造によるバックリンクも、SEO的に非常に大きな効果を発揮しました。
関連記事:被リンクによるSEO対策はいまでも効果があるのでしょうか?
コンテンツSEO時代におけるアフィリエイターたち壮絶文字数勝負
自作自演リンクによる検索順位の不正操作に手を焼いたGoogleは、これまでのサイトの評価基準を大きく変えざるを得ませんでした。
つまり、被リンクの評価を下げてコンテンツの質を重視することにしたわけです。
それまでは、コンテンツが2割に対して被リンクが8割などと言われていた評価基準を、Googleは180度逆転させる作戦に出たのです。
そうすることで、読者目線のしっかりとしたコンテンツを提供するサイトだけが生き残るに違いないとGoogleは考えたのです。
1記事あたり2万文字や3万文字を入れ込むコンテンツスパムSEO
しかし、そんな大胆な評価基準の変更をGoogleが行ったにもかかわらず、アフィリエイターたちが淘汰されることはありませんでした。
リンクスパムが通用しなくなったアフィリエイターたちは、今度はコンテンツスパムでGoogleに挑むようになったのです。
その結果、かつては1ページあたり600文字程度で十分といわれたテキストの量が、あっと言う間に3000文字~5000文字必要になりました。
さらには2万文字~3万文字などという、どう考えても読者目線とは言えないような超長文のページまで登場するようになりました。
上位表示ためには、一切の妥協をしないという信念の強さがアフィリエイターにはあるのです。
大企業までがコンテンツスパムに参入するようになりました
Googleは、これまで600文字程度の記事しか書けなかったアフィリエイターごときに、長文のコンテンツが書けるわけがないとタカをくくっていたのかも知れません。
しかし、ちょうどその頃、アフィリエイターにとってまさに都合のよいサービスが登場してきたわけです。
いわゆるクラウドソーシングというサービスで、ネット上で在宅ワーカーを募集して仕事をしてもらうというサービスです。
アフィリエイターたちは、そういったサービスを利用して安い単価で素人ライターに大量に記事を書かせて、コンテンツスパム的なSEOをするようになったのです。
そういったコンテンツスパムが効果的であると分かると、アフィリエイターだけではなく、大手の企業が運営するメディアまでもがそういったやり方で上位表示を目指すようになりました。
そういったときに起こったのが、上場企業であるDeNAによる「WELQ事件」です。
この「WELQ事件」以降は、単純に文字数だけのコンテンツスパム的なSEOは通用しなくなっていきました。
関連記事:コンテンツSEO対策は具体的に何をすればいいのか?~文字数が多ければOK?
ペナルティ上等で恐れを知らないアフィリエイターたちの実行力
アフィリエイターをSEOコンサルやSEO業者と比較した場合、大きく異なるのはその実行力です。
アフィリエイターがSEO対策を仕掛けるのは、基本的に自分自身のサイトです。
万が一SEO対策に失敗してペナルティを受けたとしても、それは自己責任ですし、その失敗が次の施策に生きてきます。
そのため、彼らは必要以上にGoogleのペナルティを恐れません。
ペナルティを受けたサイトは、ドメインを乗せ換えてリベンジすればいいと、簡単に頭を切り替えます。
ところが、SEOコンサルやSEO業者というのは、他人のサイトを預かっているわけですから、そうはいきません。
ペナルティによってクライアントのサイトを圏外に飛ばしてしまったら、大変なことになってしまうという認識が常にあります。
会社やお店にとって、ホームページのドメインというのは、住所や電話番号といっしょですから、そう簡単に変えることはできません。
アフィリエイターのように、ペナルティを受けたらドメインを乗せ換えるという選択肢は基本的にないのです。
そのため、SEO業者やコンサルの人が提案するSEO対策というものは、どうしても安全性の高い無難なものになってしまいます。
無難なSEO対策を最優先させるコンサルタントやSEO業者が、怖いもの知らずのアフィリエイターに勝つのは容易ではないのです。
●アフィリエイターがSEO対策を仕掛けるのは、基本的に自分自身のサイト
●SEO業者やコンサルの人が提案するSEO対策というものは、どうしても安全性の高い無難なもの